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長野県で頻繁に地震が起きている、とニュースが伝えている。新型コロナウィルスに加えて天災が追い討ちをかけたなら、と想像するだけで身震いしそうだ。台風や大雨の多く発生する季節が来る。複合汚染ならぬ、複合被災が現実となる可能性も少なくないだろう。ウィルスからパンデミックへの変遷は、人災そのものだ。
このところニュースでは、コロナウィルスから回復した人たちの、あの行動は軽率だった、というコメントを報道している。反省して改善した生活に変化していくという意味で、伝える意義は大いにあると思う。政治家や官僚の皆さんも、2月当初から専門家の意見を全面的に支援した施作を打てなかったこと、それを反省する言葉を発してほしい、と思う。政治家というものは、真の専門家の皆さんを支える黒子でなければいけないだろう。今年は、そのことを明確に庶民に伝えたということにおいては、歴史上の決定的な年になったと思う。
ああいえばこういう、というアマノジャクな人を嫌いではない。人と同じことはしたくない、という個性的な人は大好きだ。しかし、何事にも基本あるいは基礎が大事、という大きな大前提を外してはいけない。政府が遅まきながら非常事態宣言を出して、外出自粛を呼びかける中で、海岸や公園に群れを作ってはしゃぐ人の姿は、アマノジャクな人たちの群れかもしれないが、完全に基本を無視している。単純に、自分の愛する人を守りたい、ということと反対の行動をしていることになる。しかし、今からでも生活を変えることはできる。人は失敗から学ぶ生き物なのだ。どうしようもなく新型コロナウィルスの収束が遅く、数年かかるというのなら、失敗した人も含めて新しいスタイルを模索していくほかはない。
さて、気分を変えて、畑に戻ろう。昨日は、早生玉葱の収穫をし始めた。ちょうど超極早生の玉葱の販売が、ほぼ終了したところだった。この冬は暖冬で、その前の秋の段階からそれは予想できていた。通常通りの玉葱の苗の植付期では、販売には不向きの玉葱である「とう立ち玉葱」が多くなってしまう、と予想した。だから、大幅に植付期を遅くした。貯蔵用の玉葱の品種だけでなく、早生玉葱の植付も1月下旬まで遅らせたのだ。それを今収穫し始めた。とう立ち玉葱は今のところ一つもない。超極早生の玉ねぎでもとう立ちはなかった。
近年の天候不順は、僕たち農家のスタイルも変化させている。天候には逆らえないから、天候不順を予想して作付けを考えることが多い。長年の経験や慣習だけでは対処しきれない時代なのだ。人間自体が急激に変化しているし、地球自体も変化しているように見える。人間の変化が動植物の連鎖を変化させるきっかけを作っているとも予想する。その中で、具体的に何をどう変化させていくか?変化の過程もまた一つの経験の中から生まれていく。ただ単に新しい発想だけでなく、新しい発想から失敗を積み重ねることと、基本を組合せながら変化させていく必要がある。玉葱の2月植えという形は昔から淡路島で行われていた。それを僕たちも長年かけて実践しながら、1月植えと2月植え主体に移行してきたのだ。気温や日長との野菜別の特性を基本としつつ、スタイルを変えることも必要だ。
2020年4月23日
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