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「年齢との折り合いの付け方 その5」



 六十歳という年齢でありながら、自由に生きているという感覚が当てはまる生活をしている、と思う。圧倒的に数の多い会社員ならば、定年を迎えているはずだ。そして、大抵は同じ職場に再就職という形を取るのが現実的だ。だから、多くの同級生は、ある程度役職から解き放たれてはいるが、同じようなスタイルで働いていると思う。給料の半減を残念に思いながら、この先に何をしていくかを考えているはずだ。 僕は、三十年農業を続けてきた。もしこれから九十歳まで生かしてくれるのなら、もう三十年を農の中で暮らすことになるのだろう。年齢とともに衰えていくカラダに合わせて、稼ぎも減っていくのだと思う。そしてまた、自由に生きるという意味において、やりたいことはすべてやってしまえ、という思いを実行に移せば移すほどに、寿命は縮まるような気がしている。現に、演奏を録音して作品に仕上げていくという過程を夜ごと繰り返す日々は、命がけの側面を捨てきれないのだ。

 自由に生きる、ということを冒頭に書いたが、自由に生きるとは、制約の中で何ができるかを模索するという意味だ。今までもそうだが、今でも子供達のあれこれに付き合う時間が多く必要だ、という制約が存在する。農業にしたって、当たり前のように天候不順が押し寄せてくるし、気候に合わせての作業が前提なのである。自分の作り出した制約と、人がもとから持っている天候の中に生きるという制約、それらを取っ払うことが自由ではない。制約の中でどのように好きなように泳ぐかを自分で決めて実行することが自由なのである。

 で、具体的な話だが、また新しいことをやろうとしている。いや、実は新しいことでもない。十年くらい前までやっていた語りをまた少しだけ始めようと思う。僕がこうして毎週書いている「週刊てーて」を、自分で朗読するのである。十年ほど前までやっていたのは、音声のみの形だったが、今は時代が変わってきているので、映像を届けるという形を取ろうと思う。今は、YouTuber(ユーチューバー)なる職業が存在する時代で、専門家でない人がコンテンツを無理やり創造しているような形が多いように見受けられる。それはそれで淘汰を繰り返していくだろうことは想像に難くない。僕はYouTuberになるつもりはない。

 昔やっていた語りは、途中からM君という農業志願の青年がうちに働きに来ていた時に変化した。声優の専門学校に通っていたM君が週刊てーてを語り、僕が即興演奏でギターを弾くという形に変わったのだった。その後、M君は独立して農業を始め、その後他界した。M君とともに語りは止まってしまったのだ。それを今、僕がまた再開しようというわけなのだ。

 去年の暮れにアップした僕の曲の映像を、東京に住む親戚が見てくれた。そのうちの一人はコメントを入れてくれた。もう何年もお会いしていない。僕が曲を完成してアップするのには数ヶ月単位が必要である。そういった会えない方々へのメッセージ代わりとなるかどうかはわからない。三十年続いた農と四十五年続いた音楽ならば、専門性の片隅に置いてもらえるかもしれない。これが年齢との折り合いになるのかどうなのか?

 

2021年3月12日


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