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「一つずつをこなしていく」



 次女が大学を卒業して、実家暮らしになってひと月あまり。あっという間にGWも終わってしまった。世間、とりわけ都会方面では、予想通り新型コロナウィルスは収まらない。短期集中型の非常事態宣言で収まるくらいなら、世界中どこでも苦労はずっと少ないだろう。どうしてメディアは、退陣キャンペーンをしないのかな?おかしな状態のまま、それを許して全面保証のされない休業要請でもう一年ずるずると行くつもりだろうか?

 ドイツにいる長女は、その生活の中からドイツ政府のあり方を垣間見ているようだ。去年12月に家賃が月に2万円ほども下がったのは、連邦政府の政策なのか詳しいことは知らないけれど、住居の面積に対しての家賃にしなさい、という通達のためだった、と長女に聞かされた。ラッキー、仕送りを少しでも減らせるのはありがたい。ドイツの非常事態宣言で、長女はアルバイトもあまりできないでいたのだから。

 ところが、その家賃がまた値上がった。もとの家賃に戻ったのだ。それどころか、半年分の値下がった分だけの家賃も払わなければいけないようだ。なんと、最高裁で先の政策が覆ったのである。アンラッキーである。それにしてもドイツははっきりしている。正確なところはわからないが、連邦政府の政策は、即座に実行された。しかし、裁判になれば、しっかりと判断される。国の政策でも、簡単に覆るというわけだ。良いか悪いか?ということよりも、なぜ?の状態がはっきりしていることが羨ましい。日本のように、よくわからない総合的な判断という言葉でごまかさない。だいたい、総合的な判断はいつだってなされるべきだが、その総合的な中身を具体的に示すのが政治のはずである。

 おっと、こんな話をするのではなかった。GWは、我慢の日々だった。GW前に、トラクターのエンジンがかからなくなった。軽油燃料の入り口にある水分分離するためのカップが寿命になったからである。農機具屋さんに部品を頼んでおいたが、別の部品を持ってきてしまったので、また注文し直して、なんとかGW前に交換してくれた。しかしエンジンはかからない。農機具屋さんがまた来てくれたがかからない。野菜の苗の植え付けのために、畑を耕したいのだが、それができない状態になった。

 仕方ないから、とにかく、畑を手作業で草をとって、ほとんど不耕起のような状態で苗を植え付けていった。植え付けることは、精神衛生上とてもよい。一方で、トラクターが動かない状態で放置されるのは、なんとも不安な状態だ。毎日、あれこれ修繕のために手を尽くした。そして、苗を植え付け続けた。GW明けて、農機具屋さんの部品交換してくれた部分を、もう一度外して清掃してみた。ついにエンジンはかかった。エアーが噛んでいたのである。

 GW最終日、長男のジュニアユースサッカー公式戦があった。ついに長男は得点を決めた。公式戦の得点は数カ月ぶりである。ユースに上がることができるか、多分当落線上にいる状態なので、結果が欲しかった。もちろん、これで終わりではないが、結果は次への勇気の一つになる。僕たちの心身共々、怒涛の忙しさは、当分続きそうだ。

2021年5月7日


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