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「61歳も怒涛の雑事喝采の日々 その3」



 春の白内障のレーシック手術の後、その養生と、作業の遅れ回復のために、ひたすらに走ってきた感がある。そこにとびきり早い梅雨入りが来て、ジャガイモや玉ねぎの収穫が追い打ちをかけた。オクラの種まき後、芽の出なかった欠株へのタネの播き直しすらできず、里芋も植え付けただけで生分解性マルチフィルムを張ることもできず、という体たらくである。

 昨日は梅雨の晴れ間が続いてくれたので、トラクターに乗った。畑を耕して、ナス畝の横を通ると、いつの間にかナスの樹は大きくなっていて驚く。今日、ナスの畝に行って畝脇の草取りをすると、もう収穫できる実があるではないか!夏が来たぞ、とも言うべき天気は正直だ。ニジュウヤホシテントウも来ている。ニジュウヤホシテントウの卵、卵から孵った幼虫を退治する、いわゆるナスおじさんになる日も近いな、と実感させられた。

 里芋は、芽が出揃っている。しかし、草に覆われ始めている。生分解性マルチフィルムを、構わず里芋の芽の上から張っていく。通常は、里芋の芽の出る前にフィルムを貼るのだが、今回はその時間をとる前に梅雨がやって来た。フィルムに穴を空けて、里芋の芽を表に出し、土をフィルムの裾と里芋の株元に被せていく。そうすることで、あっという間というほど早くもないけれど、里芋の畝が出現する。手間はかかるが、このような作業は面白くて気持ちいい。

 帰農したばかりの30歳の頃は、このような手作業オンリーの日々だった。開墾という宛のない徒労の日々、という感じもまた好きだった。それまでの、東京での「目的と効率の巣」からこぼれ落ちて、在野の人という心境でもあっただろうか?それから、結局、野菜の需要に供給が追いつかず、少しずつ機械化し、苗の植え付け期まで導入した。それはそれで面白い日々だったが、今はもう草刈機とトラクターだけを機械に頼って、あとは手作業に戻った。効率優先、合理化の企業理念、それを理解する上で、機械化は大いに参考になった。それだけである。

 手作業はしかし、雑事喝采の日々を醸し出す。なんでも自分でやり、人の愚痴を聞くよりも人の寝ている時間に、人の動きやすい環境を整える、というようなやり方を好む。人というものは判断を誤ると、勘違いを突っ走るものだ。現政権のような、人々の意見よりも政治家の意見を聞くという、そのようなことが企業でも起こってしまう。例えば、野菜を店に早く持って来てくれ、という要望を聞いていると、そのうちにその野菜はその日一日で廃棄だ、という極端に走る。「鮮度の良い野菜をお客様に」という掛け声は、世界的に批判されている飽食日本の象徴である廃棄を増やすことにつながる。その廃棄を利用して不自由な人に届けて節税対策をする、なんていうからくりまで存在するのは、判断のもとを正す意識に欠けるからだろう。これをやるのはどこに根っこがあり、誰に影響を及ぼすか、そこを考えなければいけない。

 しかし、庶民の本当のところは、新鮮な野菜、農薬を使わない野菜を食べたいが高いから、1日2日経って値の下がった時点で買ってしまおう、という事が少なくない。いったい僕たちのどこに判断基準はあるのだろうか?ただ、僕は企業と喧嘩をするよりも、うちの野菜の必要な方のために届けることをするだけだ。経済は別として。

2021年6月25日


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