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「スポーツ?とは? その2」



 先週、「歴史上繰り返されてきた戦争というものの代わりとなるのがスポーツでは?」と書いた。そして昨日、ロシア軍のクロアチアへの空爆が起きてしまった。世界中の誰もが唖然とした、と言っていいかもしれない。危機が叫ばれても、まさか、この時代に、と思う人々が大半だったのではないか?

 朝、いつものようにスポーツニュース、とりわけ欧州サッカーの記事を読む。クロアチア代表選手やロシア代表選手が、こぞってプーチンの侵攻を非難していた。そうだよな、当事国だって寝耳に水だ。そして、夕方には、ロシア国内での反戦デモが60箇所以上で行われた、とニュースが伝えている。昨夜には、ロシア退役軍人の有力者すら、プーチンを非難する声明を出した、と聞いた。これらのことから、裸の王様のようなプーチンが、ロシア国内での危機を乗り越えるため、あるいは戦争景気を作り出したがっている、という推測もできるだろう。

 核戦争になる、という脅しすら唱えているのである。それに対して、中国は、歴史的な変遷などを考慮するとロシアの行動は理解できる、という発言をして、より混迷させる気配まである。北朝鮮からの発言はまだ聞かないが、対アメリカという図式の強い国々では、この機に乗じて、ということを隠しもしないだろう。

 クロアチア国内をロシアの戦車が進撃する様をテレビで見る時、あの戦車の通る道の周辺の作物や農民はやられるばかりだ、とそちらも心配になる。軍事施設だけを攻撃する、というわけのわからない発言は、常に民間人の被害がまったく想像できないことを意味する。イマジネーションの著しい欠如、これこそが戦争を平気で起こしてしまう元凶である。軍人には、命令に従う、という選択肢しかないのだろうけれど、兵士たちが「俺はプーチンに賛成できない」とボイコットしてくれよ、と祈りたくなる。それとも「ようやく俺たちの出番だ」とばかりに今までのサブメンバー扱いからの脱却を謀ろうとするものなのか?

 情報の発達した時代になって、ロシア国内や国外のスポーツ選手たちも反戦を伝えることができるのはいい。しかし、事態が膠着した場合、それらの発言をした人たちを弾圧する事態にはなってほしくない。毎日新聞デジタルでは、ロシア人男性の「「プーチンは正気を失った。21世紀にこのような戦争を起こすとは思わなかった。中世にいるかのようだ」との発言を掲載しているが、反戦デモを「治安当局が厳しく取り締まり、1800人以上が拘束された」とも伝えている。どうか、ロシア国内での治め方が民主的に行われることを願う。

 北京冬季オリンピックが終了するのを待っていたようなタイミングでのクロアチア侵攻は、どこの国の人にとっても他人事ではない。情報というものは、イマジネーションを高めるために使われるべきで、特に現場の人、現地の人の思いを汲み取ってほしい。上に立つ人というものは、そういう人でなければいけない。無能だとしても、戦争をしない人がいい。スポーツに打ち込んでいる人が、政治や戦争のせいで、練習や試合ができなくなってはいけない。文化人であってほしい。作物を荒らす人になってほしくない。

2022年2月25日


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