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「方向性を示す」



 プーチンの軍事行動を、世界の多くが非難する。それは、情報が瞬時に伝わる時代の恩恵の一つだ。それは、多くの人々が、平和を欲することの方向性を示していることになる。逆説的に言えば、プーチンのような考え方を実行に移すならば、情報を開示しない、情報を遮断する、行動を抑圧的に制限する、などの手段を取るしかないのである。自由という言葉は、少し広範囲過ぎて独自の主張になりがちだけれど、表現の自由、ということなら、世界の多くの人が歴史から学んで得たものである。表現の自由すら許されないのが、軍事行動の行末なのだ。

 話は変わって、うちで育てた野菜のこと。この頃、少なからぬ方から「うちの息子が葉もの野菜を食べてくれるようになった」というようなコメントをいただく。「息子は、チンゲンサイが嫌いで、オエーッ、といって食べてくれなかった。それがこちらのチンゲンサイは食べてくれるんですよ」「息子は今までほうれん草をあまり食べなかったのですが、先日送って頂いた中に入っていたほうれん草をお浸しにして出したところ、珍しく食べてみると言い、その後美味しいとおかわりをしていました。私的にはすごくビックリする出来事でした」というような言葉をいただくと、こちらはとても幸せな気持ちに包まれる。

 だが、しかし、よく考えてみると、僕たちがゼロから作ったのではないことに気づく。「いやー、僕たちは僕たちの育てた野菜しか食べないので、例えば菜の花などは買って食べたことがないんですよ」と若干話がずれてしまうことを承知で答えるのだ。

 僕たちは、種を播く。野菜の苗を育てる。あるいは、畑で芽の出た幼苗が育つのを見守る。苗の土は、植物性堆肥やピートモス、バーミキュライト、牡蠣ガラ粉末、などを購入して自分でブレンドするが、肥料成分を添加するわけではない。畑の土は、人間がゼロから作ることはできない。地球のそれぞれの地域の産物である。つまり、土は、地球そのものなのだ。

 種は、自家採種することもあるが、種苗会社が育てた種を買うことがほとんどだ。種だって、種と種の性質をかけ合わせて交配するのだろうけれど、人間がゼロから作ることはできない。種は水分を吸って、自分の意思で発芽してくる。つまり、人間が種を播いて水分を与えた瞬間から、生命として活動しだすわけである。

 僕たちが畑で使う堆肥は、鶏の平飼いの種鶏場から出た、鶏の排泄物と籾殻の混ざったものである。あとは、樹木を燃やした灰を使うことがあるくらいだ。僕たちは、苗が育つ環境を用意するだけで、大雑把に野菜たちの育つ方向性を示すだけなのである。その結果が、前述の野菜を食べてくれる子どもたちの反応、というわけなのだ。 野菜の種には、人間の赤ちゃんのように、あらゆる可能性を秘めて遺伝子が組み込まれているのであろう

 。同じ種から育っても、違う味になるのは、人間がひとりひとり違う環境で育って違う個性を持つこととは違うような気もするが、素直な心持ちを伸ばすには、やはり見守る勇気も必要なのかもしれない。虫がつく前から薬剤を散布すれば、種自身の能力は生かされないことにならないか?方向性を示すこともまた、命がけだ。

2022年3月11日


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