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「方向性を示す その2」



 コロナ禍、この時代の戦争、加えて地震が襲う。人為の結果ばかりではないから、人は神頼みになるのかもしれない。それが人間世界であり、人間の生きているのは地球であることを確認させられているのか。幸せを奪われてなお、自分らしさを探す、人はなんて逞しく可愛い生き物であることか。

 三女と四女の引っ越しが終わった。車の窓から久しぶりに体感した東京は、建物だけ見ればもはや田舎街とそれほどに違いがあるわけでもない。高層ビル群には近づかなかったし、東急沿線や国道一号線方面だったから、そう感じたのかもしれない。しかし、道路には人がやはり多かった。特に、自転車に乗った人の数が多いと感じた。コロナ禍以降に自転車が増えたようなことをあとから聞いたが、僕が東京で暮らした四〇年ほど前よりも自転車の数はかなり多く感じたのだった。

 一日で二人分の引っ越しをしたからか、人の数や自転車の数が多いと感じたからか、今の僕にはやはり東京で暮らすことにはハードルが高そうだと正直に思う。日帰りで戻った翌日、畑に出てホッとした、ということも正直な感想だ。都会の環境で世の中を見渡そうとすることなど、僕には到底無理だと思ったのだ。

 しかし、現実には、ロシア文学者で名古屋外国語大学の亀山郁夫学長のように、大きな世界観と歴史感を持ってプーチンのウクライナ侵攻を憂いている人もいる。「絶対的な君主制のもとで、自分たちはどこよりも精神的な自由を享受できるという理解が生まれる」というようなロシアの人々の性質を、毎日新聞でも語っている。

 ドイツにいる長女に、いつでも出国できるようにしておくこと、とは伝えてあったが、それとは別に、長女の中の精神的な変遷の結果というべきか、この夏で日本に帰国することを決意したようだ。昨夜は早速に、八月の帰国の便を予約したらしい。

 自分で考えてドイツに渡り、旧東ドイツのハンス・アイスラー音楽大学ベルリンの大学院に入り、コロナ禍の中、ホルンの鍛錬に明け暮れてきた結果である。簡単に言えば、ドイツ語を喋っている自分を幸せに感じられない、というのが最大の帰国理由だ。それもこれも、自分で自分のことをよく考えた上でのことだから、よくぞそのように生きてくれたものだと思う。

 僕が子どもたちに望むのは、子どもたち一人ひとりが自分で考えて、前向きに生きてくれることである。困難に向き合えば向き合うほどに、人は自分のことを考えるものである。自分のことを考えることから、人のことを考える何かヒントのようなものに導かれる、そういうものに繋がっていくのかもしれない。「神がなければ、すべては許される」というような論理のすり替えに向かうことのないような自戒が、自分のことを考えることにはあると思う。

 子どもたちが、自分の道を新しく進む、それを見守ることのできるのは親としての最大の喜びである。きっとうまくいくばかりではないだろうけれど、楽しみに満ち満ちていることは間違いない。一つでも困難を乗り換えられたらラッキーだ。

2022年3月18日


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