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「人間って何?と思い続けている」



 人というものはいったい何なんだろう?と考え始めた二〇代後半から、ずっと考え中のままである。例えば「動物って何?」という問いなら、そのまま考え続けることもなかっただろうし、「政治家って何?」という問いならすぐに破棄していたかもしれない。プーチンのウクライナ侵攻は、何?という問いかけにすら値しない。人間業ではないのだから。

 人は、あらゆるものの正体を知りたい、という欲求に駆られている。それは、食欲などの欲望とは違う種類のものであるように思う。知への欲求は、通常、良い種類の進化の過程を示すものだと、考えられているフシもある。そのような欲求を知識欲と呼ぶならば、人が進化してきたことを良しとする考え方そのもの、知識の相を重ねた知識欲こそが進化の証なのかな。

 相というもので考えたなら、たしかに人は進化しているのかもしれない。しかし、本当に進化しているのかな?人間は、と思うことが少なからずある。例えば、昨今のデジタル化全盛は、便利な部分もあるけれど、それも錯覚に過ぎないのかも、とふと思う。うちで言えば、帰農から10年あまりはパソコンを使っていなかった。だから、週刊てーてを書いてはいたが、それらは手書きで紙に書いていたし、せいぜい和文タイプライターで活字にしていたくらいだ。さらに、野菜セットも、手書きで何の野菜が誰さんに何グラムと記録していた。紙の記録は増えていくが、その記録を使って、総量はどれくらい売った、というようなデータベースのようにあとから記録を再利用、なんてことはなかったのだ。計算や記録として便利になったことがデジタル化の恩恵であり、時間が経過しても記録を正確に辿ることができるのが利点だ。

 では、それが人として進化したことになるのか?と考えると、答はまったく見出だせない。便利にスマートになることが、時間の節約になっているとも思えないし、だいたいにおいて時間を節約するのがよいことなのかも判別できない。この頃はよく思う。時間が月日が、どんどん勝手に飛ぶように過ぎていくのである。若い頃と同じように忙しい農家の日々を送っているのだが、少しだけ若い頃よりも丁寧に仕事をするようになった。その分だけ時間が過ぎていくのが早く感じるのかもしれない。納得のいくやり方でないと気がすまないことが多くなった、ということだろうね。納得のいくやり方をしているときは、結果的に集中していることになり、時間が過ぎゆくのも当たり前なのかもしれない。

 音楽は、ことに日本の音楽は退化していると思う。第一に演奏する人が少なくなった。音楽のデジタル化は、便利な部分ばかりが強調されるし、僕もその恩恵を大いに受けている。しかし、演奏する、演奏するために基礎練習を繰り返す、そのような超絶的にアナログ行為をする人が相当に減っている。人の演奏やサンプルを使ってコピーペーストして音楽を作る、歌を全く歌わないでボカロに歌わせる、そのようなものの中に埋もれていると、人間は退化していく。便利な部分だけが進化しても、鍛錬が退化したなら、全体としては退化したことになるだろう。音楽を聴く、ということ自体が人間ならではの所業であるが、このまま退化したなら、コンピュータに作らせた音楽ばかりになってしまうだろうか?

2022年5月6日


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