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「烈暑」



 信じ難い早さで梅雨が開けてしまったが、この酷暑を通り越したような「烈暑」というべき暑さは、生きていられるだけでラッキーだと思う。うちの番犬「ムーン」も、去年に引き続いて疲弊している。

 ムーンはもう一四歳半になる。すでに老犬だ。しかし、つい先日までは異常なほど元気であった。去年の夏は、初めて「この夏を超えられるか?」と老犬の死を覚悟したものだが、夏を乗り切ったら冬もずっと元気であった。ところが、この暑さになった途端に元気が無くなった。今日は木陰に犬小屋ごと移動したが、もう後ろ足の自由が効かない状態だ。去年も8月下旬に同じような状態に陥った。しかし、今年は早い。この暑さが尋常でないことを証明しているようなものだ。

 この先の予測できない夏に、長女がドイツから帰ってくる。8月下旬の飛行機を5月には予約してある。ウクライナ情勢が収まらない状況で、帰国できたならそれはそれでラッキーだろう。そこへドイツからライン電話が入った。8月下旬から一週間ほどオーケストラの仕事が入った、と言うのだ。日本での音大時代の師匠が、早速仕事を回してくれたようだ。

 心なしかライン電話での長女の声に張りがある。ドイツでの不安定な精神状態の日々から、まるで解き放たれたような声である。しかも、「そのまま東京に住みたいけど、いい?」ときた。一気に東京での部屋探しという新たな局面に突入した。長女の調べた音部屋専門の不動産屋の物件をもとに、僕が連絡を入れる。そうすると、専門業者は過去の楽器による事情や苦情の例を上げて、条件を指定する。「金管楽器でしたら、あちらの部屋ですと消音器を付けての音出しならOKです」というように。「こちらに今日までで退去されるお部屋が空きますが、こちらでしたら若干家賃があがりますけれど、無料のランドリールームとインターネットがついております」というような具合だ。

 ドイツの長女とは時差があるために、なかなかリアルタイムで仲介業者からの提案を伝えられないが、なんとか仕事の合間に部屋を仮押さえすることができた。物件を実際に見ないで部屋を決めることは初めてだが、そこは音部屋の専門性を信頼することにした。インターネットの時代であるから、写真や立地条件をグーグルマップのストリートビューで確認することができる。少し安心ではある。立地も、僕の若い頃に住んだことのある駅の近くだし、渡独前の長女のアルバイトをしたことのある駅の近くでもあるのだ。さらに、長女の日本での音大時代の系列の学校が目の前にあるような立地である。

 この烈暑も、早い梅雨明けも、長女の帰国と部屋探しも、今年のはじめにはどれも予想できなかったことである。このあと二ヶ月の夏は、まだまだ予期せぬ事があるに違いない。生きているならそれでラッキーかどうかもわからないが、生きているうちに自分の意思を行動に移すこと、そして、誰も恨まないで怨念をできるだけ残さないこと、すなわち小さな満足を積み重ねること、そのようにこの夏を乗り切れたならラッキーだ。

2022年7月1日


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