★ 「週刊てーて」+αをブログでどうぞ。 ☆ ひらく農園の野菜を入手できるお店
台風の被害の場合、高額な保険に入っていない限り、畑の野菜の保証はされない。そのような保険があったとしても、作物の種類が限定されたり、1種類の野菜が数反以上でなければ加入できない。うちのような少量多品目の野菜は、台風が来て被害が出たら実質的に諦めるしかない。では、火事の被害の場合はどうか?やはり保証はされない。
日本の法律では、民家に火事があって、その民家の隣に延焼したとしても、その隣に対して火事を出した家が保証しなくてよいことになっている。ということを初めて知った。故意でない限りは、自分の家は自分の火災保険でまかなえ、というなんとも不親切な法律だ。だから、今回の畑の隣の工場火災でも、当然のように被害保証はない。畑に火災保険をかける人、いるのだろうか?おまけに、工場の社長は、いまだに謝罪にも来ないし、伝え聞いたところによれば「うちも被害者だ」と言っているそうだ。さらにその中国人社長は、自分の次の場所での新規操業のことを考えているらしい。
つまらない人間のことを考えてもしょうがないので、僕たちは野菜の再生に取り掛かった。葉ものやオクラはバッサリと樹の半分を刈り込み、側枝を発生させて新しい芽を待つ、という形だ。ピーマンやシシトウなどの野菜は、火災現場からは100メートルあまり離れている。幸い、台風の影響で強い雨が降り、ススはきれいに洗い落とされている。大量の実がなっていたわけだが、それらの実をすべて落として回った。なかなかの量である。これから新しい実がなってきたら収穫するというわけだ。幸い、火災の煙は上空高く舞い上がり、火の粉が落ちてくるのを見たときには恐怖だったが、あとはススが舞い落ちてきただけである。
少し時間がかかるけれど、新しくサツマイモを掘り出しはじめ、冷蔵庫に貯蔵してあった玉ねぎやじゃがいもを中心に販売することにした。さらに葉ものや大根などの種を、150メートルほど離れた場所から播いていった。次へ進むことを考えて行動しなければ、後ろを見ていてもしょうがないのである。逆境を利用して、未来を明るくできたらいい。
しかし、また逆境は続く。栃木国体のサッカー、少年の部の県代表として来週から出発する予定だった長男が怪我をした。最後の県代表の練習試合で足を踏まれて、人生で初めての骨折である。練習試合の開始15分ほどでシュートブロックに行った時に、右足人差し指の付け根を踏まれたとのこと。踏んだ相手も故意ではないし、小学生時代の県トレセンの仲間でもあるから、なんの恨みもない。ある意味、スッキリしたものだ。僕たちも、平日に栃木県まで応援に行くかどうか迷うこともなくなった。畑や出荷に専念できる。
長男の大きな怪我は、5年前のすい臓損傷以来だ。あの時は、チームメイト同士で上から落ちてくるボールに行き、膝がお腹に入り、2週間の入院を経験した。現在のユースのチームメイトも、ほとんど皆が大きな怪我を経験している。長男にとっても、意気込んでいた国体への出場が断たれ、悔しいだろうけれど、それが大きな経験になるのだ。上半身ムキムキになる、というリハビリ期間の新たな目標は達成されるだろうか?
2022年9月23日