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「畑仕事はいい 2022 その2」



 日没が午後五時前になった。五時半近くまではかろうじて明るさがある。暗闇での収穫作業あるいは苗の植え付け作業、堆肥散布などが日課となっている。出荷に追われて、朝から収穫してもなお時間は足りないのだ。

 今週は、夕方には13度という気温まで下がることもあった。朝の最低気温が6度なんて、10月には初体験だろう。しかし、夏とは違い、蚊がほとんどいない。気温も下がり、湿度も下がれば、蚊の天国はもうおしまいだ。春と秋のこの季節、畑作業にはもってこいの季節になったのだ。農業未体験の若い人に、はじめての農作業をさせるならこの季節だろう。蚊の多い季節であれば、すぐに農作業を毛嫌いする可能性が高いからね。現代の虫や草に不慣れな人が農作業する機会はそうそうないだろうし、そこへ入ろうとする人は相当に個性的な人なのだろうな。

 元サッカー選手の中田さんが、北海道でコンバインに乗って稲刈りする写真をメディアで見かけた。日本酒に関心が高い人でもあるらしいので、お米には少なからず思い入れがあるのだと思う。地に足をつけて、蚊の多い場所でも毎日農作業をするのであれば応援したいところだが、現場の人になるには相当に農作業が好きでないと、とは思う。サッカー選手を目指すうちの長男なんぞは、農作業なんてしないし、草や蚊が大嫌いである。虫や生き物にも興味がないし、古い家など壊してしまえくらいに今は思っているようだ。今後、年月を重ねたなら、考えが変わるかどうか?

 とはいえ、僕だって東京に住んでいた頃は、まあほとんど青白いひ弱な野郎だったと思う。漠然といつかは土に触る仕事を、なんて思っていたような気もするが、人間なんてどこで何をどう考え出すのか、わからないものである。10年近く働いたアルバイト先に帰農することを伝え、実際に実家に戻って開墾に着手した時の気持ちは新鮮そのものだった。機械を使わないで、鍬などの手作業で荒れ地を開墾していったのだが、周囲の誰もが長続きするはずがないと思っていたと思う。それがもう丸33年である。

 帰農して5年後には、一緒に農作業をやってくれる連れ合いと結婚し、今でも二人で農作業と出荷の生活をしている。僕は今でも音楽をやっているし、連れ合いも洋裁をやっているが、基本的には休みなく野菜を出荷している。その作業の一番よい時期の一つがこの季節なのだ。二人で同じ作業をすることはたまにしかなく、分担のような形が多い。1年に1作しかできない野菜もたくさんあるけれど、それとて30年やれば30回の経験を積むことができる。その工程をイメージできたとしても、毎年が新しい発見であるし、野菜の成長に無条件と言っていいいくらいに嬉しさを感じる。いつも書いているが、自分たちの力だけで野菜が育つことは絶対にない。自然界の力、それは種の力であったり、おひさまの力、土の力、微生物の力、草や虫の大きな影響、そのようなものの循環のちからが大きいのである。だからこそ、常に新しい発見があり、教えてもらえるような感覚があるのだ。

2022年10月28日


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