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「2022年 今年の総括 その2」



 あまりに多くのことが今年はありすぎて、何がどうであったかを思い出すにはきっかけが必要なくらいである。先週書いたように、子どもたちのことだけでもいろいろ有り過ぎた。子どもたちのこと以外で何があったか?あの隣接工場の火事が一番大きなことだったか?

 ピンチをチャンスに替える、こういう言葉を吐いたとしても、実際にはピンチの時には無我夢中である。火事までの出荷の忙しさから、カラダを休めろということだ、と少しだけ休んだけれど、再生のために費やした労力は結果的に火事の前の時と変わらない。野菜が激減した訳だし、保証などはなにもないのだから、また新たに畑を耕して野菜の種を播くしかなかった。簡単に考えれば、台風が早めに直撃したようなものだ。

 台風直撃の場合に「あーあ、やられちゃったなぁ」で済む。たいていは畑の被害だけで、家に住めなくなることはないし、避難することも通常はない。今年の火事被害の場合には、突然のことに加えて、家が焼失する可能性もあるし危険だから避難しなければいけなかった。さらに百%人災だ、ということで恨みのような心持ちにもなる。いつまでもいつまでも暗い気持ちになるのは嫌だし、幸せになれないから、無理して切り替えて前を向くしかなかった。

 結果的に、夏野菜から秋野菜への切り替えを強制的にできるようになったので、例年よりも早く秋の葉物類を収穫することができた。おお、ピンチをチャンスに替える、とはこういうことかと思った。が、その時は良くても早く葉物類を出荷することができた分だけ野菜の在庫がなくなるのも早かった、というオチを今味わっている始末である。

 一年中出荷を継続するわけだから、良い時もあるし良くない時もある。本当は、野菜がないくらいの時こそ、農的な暮らしを味わえる良い時なのだけれど…。子供の教育費などの借金を返し終われば、そこまで売上を上げるべくあくせく働くこともないと思う。逆説的に考えたなら、労働してこそ、現場にいてこそ、自分自身を批判もできるし、人の批評もできるのだ。

 連れ合いもそうだが、僕たちは伸び放題の樹を切っている時や、草取りをしている時、鍬を使って作業している時、そのような状態でいろいろなものを見るのが好きであるし、いろいろなことを考えたり教えられたりするのが好きなのである。人間世界を美しく、という思想ではなく、人が自然界の中で生きていく様が好きなのだ。そういうことを再確認したような一年だった。

 去年の暮から、笹林をせっせと伐採し、僕の祖父母が構築した金網ハウスの残骸を撤去し、膨大な労力で畑に戻した部分がある。そこで今、大根を収穫している。その大根を毎晩、鍋などで食べているが、こんなに美味い大根があるんだな、と毎日思う。自画自賛ではない。いつも書いている通り、僕たちの労力の賜であっても、大根の種の力、畑の土の力、笹竹の腐食の力、鶏糞堆肥の力、虫や風、草、雨、何よりもお陽さまの力のおかげが大部分を占めるのだ。そういうものの中に台風も含まれるから、台風が直撃したとしても「やられちゃったな」で済むし、納得するのである。納得しない時は常に人災だね。

2022年12月16日


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