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「2023年に向けて その4」



 先週は微生物のことを書いた。土壌中の微生物のことである。ひらく農園という僕たちの農園の名前の由来は、微生物と楽しく、という意味である。微楽(びらく)と単純に発想し、濁点を取って「ひらく」とし、開かれた、という意味を付け足したのである。二十八年前の僕たちの結婚した当初に名付けたのである。

 帰農した三十三年前、僕のイメージは「山の中の森」にあった。山に育つ樹木の数々が、葉を落として腐葉土の層を長年かけて形成する。雨を受けて、じんわりと腐葉土の堆積した層を雨水は浸透し、地下水や川へと流れていく。その腐葉土は、決して土の中にはそのままの状態では入っていかない。山の土の上に積もっていくだけである。動物がいれば、彼らの糞尿も腐葉土とともに堆肥化していく。そのようなイメージである。

 それを畑に少しでも取り入れたかった。不耕起の先駆けとして福岡正信さんの本も、東京時代に読んでいた。福岡さんの不耕起は、アカシアなどのすぐに成長する樹を肥料木として土の中に埋め込んで、あとは耕さないでみかんなどを栽培するというものであるというのが大雑把なところだろうか?

 帰農した頃には、川口由一さんの自然農の提唱もあった。奈良の川口さんの畑を見に行ったものだ。前後して、救世教の須藤さんの本も読んでいた。EM菌などもその後に出てきて、微生物資材などもいろいろと自作したりして試した。それぞれの農のやり方は、どれも一理あるものであろう。農薬や化学肥料を使わない、という点だけが共通していた。

 僕には、しかし、1000年単位で受け継がれてきたであろう、耕して農作業をすることも否定することはできなかった。トラクターなどの機械を積極的に利用するやり方は、耕すことを前提にしていた。今は、機械もトラクターくらいしか使わないし、場合によっては不耕起栽培もやってみることも少なくない。「お?この場合には不耕起が適しているんじゃないか?」と感じた時、それが楽しくなるのである。

 先程触れたEM菌は嫌気性に近い菌である。先週書いたクロストリジウム・ノヴィーという菌も嫌気性である。30年ほど前に自分で仕込んだ自分のところの竹やぶから採取した菌は、微好気性菌であると思う。今となれば、菌を仕込むなんてことをしなくても、土の中にすでに棲んでいる菌を信頼するだけでいい。

 帰農した頃に、開墾から始めた僕は、10年単位で畑が良くなっていけばいい、とよく口にしていた。実際に、どんなにひどい畑でも、有機農業を続け、草を観察しながら農作物を育てていけば、必ず畑は良くなることを身をもって実践し感じてきた。微生物も、虫も、野鳥も、たまには野生動物も、そして草も、皆必要とされているのだ。そこには、僕たち人間の理解を超えた循環が生まれているのである。ただ、どうしても人の世界が優先されてしまう側面もあらゆる場面で出てくる。人間もまた自然界の一部なのだから、それは致し方ないことかもしれない。その環境の中で楽しく共生できたらいいなと思う。

2023年1月20日


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