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「時代は変わるし人も変わるが変わらないものもある その3」



 大根の季節が終わりに近づいている。この冬も我が家では、ほぼ毎日大根を食してきた。鍋でも煮物でも、うちの大根を食べることに関しては子供たちも昔から誰も文句を言わないのである。毎日食べたって誰も異議を唱えない。それほどに冬の寒さには、大根で温まることをよしとしているわけだ。

 大根の千切りサラダも皆が好きである。一番若い長男などは、毎日大根サラダをたくさん食べていた。その長男が、先日、とうとうユース寮に入った。コロナ禍で9月までは入寮できないでいたし、入寮が許可されたタイミングで彼は骨折したので、さらに延期となっていたのである。年も開けて長男の足も完治し、彼の準備も整ったので晴れて入寮したのだった。うちの大根が食べられない日々をこれから嫌というほどに経験した時、4人の姉たちのように「うちの野菜を食べたい」という願望が湧くかどうか、未来が楽しみではある。

 うちの畑のメインの大根は、源助系の大根である。この冬は、初めてカザフ辛味大根という品種を少しだが作付けてみた。種屋さんが売れ残った種をくれたのだった。丸くて青く小さな大根で、種の袋にはおろし大根やサラダで利用することが書かれていた。連れ合いが、薄く輪切りにして油でじっくり炒めて、塩と胡椒で味を整えて出してくれた。それがまた、えも言われぬ美味しさである。

 その食べ方を野菜のお客さんにも勧めてみた。すると、いくつかのご家庭では子供たちの奪い合いが起きるほどだった、という感想も頂いた。ある方は、ジャーマンポテトのようだ、とメッセージをくれた。それは言い得て妙だな、と腑に落ちた次第である。カザフ大根をゆっくりじっくり油とともに火を入れるのがコツで、時間が短いと硬めだし大根だなと言う感触も残る場合がある。

 カザフスタンで食べられてきたのかどうか、しかしきっとこのような食べ方をヨーロッパの方面ではしているに違いない、と思う。僕はこの冬、自家製パンとカザフ大根を毎朝食べることをルーティンとしてしまった。先に味噌汁だけ食べておくのだが、ヨーロッパサッカーをパンとカザフ大根との組み合わせで堪能できる幸せな時間となった。

 大根の中で、ファーマーズマーケットでは葉大根も非常によく売れてくれる。大根の葉を食べることはもはや当たり前の習慣だが、僕が子供の頃は食べた記憶がない。一物全体ということを唱える人もいるけれど、確かにまるごと食べられる野菜というものは、気持ちの良い食材だとも言えるかもしれない。

 時代と共に食というものも変化していくのだろうけれど、日本でもアジアでもヨーロッパでもその土地の食べ方というものは受け継がれてきている。そして、継承されているような食べ方をする時に、なんとも幸せな充足感のようなものを感じるのは、伝統の一員になれることの喜びがあるからかもしれない。そのような連想の中で農作業をすることも、30年前と変わらない僕たちのやり方だ。新しいことも付け加えながら、だね。

2023年2月10日


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