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「時代は変わるし人も変わるが変わらないものもある その4」



 気がつけば、もう2月も半ば過ぎ。怒涛の忙しさに襲われ続けている。忙しさの種を自分で蒔いている、ということもできるかもしれないが…。昔は、1月はゆっくり過ごすことが多かった。当時、有機農業仲間のMさんなどは、正月は10日くらいまで休んで、それからゆっくりと仕事を始めるようなことを言っていた。僕たちはそんなに休むことはなかったが、1月はほぼほぼ収穫だけをするような毎日だった、と記憶している。むしろ、夏の忙しさで必ずダウンするから、1月は英気を養う、と考えていたのだ。

 どうしてこんなに時間がなくなってしまったのだろうか?と思う時もある。簡単に言えば、5人の子供たちが20歳過ぎまではなんやかんやとお金がかかる、ということかもしれない。小学生くらいまでは、確かにたいしてお金がかからなかった。現時点で5人目の長男がまだ16歳であるから、まだもう少しお金が掛かってくるのだろう。それはそれで納得できるというか、この国の教育費の掛かりようはとんでもないから仕方がないのだろう。

 寒さで野菜が少なくなるのはどこも同じだ。なかなか説明してもわかってくれる人は少ないかもしれないが、旬の露地野菜を1年中届けるということがどれほど大変なことか!普通の慣行の農家さんは、例えば1反300坪に大根を作付けるとしよう。収穫期に、その大根を一気に収穫していく。つまり、まだ若々しい大根ばかりを収穫するわけだ。だから、スーパーマーケットには大根が山のように積まれていたりする。

 一方、僕たちのような農家は、大根を一度に例えば1畝30坪に種を播く。なぜかと言うと例えば1反に対して10種類の野菜の種を播くからである。そして、収穫期間は3ヶ月近くになるわけだ。すべての野菜に於いて、そのような長い収穫期間となるわけである。もちろん、ひと冬に大根ならば3回は時期をずらして種を播く。一番その野菜にとって良い気候の時に種を播くだけでなく、難しい時期にも種を播いていくのだ。そして、それには気象条件が著しく関係してくる。今年の冬のように、厳しい寒さは致命的になる場合が多い。

 ただ、週刊てーてに数回に分けて書いたように、植物には植物側と土の中の微生物相側の事情がある。若々しい野菜だけが滋養ではない、と言うこともできるかもしれない。人間社会だって若者だけだったら、それはそれで活気はあるだろうけれど、年老いていくことを想像できなくなるかもしれない。そして、植物の究極の目的である子孫を残す性質は、その土壌中の変化も加えられて、時間をかけたものほどエネルギーが凝縮されていくであろうこともイメージはできるのだ。

 先週紹介したカザフ大根のように、丸くて小さくて固くて見栄えの良くない野菜が、実に味わい深いホクホクとした滋養を醸し出す時、人の長い間の知恵を感じることができる。そのような食材を大事にして欧州の人たちは厳しい冬を越してきたのだな、と。そして僕たちは、それを大事にしたいとは思うけれど固執はしない。来るべき3月4月の野菜の端境期に向けて、次から次へと種をまき植え付けているのだ。忙しいわけだ。

2023年2月17日


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