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「蕾の先にあるもの」



 確定申告は済ますことができた。数字を一通り揃えて、さあ記載して提出だ、という段階でこれは何だっけ?と細かなことに拘ってしまってまた時間がかかる、というのが毎年のこと。歳を重ねたら、余計にキッチリしたくなってさらに時間がかかってしまうのだ。 確定申告に時間をかけている間にも、同時進行で春夏秋野菜の準備は進む。空気が乾燥している状態が続いている、ということは、雨が降り出したらずっと雨の可能性があるということである。そうなると畑作業が滞る。そこを予想して、先手先手で作業を進めていく。

 暖かいので、ズッキーニやカボチャ、モロヘイヤなどの苗は、来週にも植え付けなければいけない状況だ。そのための準備にも時間を費やす。また、この時期の端境期のために、冬真っ只中から準備してきた葉物が収穫できるようになって、出荷もかなり立て込んでいる。嬉しいことだが、夫婦二人の身体だけが頼りなので無理もしながら、無理もできない。長男が寮に入ってくれただけでもありがたいことなのかもしれない。

 このような時期に、菜の花やスティックセニョールをふんだんに食すことができるのは、僕たちの身体にとっては強力な助けとなる。売り物にならない開いた蕾類は毎日たくさん出るから、菜の花丼などは毎日食すようになる。何回食べても飽きない。売り物にならない野菜しか食べない僕たちだけれど、元気の源はそこにある。

 ブロッコリーであるスティックセニョールは、食べるにも食べやすい。食べながらその蕾をじっと見る。寒さに耐え半年近くかけて育ったものが、蕾として今、収穫時期に当たるわけである。出荷用に2月下旬から収穫していたが、自家用に回るようになったのは、ごく最近のこと。次女も喜んで夕食や弁当の一品としている。その蕾を見てみると、半年かけてカラダを大きくして最後に結実しそうな蕾をつけた段階、それが人にとって食べ頃となるわけだ。

 ブロッコリーにとっては、人に食べられたなら生を全うしたことにならない、と言うこともできるかもしれない。いや、待てよ。ブロッコリーという植物は、あるいは野菜という植物はもっと賢いのかもしれない。人に食べられる、ということは、少なくとも食べた人のカラダの中に食感や味、あるいは透粋感のようなものが残っていくということになる。それが遺伝するには、僕たちのような年寄は寄与できないことになる。これからまだ子供を生む意思のある男女には、その食感を遺伝子に組み込むこともできるわけだ。

 さらに考えてみれば、ブロッコリーが人の好みにマッチすることで、そのブロッコリー自身は生を全うしないかもしれない。しかし種(しゅ)全体として考えたなら、人の志向に合うものは人がまた栽培していくに違いない、だから種としての生をまっとうできる、とそこまでブロッコリーは考えているのかもしれない。もっと飛躍しておかしな想像をすれば、植物全体として、スギ花粉を発生させて、蕾の力に人が気づくのを待っているのかもしれない。まあ、これは飛躍し過ぎかもしれないが…。生存し続けることこそ最良、と植物が意思を持つならば、人も強力な意思を示して実践し生きていくのは自然なことだ。

2023年3月17日


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