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「春は青いかそれとも桜色か?」



 奇妙な春である。日常のふっとした瞬間に、今の季節は何だっけ?と思うことが一度だけではない春だ。今日は、最高気温が25度を超え、最低気温も17度を下回らなかった。つい2,3日前までは、風が吹くと冷たい風に気付いたくらいだった。風が吹かなければかなり暖かな春だ。それが、今日はもう冷たい風すら吹かない。

 配達に出かけると、近くの用水路の脇の桜の一部が開花していた。東京の桜の映像をニュースで見かけるけれど、昨日までにはほぼ満開のように映っていた。三女も、目黒川で桜を見ている映像を送ってきた。こちらはようやく咲き始めたところ。ここまでズレが顕著な春も珍しいだろうけれど、僕たちはなかなか桜を愛でる時間を取れないでいる。

 雨続きの予報も、どうやら簡単なお天気にはならないような気配である。ころころと秋の空のようにこの春の予報は変化している。僕たちは例によって、その予報と実際のお天気のズレを利用しながら農作業をしている。昨日は土砂降り、今日は晴れ、明日はまた土砂降りかな?となれば、出荷の忙しい金曜日である今日であっても、ほんの少しの時間を縫って作業する。

 昨日の雨を狙って、苗床のさつまいもの苗の一塊を畑にごそっと植え付けた。その畑に植え付けたさつまいものツルを切って、さらに今日は隣の畝に植え付けた。それらからまた伸びたツルを、4月中旬以降に本番となる畑への植え付けをするわけである。かぼちゃの苗も成長したので、キャベツあとの畝に不耕起で植え付けた。さつまいもの苗も、かぼちゃの苗も明日の雨を利用するわけである。春の雨は、水分だけでなく気温も確保できるのだ。

 こういった作業は、お天気や雨量の変化に合わせて、その場の即興演奏のように「うーん」と唸って即決する。空芯菜とモロヘイヤとズッキーニも植え付け時だが、そこまでの時間は取れなかったので、明日の雨のあとに植え付ける予定だ。それらは、予め畝を立て、堆肥を置いて、生分解マルチフィルムを張った状態まで準備をしておいたこと。全てにおいて準備が間に合うわけではない。できる限りの準備はするが、無理をしても仕方がないので、できる範囲以外は即興で打つ手を考える。こういったことが若い頃から好きなのである。

 農という世界は、自分たちで畑をデザインできるし、失敗も成功も全て自分たちで引き受けることができる。それは、老いも若きも変わらない。昔は、20歳前後の若い頃のことを青春のような言葉で表したが、僕たちのような60歳前後であっても青春真っ只中の人たちであっても、農の世界は自由であり、ある意味で桜どころではない春である。青い空を春に見ることができれば、それはもう農にとっては至福の春なのだ。そしてまた、どうしようもなく忙しい農繁期でもある。

 僕が野菜の植え付けをしているならば、連れ合いはひたすら収穫に明け暮れている。かがんだ状態で菜の花を収穫し続けたなら、腰が痛くもなる。だからこそ、夜には缶ビールを連れ合いは楽しみにしている。この頃は「もう1本飲む」と宣言して2本飲むことが多いが、それだけ頑張って収穫してくれるからだ。奇妙でも春は春だね。

2023年3月24日


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