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「僕は僕のことをするよ その2」



 ちょっとわかりにくいこと、を書こうとしている。その前に、伏線を引いておこうと思う。先週、長女のことに少し触れたが、長女が「彼氏ができた」とこの頃喜んでいる。「おお、そうか、それはよかったな。十年先をイメージしてゆっくり楽しんでくれ」と返した。その時、僕の経験を少し伝えた。

 僕は、二十五歳の時に、クラシックギターを習い始めた。そのことも何度か書いたので、理由などは省く。それまでバンドでエレキギターを弾いていた。ギター練習だけはたくさんしていたが、お世辞にも基礎を大事にしているとは言えない状態だった。クラシックギターを習い始めた時に、最低十年はものになるのに時間がかかる、いや20年かな?と思ったことを覚えている。ほとんどエレキギターも弾けなくなったくらいに、ゼロからの出発だった。

 その後、29歳で帰農して、今度は未開の地をゼロから開墾しはじめた。そうして有機農業を始めたのだが、土というものが変わっていくのは実に長いスパンが必要なことを目の当たりにした。10年単位で物事を考える習性を否応なしに取り込んだのだった。そして、34年目を迎えている。10年単位という考え方は変わらないけれど、実際にやるべきことは目の前のことが精一杯で、せいぜい野菜の作付け計画で1年先を見渡すくらいである。それでも、畑というものは、土というものは、どんどんととてつもなくゆっくりに良くなるばかりである。

 今、ちょうど、NHKの朝ドラで、植物学者の牧野富太郎をモデルにした物語をやっているけれど、草がその場所に生えてくるのには意味がある、という言葉が何度も出てくる。僕は、牧野富太郎のことは全く知らなかったが、同じことを30年間何度もずっと言ってきた。畑の草のことである。畑が良くなるにつれて、草は種類を変えてくる。正確に言えば、その土地にあったものが芽を出してくる、と言っていい。だから、その畑に生える草には意味があるのである。そしてその生えてきた草を耕してすき込んでいくに連れて、その草の成分と草の根が集めた成分によって、畑は変わっていくのだ(もちろんその他の要因もあるのだが)。

 話は前後するが、15歳でギターを始めた僕が、バンド活動を経て、25歳でクラシックギターを習い始め、60歳を過ぎてようやく少し自由に弾けるようになってきた。バンドでライブをしていたのは遠い時代になってしまったが、あの時、どうしてここで同じフレーズを弾き続けなければいけないのか、という苦痛を感じた。40歳を過ぎてからパソコンを使ってのレコーディングという便利な時代になったが、やはり同じ苦痛を感じた。自分の曲であるのに、これが自分のやりたいことなのか?と。そして、ようやく今、できるだけ自分に正直に音楽と向かい始めている。やることは変わらない。ギターを弾き始めるときには、必ず基礎練習をする。これが自由になる第1歩だ。

 畑も似たような部分がある。生産性を高めようと機械化を推進したが、機械化のためにすべきこと、周辺事情という制約が多すぎて疲れ果てたのである。おっと、最初に書いた「わかりにくいこと」の伏線だけで終わってしまった。来週に続く。

2023年5月12日


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