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「63歳 その3 ぼやき」

 この頃は肉を食べないことが多い。30代の頃は、自分で殺生できるであろう魚や野菜中心だったし、その頃は玄米を主食にしていた。自分の食べる米を自給できていた頃である。お茶すら自給していた(加工は頼んでいたけれど)。育ち盛りの子供たちが存在するようになってからは、お茶もお米も栽培自体をやめてしまったし、子供たちには肉も買って食べさせるようになった。親のやり方と子供を育てることのやり方において変化を受け入れたわけで、いつしか玄米も買った白米になったのである。

 年を重ねた。育ち盛りの子供たちがいなくなり、同居する次女も特段に肉を食べたがらないので、肉を買うことがなくなった。タンパク源として、魚を常食している。豊富に旬の余剰野菜があるのだから、魚を買うことになる。今はウルメイワシを1日4〜5匹焼いている。1合から2合の日本酒のつまみにはちょうどよい。今年は、この時期に枝豆が豊富にあるので、たまにウルメを焼かない日も出てくる程度だ。朝は、味噌汁のあとに自家製パンを食すから、米を食べるのは昼食だけになる。昼食が蕎麦のときもある。お米をそんなに食べていないわけだが、日本酒でお米を飲んでいるようなものか?

 このような野菜中心の食生活でも、相当に動いて働いているけれど大丈夫である。お腹が空いて空いて、というくらいまで働くことができる、その飢餓感常態を常に感じていることが幸せなことなのかもしれない。そしてまた、常に新しい曲に取り組んで七転八倒しているので、創造力を探し回る時間も継続してある。そこは僕にとって大事なところだ。先週も書いた次女の絵の創作意欲、あるいは連れ合いの服を作るという時間、それらが存在することが精神衛生上の穏やかな流れを作るのだ。

 日本人は、専門家を認める時に職業としているかどうかで判断することが多い。それも一理あるのだが、そこを前提としてしまうからこそ、売れるものこそ最良、という滑稽な社会が生まれてしまう。そんな社会を危惧する概念が薄れてしまうのである。できれば、誰もが何かしら創造力を発揮して日常を送っていたのなら、もう少し豊かな日々がゆっくりと流れるようになるかな?直近では、SDGsという妙な言葉が流行りだしたと思ったら一気に法案へ突き進む、という拙速性に議論の成熟も何もなくて呆れる。なんで英語なの?持続可能な開発目標という大風呂敷の中の個別な一つ一つすら、相当な年月をかけて議論しなければ、ということを頭の切れる人ならわかってくれているはずなのに。すべての法案にSDGsという持続可能な見方を取り入れる、ということならまだわかるけれど…。議論は数十年続けてほしいと思う。

 僕はたったの30数年しか農の世界に生きていないけれど、たとえば枝豆の美味しさはなんとなくわかるようになった。農薬や化学肥料を使った冷凍枝豆は信じられないほどたくさん流通しているけれど、僕たちの育てたような枝豆こそが持続可能な枝豆であると思う。陸の豊かさを守る、とは旬の中に生きるということ。それは政府や法律の仕切るようなことではない。芸術を理解しようとすることと同じ、文化の問題なのだ。

2023年6月16日


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