オンラインショップオンラインショップ。無農薬野菜の産地直送です。玉葱をはじめとして、旬の野菜や自然卵などをセットにしてお届けしています。


「週刊てーて」ひらく農園から、バックナンバー 週刊てーてのバックナンバーと、サイト内検索が行えます。


ヒメパセリさんの詩集 ヒメパセリさんの詩集


サイトスさんの野菜を使った「レシピ集」サイトスさんの野菜を使った「レシピ集」です。野菜中心のメニューを、簡単な方法で料理できるやり方を提案します。


「週刊てーて」ひらく農園から、語りと映像 語りと映像。視覚障害のある方でも畑の状況を聞くことができます。また、畑の様子をビデオで見ることもできます。


草子の演奏は草子ドットネットへお入りください。草子ドットネット。mp3やビデオで、無料の音楽を配信しているグループ「草子」のサイトです。


このサイトについてひらく農園の紹介です。


リンク集リンク集です。

最新版の「週刊てーて」はこちらからどうぞ。

★ 「週刊てーて」+αをブログでどうぞ。 ☆ ひらく農園の野菜を入手できるお店

週刊てーて ひらく農園から


「63歳 その4」

 うちの枝豆は、ことのほか好評だった。次女に食べさせてやろう、という当初の単純な思いは全うできた。結果的には、お客さんの野菜セットに入るものを優先して、そのはねられた枝豆が食卓に登ることになった。うちの野菜の食材は、すべてB品であるから、通常通りということだ。それでも、単純な思いが出発点にあるだけで、気持ち的には楽になるものだ。

 同じく次女専用として、とうもろこしも少しだけ植えた。次女は数本だけ食べたが、残りはどうやらたぬきが食べたようである。枝豆の近くにとうもろこしが植えてあったが、たぬきはとうもろこしだけを持ち去り、草のないような場所で食べた形跡が残っていた。枝豆を守るために、とうもろこしをオトリとして植え付けた形になったのかな?

 枝豆を、子供の頃に食べた記憶が残っていない。僕が上京して、居酒屋で食すことを覚えたくらいであろうか?僕のおふくろの在所が山の中にある。子供の頃だったのか?大人になってからなのかよく覚えていないのだが、その山の中の家の裏の畑で穫れた枝豆を食べた記憶がある。実がいっていて、少し硬めの大豆風味たっぷりの枝豆だったと思う。その枝豆のような感じが、今うちで収穫している枝豆にもある。

 2週間まえから枝豆を収穫しているが、当初は「みるくて」小粒な感じだった。「みるい」というのは「実がいる」の反対の言葉で、成熟していないという意味だ。それが今、とても実がいって大豆風味が大いに出て、僕は気に入っている。次女は反対に、みるい枝豆のほうが好きで、実がいった枝豆はパサパサする感じがすきでない、と言う。僕たちの伝えたいのは、その両方で、成長するに従って変化する食材から、植物性を大いに感じてほしい、ということである。枝豆と言ったって、ようは大豆なのである。枝豆の種は、大豆そのものであることは当たり前のことだ。

 この枝豆は、ファーマーズマーケットにも出荷しない。野菜セットを定期的に買ってくれているお客さんだけが、食べることができるのだ。そのような野菜は、枝豆の他に、今であれば南瓜などが季節に応じて出てくる。野菜セットを買ってくれている方は、僕たちの農修行のような日々に付き合ってくれる貴重な方である。10年、20年、30年と続けて買ってくれている人も多いのだから、ほとんど神様である。僕たちは修行であるから、当然ながら休みなく働く。その結果、僕たちは野菜セットを届けて対価を得る。野菜セットは商品とは言えないかもしれない。例えば枝豆の成長過程のような、地域性と季節性、有機性の密な結びつきによる食材の成長過程のセットである。その時期にあるものと保存したものだけがセットになる。

 修行と言ってしまったが、実際には自分たちが自分たちに課した道程を歩いているだけのこと。その日に働くことができる分しか働けない。できることしかできないのだが、それを繰り返して、決して諦めない。今年がダメなら来年またやってみる。季節は、その瞬間にしか味わえないのだ。2匹目のドジョウは必ず失敗するが、毎回1匹目のつもりだったらなんとかなるものだ。カラダが動けなくなるまで、働き続けるよ

2023年6月23日


バックナンバーへ



★ ひらく農園の野菜の入手方法

☆ このページの最初に戻る