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「一日にほんの少しの上積みを」

 はや七夕。七夕という言葉には、何ともなしに浮世から離れたような少し華やいだような印象を醸し出す風情がある。願い事を紙に書いて、という遠い過去からの贈り物のようなものだろうか?そうであるのに、僕たちは浮世そのものと、時間の追い掛けっこをしている。 野菜のひと種類ごととの関わりの中では、浮世を感じることは少ない。収穫している間は、たとえば胡瓜を収穫中には、胡瓜と会話し、胡瓜のことを考えているので、どちらかといえば浮世離れしているのかもしれない。胡瓜を収穫するにしてもナスを収穫するにしても、そこに害虫たる虫の存在がある。その野菜そのものの樹が、良い方向に成長してくれるように、虫の卵をつぶしたり、成虫そのものを潰したりするわけだ。そこには、自分と野菜、虫、草、鳥や獣などしか存在しない。

 しかし、それが、色々な種類の野菜を収穫して、仕分ける段階となると、僕たちは浮世の人となる。収穫した野菜をうまいこと仕分けて、人様に買っていただくことを考えるのだ。実際には、その野菜の量が多くなければ収入は入ってこないが、多ければ多いほど僕たちのカラダは疲弊していくのである。それが浮世だ。

 夜、仕事が終わって、僕たち夫婦と次女の三人が食卓につく。腰を下ろして一杯やって、浮世から離れるが、七夕のそれとは違う。次女の愚痴を聞いたりして、浮世の話をするのだからね。この頃は、次女が油絵を描く時間を帰宅後に確保することが多い。昨日、次女は僕に言った。少しずつでも絵の進捗があると心に良い、というようなことを。「おお、そうだよ」と理解してくれる人が増えたことに僕は大いに相槌を打った。

 僕の今取り組んでいる曲の話をする。週刊てーてにも書いたが、4月の終わり頃に、「収容所で殺されそうになる前の夢を見た」ことを書き留めた。それを曲にしようと格闘している。大雑把に詩を書いて、コード進行やメロディーがどんどんと湧き出たところから、ほとんど毎日挑戦するのだが、全く曲にならない。2ヶ月も曲だけで時間を費やすのは久しぶりかもしれない。アレンジに時間を費やすのはしょっちゅうだったけれど…。それでも、駄目なら駄目なりに、試したことを録音して、車の中で聴いて、という繰り返しは、進歩がなくても進歩と捉えることができる。形にならない進歩。言ってみれば消去法のような、だめな部分を確かめて塗りつぶしていくような。この2ヶ月はそんな日々だった。

 ここに来てようやく形になり始めた。まだ詩も完成していないのだけどね。この2ヶ月は、野菜の仕事がかなり忙しかった。今はさらに忙しい。しかし、そのほんの少しの上積みするための時間を執念で捻り出す、というサイクルはその忙しさにエネルギーとリズムをもたらすことは確かなのだ。それがまた、精神衛生上も、肉体的健康上にも規律をもたらすことにつながる。その期間に、春菊、小松菜、人参、玉葱、にら、枝豆、南瓜、胡瓜、空芯菜、モロヘイヤと、季節の食材を堪能することの変遷が彩りとなっている。収穫することとは別の種類の食の透粋感とも言うべき彩りは、生きる上で強力な下支えとなる。

2023年7月7日


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