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「鎮魂と習性」
台風６号に続いて７号である。日本の習わしともいうべきお盆を狙うかのように、南から近畿東海地方をめがけてゆっくりと進んでくるわけであるから、多くの人々が大きな影響を受ける。僕たちの野菜も、すでに台風が来る前から、強風の影響を受けている。気温も高い。こんな海辺で３４度を超えた。お手上げかという時に、訃報が入る。僕の母方の叔父さんであるＭおじさんが亡くなった、と。
母は５人兄弟の２番目で、おじさんたち４人にはとてもお世話になった。おじいちゃんも含めて、僕にお酒の飲み方を教えてくれた、と言っていい。僕の東京時代に、江古田のＭおじさんの家に何度も泊めてもらってお酒をたくさん飲ませてもらった。その前の高校時代にも、同級生と大学見学と称して泊めてもらったこともあった。その時にはＭおじさんに叱られた記憶がある。僕たちは新宿歌舞伎町のディスコに繰り出し、酔っ払ってＭおじさんの家にたどり着き、２階の窓から吐いたくらいである。叱られて当たり前だ。
Ｍおじさんとお酒を飲んだ時には、よく褒められもし、よく忠告もされた、と思う。しかし、ここ２０年程は、ほとんどお会いしていない。年賀状にだけ、今年はお会いしたですね、と毎年書いていたと思う。いや、でも今年こそは東京を訪問する機会を設けるぞ、と思っていた。その矢先、昨日の夕方に、僕の兄貴から「Ｍおじさんが危ない状態らしい」と聞いた。
僕は僕で、表題の「鎮魂と習性」という曲を完成させたばかりだった。４月の終わり頃に見た夢を元に、人がスポーツでもどんな種類の仕事でも、鎮魂のために生かされているのか？ということを、息子のサッカーの試合を題材に書いた曲である。同時に、自分が生きる上で楽になるための曲としても書いた、というのが本音だ。８月７日の最終録音での即興演奏と歌を、８日にマスタリングして完成させ、９日の夜ビデオ編集して、１０日の朝にビデオレンダリングが終了したのだった。さて、You Tubeにアップするために説明文を今夜にでも書こうかな？と思っていた１０日の夕方、兄貴からＭおじさんが危ないらしいという話を聞いたのだった。
即座にYou Tubeにアップした。病院に１３日に見舞いに行けば、この曲をおじさんに聴いてもらえるかな？と思ったのだ。しかし、今日１１日の午前中に訃報が入ってしまった。今からでは遅いけど、この曲をおじさんに捧げさせてもらいますよ。生きているうちに会いたかった、と思うのは後の祭りである。自分をあまり責めてはいけないが、Ｍおじさんに貰うものばかり貰って、元気な姿一つ見せることはできなかった悔しさは残る。
「鎮魂と習性」
収容所で無差別に 殺される前までの
夢を見た
大勢で逃げ惑い 入り乱れ
怯え 伏せていた
目覚めた時 過去生の 出来事だったのかな？
息子が戦う 鎮魂のため？
ボールを奪うのは 習性？
息子が従う 鎮魂のため？
ボールを繋ぐのは習性？
情勢は突然変わる
新しく窮地がやってくる
悔しさと汗を 皮膚に
流した孤独が宝物
どれほどの長い時間を費やしてきたのだろう？
息子が戦う 鎮魂のため？
ボールを奪うのは 習性？
息子が従う 鎮魂のため？
ボールを繋ぐのは習性？
2023年8月11日
YouTubeのページに詳細もメモしています。