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「秋をイメージ?」

 秋をイメージできないでいる、と先週書いた。それはそうだろう。毎日のように気温33度を超え、最低気温が26度という状態が9月になっても続く、この海辺の街で。ところが、そこへ台風が立て続けに発生したかと思うと、現時点で最新の台風13号が、この地方めがけて1直線に進んできた。ああ、また、暑い日々か、と思うのは常のことだが、どういうわけか突然に涼しくなってしまったのである。台風の来る直前には気温が上がる、というのが定番である。なんだこれは?しかも台風は直撃コースである。

 そして、今日は台風がこれからまさに上陸しそうな気配のコースを辿ってきたのに、夕方には空は青空。未だに台風は真南の海上にいる。と、台風情報を確認したら、もう熱帯低気圧に変わる直前の状態で1000ヘクトパスカルとある。天気図を見ると、ほとんど停滞した高気圧に挟まれているような状態だ。気温は25度。理解の難しい天気様だ。

 突然の秋の到来と、病み上がりでじっくりと休養できたあとなので、カラダが自然に動く。一気に、種まき用の培土を仕込み、秋冬野菜の種播きに突入した。あのクソ暑い日々ではイメージができなかったことが、はっきりとイメージできるようになり、仕事が進む気配というものはとても良い。本当に僕のカラダは、季節の中にしか生きられないようになっているようである。おかしな天候であったとしても、気温様は季節通りに下がりたいと思っているわけだろう。気温様?それは、地球上の生き物や海、大地、その他大気圏の中にあるものすべての結晶の一つ、と言っていいかもしれない。ちっぽけな人間なんぞに左右されてたまるか精神が、気温様にはきっと宿っているに違いない。その気温様と僕は仲良しだ、というわけだ。

 気温が下がると、自動車の燃費も良くなる。この夏は、リッターあたり走行距離が20キロメートルを下回っていて、気分が良くなかった。それが、昼間の外気温26度となるだけで、すぐに燃費は21.5キロメートルまで良くなる。これもまた不思議なものだ。当然ながら、家のエアコン稼働率も下がり、昨日は家と作業小屋合わせても電気量が9キロワットを切ったくらいである。8月は15〜20キロワットくらいで推移していたから、気温様の省エネへの影響は顕著である。

 これから、葉物類や大根、キャベツ類、の種播きを次から次へとこなしていく。すぐに玉ねぎの種播きや苗床の準備もはじまる。このまま涼しい日々が続くとも思えないが、一気に秋を省略して冬になられても困ってしまうので、一つの重要な農繁期を過ごすことになる。そういう意味では、先日に熱を出して休養できたことはこの上なく有用であったと感じる。1週間遅れで、堆肥の運搬もこなすことができた。

 秋は、読書の秋とか、様々な催し物の秋、スポーツの秋、など都合よく名付けられてはいるが、冬に入る前の大事な仕事をこなす季節である。10月の地元のお祭までの期間に、台風にまた直撃されることも頭の隅に置きながら、どれだけ秋を感じることができるか、楽しみである。日本の四季というものは本当によくできた仕組みだね。

2023年9月8日


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