★ 「週刊てーて」+αをブログでどうぞ。 ☆ ひらく農園の野菜を入手できるお店
昨夜は、土砂降りの雨が2時間のうちに数回降った。結果的には大した雨量でもなく、畑にとっては潤いの雨だったと言えるだろう。しかし、全国各地では、相変わらずに線状降水帯がゲリラ的に出現して、被害にあう人々が沢山いる。暑い暑い長い夏が終わろうとしている。
20年前はどうだったのだろう?と、週刊てーてのバックナンバーを見てみた。2003年は冷夏だったようだ。雨が多かった夏で、8月の下旬になって乾燥状態に入り、9月3日には気温37度を記録した、とある。そこからしばらく日照りの状態が続いた。2003年は雨ばかりの8月で、お米も不作になり、そのあとの9月になって暑い夏がやってきて日照りとなった、というわけだ。その時にも、気候の変化を感じ取っていたようだけど、そこから20年の間、毎年のようにおかしな天気が少しずつ加速してきた、ということになるのだろうか?
30数年、農の世界にいるけれど、確かに気候が変化してきていることは感じてきた。かといって、冬の次に春が来てまた冬が来て秋が来て冬が来る、なんてことにはなっていない。気候のズレのようなものであれば、人間は対処していけるのではないか?とも思う。今の段階では、人間の体温を24時間超えた気温にはなっていない。今後、北極の氷がすべて解けるような事態になった時には、何が起こるかはわからないけどね。
農家なんてものは、野菜なら野菜の生育をその気候の中で助けるだけの存在だ。毎年一度だけ、その年の気候を体験して、やり方を蓄積していくのだ。もちろん、過去の農家や研究者たちの文献などで知恵の数々を読み取ることも必要だ。だが、その土地にはその土地の風土があり、その人にはその人のやり方がある。それらを実際の作物の成長を見ながら、その場所での経験を加えていくのである。
気候は、毎年変わる。その変わり方が激しくなってきた。台風の通過位置が変わって、今まで被害を受けなかったような地域の水の流れが鮮明になってきた、ということのように、人間の側に対策できることもあるのだろう。例えば35度以上の気温がある特定の期間に続いて、野菜や果樹などに影響を与える日数が過剰になった時には、品種を変えていかなければならない場合も出てくるかもしれない。品種で対応できなければ、作物自体を変えることも考えなくてはいけないかもしれない。
農家は、土や草にまみれて仕事をしている。であるから、ちょっとやそっとのことでは諦めない。何らかの気候対応ができるように、あれをやりこれをやり工夫を繰り返すだろう。僕たちは、野菜を生み出すことはない。種を播いて育てるだけである。環境として、有機物を施し草や土を動かす、ということをする。水のことを考え、温度のことを考える。虫にやられすぎないことも考える。それだけのことをやって、あとは収穫し、人様に食べてもらえるように調整して出荷する。この先、秋の気候がさらに変わったところで、僕たちはやはり秋をイメージするだろう。冬の入口である秋には、眼を見張るような野菜の成長を見ることもできる。人が過ごしやすい時期だから、秋冬野菜にも快適な時期だ。
2023年9月22日