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「2023年今年の総括 その1」

 さて今週は何を書こうか?とWordアプリを前にしたところで、もう12月で総括か〜、と拍子抜けした。兎にも角にも走り続けたような、目の前の仕事に対処した、というような感じで、よくぞ12月まで生き延びたものだ、と感慨深さが訪れる。常に死を意識しながら、90歳まで生き延びてやろうじゃないの、という一縷の可能性にかけている、という生活だった。

 昨日は、右目のレーザー治療をやってきた。2年半前の春に、左右両目の白内障のレーシック手術をして、後発白内障というものがあることは知っていたし、その年の夏にはうっすらと後発の曇りが出始めていることも告げられていた。今年の春頃から、その曇った感じが進んできて、秋には加速し始めた。明るさがより明るく感じられ、視力が曇りのために落ちてきたのだ。その曇りを解消するのがレーザー手術である。

 手術と診断明細には書いてあるけれど、実際には検査室のひと隅にカーテンで幕を引き、レーザーを当てて5分弱の時間で終わる。手術の前に検査をするので瞳孔は開くが、検査も含めて2時間で眼科医をあとにすることができた。手術の後も普通に近く生活できるのだ。右目だけ曇りが取れた状態でもよく見える。左目だけで車のナンバーを見ると、うっすらと白地が黄色みがかった感じで数字も少し灰色っぽく見える。曇りが取れた右目では、白地は白地で、数字も濃く黒い。そんな普通の当たり前のことに感動するわけである。

 2年前のレーシック手術で、サイボーグになったようなものだと思ったが、それを思い出した。60歳を過ぎればサイボーグとして何年生きられるか?を楽しまないとだね。目だけでなく、カラダのあちらこちらをケアしながらの1年だった。足裏からのマッサージは、この1年で入念さも加速した。その入念さが、仕事などにも影響しているのか、何事にも時間がかかるようになってしまった。本物のサイボーグと違って、部分的サイボーグは効率が悪いことこの上ない。いや、本物のサイボーグには会ったことがないけれど。

 AI(Artificial Intelligence)花盛りの年でもあった。人の動作を真似するには、まだまだ相当な時間がかかるだろうな。いつも思っていることだが、鍬を使うという動作だけでも、様々な目からの情報を瞬時に脳に伝えて、鍬の角度や強さを変えている自分を発見できるのだ。畝の形状は一定ではなく、生えている草の種類や大きさも様々である。大小様々な石も突然現れる。例えば大根の土寄せならば、大根の葉の生え方、垂れ方も違うし、芽の出た位置が微妙に一定ではない。そのようなことが土寄せ作業には重要であるので、脳は絶えず観察と伝達を行って鍬を操作していることになる。しかもその作業をして爽快感と満足感、あるいは味わいのようなものまで創出しているのである。人というものは元来すごい生き物なのだ。

 カラダのことをより考えるようになった1年でもあった。動いてなんぼ、の自分がいるけれど、もし目が見えなくなったら農の世界は諦めるのだろう、とも考えさせられた。右目のレーザー治療で、再びよく見えるようになると、何もかもが緻密に見えて、自然界の偉大さを目の当たりにする。農的な生活を今更ながらに愛おしく感じる。

2023年12月1日


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