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「2024年に向けて」

 あれ程に最後まで忙しかった怒涛の年末は、遠い昔のようでもある。その疲れと反動に加えて、三人の娘たちの帰省が一気に気分を変えてくれた。すでに寮から戻っていた長男と、家にいる次女を合わせて、五人の子供たちとの会話や食事は壮観でもある。さらに、あの元旦の能登半島地震と、二日の羽田での航空機接触事故が追い打ちをかけて、畑とは別世界に生きているかのようだった。年末からお酒も飲みすぎていたし、長女と四女が二日に帰京していったので、その日はお酒を飲まなかったくらいだ。

 三日には、出荷を開始しようと思って野菜の収穫をしていたのだが、三女の帰省(駅までの送迎)と事任八幡宮への初詣をまとめて夕方に配置したために、出荷は翌四日の朝に行うこととした。その三日の深夜、ヨーロッパサッカーを見るには時間が中途半端だなと思って、ギターの調べ物をiPhoneで検索していた。どのような流れだったのか思い出せないが、東京のTさんの名前らしき人のインタビュー記事に辿り着いたのだった。Tさんというのは、僕と同じ姓の山梨県出身の五歳ほど(?)年上のギター弾きの方である。僕が34年前に帰農してからTさんのことを思い出したことは殆どないに近いくらいの方である。

 Tさんは、今でもギターを弾いて、ライブハウスを経営し、ギターショップも経営している様子だ。僕が浪人して大学一年生になった頃、東京は阿佐ヶ谷に住んでいた。大学で念願のバンドを組んで、貸しスタジオでバンド練習を開始した。どこでどのように探したのか、あるいは知り合ったのかも覚えていないけれど、隣の荻窪のずっと北側のほうに貸しスタジオを見つけた。それがTさんともう一人の相棒の方の始めた貸しスタジオだったのだ。そこをよく利用させてもらった。Tさんは、革ジャンにジーパンという出で立ちで、いつもタバコを吸いながら、座ってギターを弾いていた、という印象だ。スタジオの名前が、ジャズの有名曲の名前と同じだったので、ジャズの畑の人なんだと漠然と思い込んでいた。

 僕が大学で、新たにサークルを立ち上げて音楽サークルを始めた時、Tさんのところで機材などを一式購入してもらったりもした。その後、その貸しスタジオを使うことは殆どなくなっていった。Tさんが今度は西荻窪にライブハウスをオープンさせた。そこにも出演させてもらったことがある。恐れ多くて、Tさんと一緒に演奏することは一度もなかった。

 Tさんの10年ほど前の演奏がYouTubeにあった。30数年前と同じようなギターをTさんは弾いていた。ああ、今なら一緒にセッションをやっても面白いだろうな。だけど僕のやろうとしている音楽とは、ジャンルは近くても角度が違うんだな、という漠然とした感覚に襲われた。ただ、不思議なことに、その瞬間、僕が畑で野菜に向かう気持ちに新たなエネルギーが出てきたのだった。長くギターを弾いている、という事実が、別の場所で別のスタイルで何の接点がなくても、Tさんへの親近感を抱きながら、僕は僕であることが要求されているように感じた。僕は僕の環境で音楽と共にある、そのために帰農したことを思い出す。畑を頑張ろうという気持ちが音楽に繋がることの不思議さよ、その逆もまた。

2024年1月5日


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