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「どこから来たかを永遠に その7」



 先週、半年ぶりくらいだろうか?YouTubeに表題の曲の動画をアップした。そのことを47年来の友人にメッセージで伝えた。「…、こういった創作エネルギーはどこから出てくるの?……」とメッセージが返ってきた。今週はそのことについて書く、と決めたが、忙しすぎて考える余裕がなかった。

 まず、普通に考えて、この年齢で自分の曲を書き続ける人は、職業音楽家以外ではそんなに多くないだろう。そこにエネルギーをかけ続けるには、何らかの意味を見出す必要があるのだろうとは思う。しかし、考えてみても、これは血としか言いようがないのではないか?血といったって、音楽家の先祖がいるわけではないと思う。少なくとも室町時代以降には、うちの家系でそのようなことは聞いたことがない。つまり、この場合の血とは、興味深いと思ったことへの執着と探究心の持続、ということである。単に好きなだけ、であるのかもしれない。

 その「好きなだけ」ということの種類にもいろいろある。ギターを弾くのが好き、曲を作ることが好き、歌詞を書くのが好き、録音するのが好き、編集作業が好き、作った曲を聴くのが好き、などなどいろいろな作業を伴うことによる様々な角度があるだろう。それらのことを職業として行っている人たちの存在もよいけれど、そのようなプロとかアマチュアという概念自体が、すでに古い体質だと言えるかもしれない。曲を作る時、その古い体質は考えない。

 と、外堀を埋めてみた。実際に僕の心の中を覗き込んでみると、折に触れて、生きていく上での「なくてはならない命綱」という感覚が見え隠れする。ギターを弾くのは好きだし、ギターを即興演奏するための基礎練習をすることも好きである。必ず、その日に考え出した基礎練習はウォーミングアップに行うけれど、ギターでやりたいのは曲を作ることと、その曲に対してどういうギター演奏をするかを考えることである。それを毎日毎日、同じ曲に対して少しずつ発展させていくわけである。そこで、一日に少しでも進展があると一つの満足を得られる。そのことがまず精神衛生上、僕にとって必要なことなのだ。

 命綱とは、一日少しの進歩、という感覚が自分の中にあると心が暖まり、他の世界の嫌なこと、例えばお金を工面しなければいけない、というようなことも単なる些細な、やって置かなければいけないこと、と感じられるようになるのだ。つまり、創作が、非創作的なこととの境界線をなくす役割を演じてくれるので、生きるのが楽になるのである。

 今週も、長男のサッカーの進路の話し合いを続けて、精神的にかなり自分を追い詰めてしまったけれど、野菜の仕事を突き進めることと、新しい曲への取っ掛かりが、エイヤっとばかりに後ろ向きの自分にならずに週を終えることができそうな気配になってきた。歳を重ねたせいか、強い気持ちとは裏腹に自分を攻める癖を併せ持つようになってしまった。そのことに対する命綱にもなっている。命綱ではないことには、曲を作り始めると、やはりこの世は素敵な世界だ、という感覚に支配されること、という側面もある。それすらも命綱のようにも思える。そのようなものが、血として受け継がれているのかな?

2024年3月22日




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