★ 「週刊てーて」+αをブログでどうぞ。 ☆ ひらく農園の野菜を入手できるお店
おふくろが他界したことで、野菜の仕事は3〜4日間ほど売上がないに等しかった。少し焦ったが、一昨年も次女のコロナ騒ぎで休まざるを得ない日々があったのはこの時期だし、秋には隣接工場の火災もあった。3年前には僕の眼のレーシック手術があった。そのほかには、毎年のように台風被害が続いた時もあった。そのようなどうしようもない状況のあと、当然ながら僕たちはひたすらに働く。挽回しようとする気持ちは、自然に湧いてくるものなのだ。
野菜の出荷だけでなく、野菜の苗の植え付けも中断したわけだから、いつものように山積みされた仕事は、一つ一つを根気よくこなしていくほかはない。幸いなことに、葬儀などで頭は捻ったけれど、カラダを休めることができたという利点もある。カラダが動くということは、ありがたいものなのだ。
収穫する野菜も、アブラナ科の葉物類が終わりに近くなってきたところで、ズッキーニや空芯菜、モロヘイヤ、大葉といったものが収穫できるようになってきた。ズッキーニは全盛である。ズッキーニの受粉作業をして収穫、ついでに南瓜の受粉作業をして1時間は費やすが、ズッキーニの仕分けは更に時間がかかる。朝だけの収穫では追いつかないので、夕方にも手頃な大きさのものは収穫して、夜なべの仕分け作業もある。
ズッキーニを食べてみれば初夏の季節を感じることができるし、うちのズッキーニはソテーが簡単で美味しい。昨夜のうちの食卓なんてズッキーニづくしだ。ズッキーニの千切りサラダには、ミニ人参とニンニクのすりおろし自家製ソースが添えてある。ズッキーニと空芯菜の野菜炒めは、相性の良さを感じることができるし、ズッキーニの入ったお好み焼きはお腹を満たしてくれる。まだあったかな?
カラダを動かすということは、お腹が減るということで、疲れ切ったあとのお酒は必要なものである。連れ合いはビールとワインであるけれど、僕は34年間も賀茂泉という東広島の純米酒をずっと飲み続けている。おふくろの通夜には、45年くらい前にお酒の飲み方を教えてくれた叔父さんたちが来てくれるということで、通夜用に賀茂泉を買い出しに行ってきたくらいだ。純米酒でないとだめな方々であるから、余っても大丈夫なつもりで一升買ってきた。葬儀場の待合室を借りた簡易な食事だけれど、あっけなく一升瓶は空になった。僕の甥っ子や娘たちもおかわりしていたことも事実だが…。
ただひたすらに働くこととおふくろの葬儀後ということが重なって、ギターを弾くこともままならなかった。1週間ギターを弾かないでいると、それはそれでまた初心に還る気持ちになるもので、クラシックギターを取り出して「おお久しぶりになってしまったなぁ」と話しかけながら、基礎練習をじっくり時間を掛けて繰り返す。次のギターのテーマは決まっている。「Dear My Mother」だ。僕の叔母さんたちをテーマに「Dear My Lady」のつもりで年初から取り組んでいたのだけれど、どうもしっくりとこなかった。おふくろが他界して、そうかこっちか、と独り合点したのである。焦らずに時間を掛けて…。
2024年5月20日