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「ただひたすらに働く その2」



 綱渡りのように、雨の合間を縫っての作業が続く。今日からまた雨の日々になった。明日は台風が近づくという。南の海上を過ぎ去る予報だが、台風はいつだって台風である。どこまで被害が少ないか、運を天に任す。この雨を前にして、連れ合いはこの6日間、じゃがいもの収穫を敢行した。雨の前にできるだけ、と言ってはいたが、僕が出荷に出かけている間に少しずつ掘り続けて、とーと畑のじゃがいもの収穫を終えたのだった。

 昨日は長男のサッカーの公式戦の予定が入っていた。最上級生なので怪我している子の親も応援に来るわけで、僕たちも当然出掛けた。出掛ける前にズッキーニの収穫をしたのだが、その間に連れ合いは玉ねぎの収穫を始めた。晩生の貯蔵用玉ねぎである。少しだけ玉ねぎを抜いてサッカー応援に出掛け、試合が終わってから家に戻って、また玉ねぎの収穫の続きである。

 晩生玉ねぎは、惨敗である。これほどにひどく収量の少ない結果は10数年ぶりくらいであろうか?すぐ横の畝で、早生玉ねぎを作付けたのだけれど、豊かな収量であったし、品質も良かった。晩生玉ねぎは、その後に、葉っぱの具合がよくなくなっていった。春先の低温が続いたことが原因なのだろうか?おかげで、雨前のたったの数時間で、収穫を終えることができたくらいである。

 玉ねぎは、引き抜いて葉を切り、少し乾かしてコンテナに詰める。雨が迫っている時には、乾かしている時間がないので、今回のようにすぐにコンテナに収納し、軒下で長めに乾燥させてから、冷蔵庫にしまう。冷蔵庫の前のスペースに玉ねぎを積み上げ、やれやれと思ったところで、冷蔵庫が運転していないことに気付いた。警報ランプが赤く灯っている。慌てて取り扱い説明書を探し出し、警報の意味を探る。どうやら室外機の具合がよくないようだ。

 夜8時を過ぎていたが、構わずライトを照らして、室外機を掃除した。フィンに触ると、ボロボロと崩れ落ちる。ありゃー、これはあかん。保証書の日付を確認すると、平成12年8月とある。24年前!もうそんなに時間が経過したのか、と愕然とするし、替え時なのかと観念するしかない。今朝、慌てて冷蔵庫屋さんに電話をいれた。これまた十数年ぶりだろうか?

 結果として、冷蔵庫のパネルはそのままに冷蔵ユニットなどを一式交換することになった。24年前に、玉ねぎを冷やすには0度から1度程度がよいということで、厚いパネルの2坪半の冷蔵庫一式を100万円ほどで購入した。あれから、フロンガス規制も厳しいものになり、世の中の原料不足や原料高騰、輸送費高騰で、どんどんと値上がりしたそうだ。在庫すら確保するのが難しいものもあるらしい。今回はパネルを抜きで100万円ほどになるようだ。

 24年前には、冷蔵庫屋さんの息子さんが小学生くらいだったと記憶しているが、その息子さんもあとを継いで一緒に冷蔵庫屋さんを切り盛りしているそうだ。親子三代冷蔵庫屋さんである。何とか在庫を確保してくれたようで、6月早々には工事をしてくれるようだ。まだまだ僕は10数年は畑を続けるつもりでいるので、冷蔵庫は必須である。多くの人がうちの玉ねぎをあてにしてくれているのだから。まだまだ働きますよ。

2024年5月27日




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