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「大人になった子どもたち」



 僕が64歳になったのだから、子どもたちも大きくなった。先日は、5番目の長男が、高校からもらってきた就学支援金の書類で気付かされたことがある。よく読みもせずに、例年通りに「生徒が未成年であり…」という項目にチェックを入れて提出したら書類を返されてしまった。長男はすでに5月に18歳になっており、「生徒が成人であり…」の項目にチェックを入れなければいけなかったのだ。

 えっ?18歳は投票権があるということではなかったのか?成人なのか?と改めて考えさせられる。成人なのに酒は飲めないのか?成人とは、大人のことで、自分の行動に責任がついて回るということではないのか?おかしな法律の改正だ。政治に関心を持ってもらうという意図は感じられるが、肝心の政治家がおかしなことばかりしているのだからね。で、どうして成人式は20歳なんだろう?

 それはさておき、長男も成人であるのだから、上の4人の姉たちは当然もう大人で、皆が仕事をしてお金を稼いでいる。長男も、来年は高校を卒業して、お金を稼ぐことになった。だから、僕たち夫婦もようやく少しだけ楽になれるかもしれない。気持ちが楽になれるだけで、仕事の量が増えれば何が楽なのかは不明であるけれど…。  

 昨日の日曜日には、仕事を休んで、長女の引っ越しの手伝いに東京へ行ってきた。土日分のたくさんの野菜を土曜日に無理して出荷しておいて、日曜日の朝5時に家を出た。家に戻った時には真っ暗で、胡瓜の収穫はできなかったので、今日の胡瓜は大きなものばかりになったことは言うまでもない。農家が夏に一日休むということは、そういうことなのである。

 28歳になった長女の引っ越しを手伝って、途中で三女のアパートに迎えに行った。二人共横浜在住者になり、4キロメートルほどしか離れていないのだ。予想外なことに三女は、品川区に住む四女と相談をして、僕の誕生日祝と父の日のプレゼントを兼ねて、二着のシャツを贈ってくれた。三女のお得意のアイシングクッキーを添えて。そのアイシングクッキーには、僕の今まで着ていたTシャツやつなぎ、ギターなどが描かれていた。その色合いを、実家にいる次女に詳しく聞いて、クッキーに再現してくれたのだった。

 四女は三女に託して、僕と連れ合いにそれぞれ手紙をくれた。四女がやってみたかった仕事で、四女の性格に合った場所がようやくみつかり、楽しく日々を過ごしていることなどが書かれてあった。四女が心から楽しめていることが、僕にとっては何よりのプレゼントである。三女と四女は頻繁に会話しているようでもある。

 子どもたちがそれぞれに自分を表現してくれること、そこに生活感があること、さらに言えば、しっかり食事を摂ること、それが子供を育てる上でずっと思ってきたことだ。できれば、子どもたち同士が仲よければさらにいい、と。子供が大人になっても永遠に僕たちの子供であることは変わらないので、常に心配をするものではある。大人になった子どもたちを信頼しますよ。

2024年7月1日




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