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「酷い暑さ その2」



 先週の暑さとは趣が変わってきた。雨が降ったり、涼しくなったり、あるいは湿度が下がったりと目まぐるしく変化してきて、昨日と今日は湿度75%を下回ることはなく、異常に蒸し暑い。しかしながら気温は30度くらいまでしか上がらない。いや、これがこの地方のこの時期の通常の気候であろう。平年並ということすら珍しいような今年の気候だ。

 昨日は、年に3回程度の割で行っている、鶏糞堆肥の運搬に愛知県まで行ってきた。レンタルした4tダンプで一日二往復するので、出荷作業はできない。朝六時半に家を出て十一時頃戻って堆肥を下ろす。胡瓜の収穫だけ終えて、十三時半頃家を出て十七時頃戻るのが二往復目である。翌日用の野菜を連れ合いが収穫している間に、僕は長男を寮まで迎えに行ってきた。翌日がオフになったから急遽外泊することにした、と連絡が入っていたからだ。家に戻って、ダンプを洗車して、ガソリンスタンドに燃料補給に行って戻ると二〇時である。

 今回の堆肥運搬では、最初の予定に大雨が入っていたので延期をして昨日になった。天気予報が猫の目のように変わるので、予定を組むことが難しいし、高校三年生の長男のサッカーの試合の予定も絡んでくる。今回も雨だったらどうしよう?と不安だったが、もう延期はできない。幸いなことに朝までの雨は、それほど酷い雨ではなく、積み下ろしに支障が出ることもなく無事終えることができた。また、種鶏場の平飼いの鶏の糞であるので、この頃は鳥インフルエンザ予防のために、念入りにビニールヤッケも着込まなくてはいけない。それが通気性も悪くて、暑いことこの上ない。それも、曇天のために炎天下を避けられたのだ。

 この堆肥運搬のために、出荷作業も前倒しで多めにこなしておいた。それが終わってやれやれ、と共に、長男の卒業後のサッカー進路が決まったお祝いに、軽く祝杯。しばらく話して、次女も長男も部屋を出ていった。すると、しばらくして長男が戻ってきた。いや、正確には連れ合いに足のマッサージをしてもらいに来たのだ。長男がサッカー寮に入るまでは、夜寝る前にずっと連れ合いが長男の足裏からのマッサージを毎晩続けていたのだ。

 長男は、サッカー寮に入ってから自分で足裏のマッサージをするようになった。それが、骨折一回だけで済んだ怪我の履歴維持の理由だと思っている。僕たちが勝手に思っているだけかもしれないが、長男も素直にそのマッサージを続けているのだから腑に落ちているのだろう。そして、たまに家に戻れば、また子供の頃のように連れ合いにマッサージしてもらうのがいいと思っているのだろう。ここは大事なことである、と思う僕たちが阿呆なのかもね。

 僕は、そのあと深夜まで仕分け作業。今朝は、長男に四時過ぎに起こされて、テレビを付けた。ユーロ決勝の時間である。僕と長男は、ヨーロッパサッカーを見てこの十年あまりを過ごしたのだ。長男の進路は、その集大成への最初の一歩であるかもしれない。下から這い上がるには最適な進路を与えられ、頑張ってきた人間のマジックを見る思いである。僕たちは、今後も命尽きるまで、畑で頑張るつもりだ。長男にも地道に頑張る道を行ってほしい。この酷い気候になっても、自分のカラダを使って生き抜いていくのだ。

2024年7月15日



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