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「閑話休題2024 その1」



 昨日は東京の新橋で、甥の結婚式があった。僕の妹の長男の結婚式である。そのために畑の準備や出荷をできるだけ済ませておいたことは言うまでもなく、一昨日の土曜日ぎりぎりまで仕事をこなして、夕方に僕の兄貴と新幹線で上京した。一年ぶりのSuicaアプリの使用であるし、兄貴も初めての利用なのでiPhoneを改札口でかざすことすら自信なさそうに行くわけである。スマートEXなる新幹線の予約がSuicaに文字として反映されていないので、改札で指定席番号の印刷された紙が出てきて、はじめて安心する始末だ。

 妹夫婦がホテルを取ってくれてあり、新橋駅から歩いていくだけのことである。が、ホテルの利用すら久しぶりすぎて、エレベーターで部屋のある階上にいくためだけにも、エレベーターのボタンを指で押すことができず、カードをかざさなければいけないシステムに戸惑うばかり。部屋に着いて妹家族に顔を合わせて、すぐにホテル外に兄貴と二人で食事に出かけた。

 さて、食事から戻ったところで、昨日から思いついていた銀座のバーに行くことにした。妹夫婦とその次男と五人で地下鉄に乗って、赤坂見附で降りた。ホテルからは直線で2kmほどしか離れていないが、東京に慣れている妹家族の案内に従って、なんとか地下のBARにたどりついたのだった。その店を経営しているのが僕の大学時代の同級生Tで、一緒に僕たちの作った音楽サークルに参加してくれた一人である。

 ただ、僕は、偶然Facebookアプリで彼を見つけて数年前に連絡を取っただけで、35年ほどは会っていなかった。Facebookを頻繁に利用しているわけでもないのだけれど、この週刊てーてをブログから自動的にFacebookに投稿したりはしていた。Tは、地下のBARからの様子を時々Facebookにアップしている。見慣れない美味しそうなウィスキーや、ミック・ジャガーの写真が飾ってある様子を見て、いつかは行ってみたいと思っていたのだが、なかなかそのタイミングは訪れない。もうすぐ店を開店して10年になるとも書いてあったが、いつまでその店をやっているかもわからない。もう僕たちも若くはないのだから。

 店に到着する前に、ホテルから店に電話を入れた。電話の声が、35年とか40年前の声とは違って聞こえたから、こちらは名乗らずに、これからお邪魔する旨だけを伝えた。店に入ると「先ほどお電話をくれた方ですか?」と聞かれ、僕は「はいそうです」とTの顔をじっと見た。すぐに僕の顔を認識したようだ。数十年経っても変わらないものである、お互いに?

 店は、思っていた以上に僕の好みだった。もっと今風であるかのようにFacebookを見るだけでは感じていたのだが、音楽と酒があるだけである。Tは、年相応ではあるだろうけれど、若い頃の尖った感じからまあるい感じになっていた。いろいろなことを経験してきているんだなぁと思いながら、度数の強めのお薦めウィスキーはある?と注文した。同行4人もそれぞれにビールやハイボールを頼んでいたが、下戸の甥くんにはジンジャー系カクテル?を作ってくれた。僕のはBOOKER’Sという60度を超えるようなバーボンで、ストレートでちびちびやった。実に味わい深い。ありゃ、紙面が足りないので次回に。

2024年9月9日



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