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「9月が終わる」



 長い長い夏が終わった、とお彼岸を過ぎてようやく感じている。午後3時、配達の車に乗って、外界温度を表示するout tempボタンを押すと、28度を示して、ほっとする。真夏が長かったけれど、out tempが36度なんて今までにはなかったことだ。それでもクルマの燃費がまだ1リットルあたり21kmがいいところで、あんまり暑いと19kmにも満たないのは気分よろしくない。20度前後の気温であれば23km台になるのだから、夏はとても省エネとは言えない。

 電気代も半端ではなかった。7月17日から8月18日の電気使用量が、母屋と納屋を合わせて902kWhと、去年同月比で360kWhも増えた。7月の終わりぐらいから、週に200kWhを超えるようになったのだから、その酷暑ぶりをエアコンの稼働でしのいだことがよく分かる。先週は週に80kWhで済んでいる。秋と春が長いことこそ、省エネの象徴と言えるだろう。納屋と母屋で5台のエアコンが備わっている。25年前には1台もなかったのである。別の時代を生きているようなものだ。

 そのような夏を超えて、お盆や結婚式、試合応援の長距離遠征以外、僕たちは休みなく働いた。この夏を超えてなお働くことのできることに、感謝と安堵は偽りのないところだ。夏が長かったということは、秋冬野菜の準備ができないということでもある。現に、ショッピングモールに野菜を持っていっても、なかなか秋の葉ものが登場していないのだ。農薬を使っている慣行栽培農家の方々ですら野菜が足りていないということで、僕たちの夏野菜は貴重な部類のようでもあった。

 暑さに加えて、一度に大量に降る大雨が、野菜の品不足を助長させた。そして、僕たちの畑では、9月中旬を超えたあたりから虫たちが異常に元気になりすぎた。オクラに蟻が大発生するし、里芋の葉には、ヨトウムシの生まれたばかりの幼虫が何千匹も付いた。蟻はどうしようもないから、井戸水散水で根本の蟻を抑えた。ヨトウムシの幼虫は、ビニール手袋をはめて、すべて潰していった。おかげで今はだいぶ抑えられたが、今度はナスや空芯菜をヨトウムシの幼虫がたくさん食い荒らしている。どうしようもないから、穴の空いていないものだけを収穫している有り様だ。

 日の長さに強く左右される玉ねぎは、種播き時期が限られている。近年は、暑いので1日種播きを遅らせてきたが、今年は各品種とも2日遅れで種播きをしている。ギリギリの判断だけれど、冬や春も暖かいのではないか?という僕の予想だ。例年、ただでさえ多忙極める9月なのに、今年は夏が延長戦をやっていたようなもので、9月末の短期間にあれやこれやを集中させるほかはなく、僕はヨレヨレである。今日は、晩生の貯蔵玉ねぎの種播きを終えた。極早生玉ねぎ、早生、中生に続いて4回目4品種目である。

 草も伸びるのが早い。刈り終えたと思ってもあっという間に伸びている。草があると歩きにくくなるし、虫の発生を助長する。やるべきことが満載だ。

2024年9月30日



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