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「食事考2024 その3」



 この秋は、蛾の幼虫の類が多くて、小松菜の収穫が中断してしまっている。畑に直播した白菜や小カブも、多くは虫にやられてしまっている。そのほとんどはヨトウムシが食べ尽くしている、そんな感じだ。玉ねぎの苗床などは、土に苗のトレイを埋め込み、さらにネットをかけて、そのネットも土に埋め込んである。それでも毎日のようにネットの中に大小のヨトウムシは潜り込んで、玉ねぎの苗の葉を食べている。まるで十月の初旬の頃のような感覚なのだ。

 大根の続きである。小松菜が出荷できないので、葉大根はたくさん出荷している。すぐに売り切れてしまうのだが、大根はその成長が気候に合ってきたので、グングンと葉を伸ばしている。3週間前にネットを外してしまって、まだ蛾は飛んでいるし、シンクイムシなどもいるのだけれど、あの虫食いのひどい畑がだんだんと美しさを取り戻してきているのだ。

 葉大根を収穫しながら、その作業の一つ一つにいろいろな思いがよぎる。まず、どの大根を残してどれを収穫しようかと考える。太り始めたものばかりを残すという方法は、大根農家のすることである。僕達は、大根と葉大根の販売の割合を半々、あるいは葉大根のほうが多いくらいのやり方である。葉大根は人気がある。日本の有機農家の象徴であると言ってもいいくらいの品目が、葉大根なのだ。カルシウムもたっぷりだし、カラダも温める性質がある。

 葉大根を選んで収穫し、虫食いの葉を落としていく。間引きされて残された葉大根がエリートなのか、収穫した葉大根がエリートなのかはわからないが、虫食いとして株元に落とされた葉は、微生物たちに分解されて、残された大根の栄養源の一つとなるわけだ。つまり、その落とされた葉は子孫を残したということに繋がっていく。人間だって、結婚して子どもが生まれて、育って、やがては親が死んでしまうが、その時に子孫を残したという安堵感があればラッキーだろう。微生物に葉が分解されて、シンクイムシやヨトウムシの死骸や糞も分解され、ファイトケミカルとともに大根として成長して人間に食される。人間世界は、栄養があって美味しければ、その大根の種をまた増やして、僕達農家がまた種を播くのだ。子孫繁栄のやり方が込み入っているだけの話だ。相当に大根は、あるいは野菜たちは頭が良い。

 虫たちにしたって同じである。人間の播いた種が芽を出して成長した頃を見計らって、蛾は卵を産みに来る。卵から孵ってイモムシとなるわけだが、アブラナ科の野菜が大好きなのは人間のほうなので、アブラナ科専門に卵を生みつけて卵が孵り葉を食べる。いくらかは人間に潰されてしまうが、永遠にその繰り返しで子孫を残すことができるのだ。大根だって、虫に食べられると何らかの物質を発生させて、それ以上の被害を少なくしながら、その発生した物質が虫の糞などとともに微生物の餌となり、副産物としてファイトケミカルを生み出す。それが大根として人間に食べられて、ファイトケミカルは人間の腸で活躍してくれるわけだ。

 虫も草も堆肥もお日様も雨も、すべては土の表面近辺で微生物とともに野菜に関わって食味を良くしてくれる。それらを大事にすることが、結果的に人間のカラダに強く影響してくるという循環だ。水耕栽培や農薬とは次元が違うのだ。

2024年11月11日



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