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「2024年 今年の総括 その3」



 今年は何と言っても、気候の変化の加速が一弾ギアを上げた、ということが僕達には大きなことだった。もう思い出せないくらいにたくさんの「え? こんなにも?」があったと思う。まず一度に降る雨の量である。昔は、降れば十ミリは必ず降るなぁ、程度のことだった。それが二十ミリになり、三十ミリと加速し、今年は、降れば五十ミリ、なんていうほど当たり前に雨量が多くなってしまったのだ。必然的に、豪雨被害は多くなる。

 この辺りでは今年被害らしい被害は出なかった。しかし、夏の終わりから秋の豪雨は、農家にとっては絶大な影響をもたらした。気温もいつまでも夏のようだったので、秋に虫が大発生して、マーケットの野菜が激減した。いや、正確には、僕達の畑と仲間の畑くらいしか目にしていないので、ファーマーズマーケットの噂話を小耳に挟んだだけなのだが…。そのマーケットでの野菜不足が11月末まで続いたのだから恐れ入る始末だ。

 うちの畑が、虫だらけだったことは確かだ。あまりに暑さが長引いたので、作付けを遅くしたが、9月中旬までに種を播いたアブラナ科の大根や小松菜類は瀕死だった。今年の白菜は無しである。かろうじて残った白菜は、まだまだ小さくて、それでも堆肥を置いて、春に少しは菜の花で収穫できるだろう。10月に植えた葉ものもまた虫に食べられた。それらは今少し再生して、年明けには収穫できるだろう。

 9月下旬に播いた大根は、通常なら虫の被害もなくすんなりと育つはずだった。それが、ヨトウムシの大発生、シンクイムシの大発生で悲惨な光景だった。それらも、時間の経過とともに再生してくれた。このところずっと出荷している小ぶりな源光大根である。今でもヨトウムシがいるのだけど、もはや寒さで葉っぱの上に干からびているのを毎日見つけている。自然の力は素晴らしい。草を根こそぎ取らないで、ネットもはずして、虫や鳥、気候にまかせるだけで、虫食いから見事に再生してくれるのだ。

 農薬や化学肥料を使わない、有機植生を重視したやり方しか見ていない僕達には、世間の慣行農家の方々が虫の大発生でほとんど野菜を出荷しない時期があった、ということのほうが驚きである。大雨が続いて農薬を散布できない時に虫にやられて、自然界の力を借りることができなかったのだろうか?土に化学肥料や除草剤をまいてしまうと、微生物の力は充分に働きようがないのだろう。とは想像できるが…。

 気候が二分してしまったような、秋と春が短く、夏と冬だけのような世界を僕達は体験している。あの夏の長さには辟易したし、気温33度以上の高温が当たり前の日々は命がけであったことも確かだろう。ただ、人間だけが大変なわけではないはずだ。虫や鳥、動物たちも大変だろう。その中で生き延びようとする力、これは発揮されているのかもしれない。僕達のように大昔とそんなに変わらないような野菜の育て方でも、このとんでもない気候の中で育つことを確信したような感覚だ。やれることを工夫しながらやるしかないけれど、例えば野菜にだって長〜い歴史があるのだ。それを尊重すればいい、と。

2024年12月16日



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