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「狂った夏 2025 その4」

 暑い。酷く暑い日が続いている。そして、雨はない。過酷である、とはこういうことを指すのか?一日のうちの半分の時間を、井戸水を出している。水が出てくれるだけありがたい、ということもできるが、水は有効に使わなければいけない。その水の管理にどれほどの時間を使っていることか?畑は、温室とは違って、一作ごとに配置が変わる。だから、大元の井戸水の配管が出来上がったところで、どこに水をやるかは手作業で替えていかなければいけないわけだ。だから時間がかかる。

 朝、井戸水を出す前に、砂取り器の中を開けて確認して掃除をする。昨日は、朝に砂や蟹の死骸が溜まっていたので掃除したが、2〜3時間後には井戸水の勢いが弱まって、もう一度砂取り器を掃除した。かなりの砂が溜まっていた。それが今日は、砂は一切なく、メッシュのフィルターにゴミが溜まっていただけだった。日によって、井戸水の水源のあたりの状況が違うようだ。今まで、このことをきっちりとやって来なかったので、今更ながら水源の状況をイメージしているわけだ。水源近くの3本の大きな松の木が枯れたことも、影響しているだろう。

 胡瓜の収穫の準備をしながら、井戸水を配管していく。胡瓜は南北2箇所に畝がある。北の胡瓜を収穫する時に、まず南の胡瓜へ水を出す。井戸水ポンプからの水を500リットルタンクに流し出しながら、別のエンジンポンプで吸い上げる。そこからチューブ配管で50メートルほど引っ張り、さらに40メートルほどの胡瓜の畝に穴開きチューブで灌水するのだ。揚程が長いから、エンジンポンプが必要になるのである。

 北の胡瓜の収穫が終わる頃には、当然汗だくで、自家製西瓜で一息つく。この西瓜は、あくまでも自家用で、夏の水分補給のために育てているので、一切販売はしないし、市販で売っているような甘ったるい西瓜とは違う。在来品種の天然水分を堪能して、夏を乗り切るための西瓜だ。そして、南の胡瓜の収穫へと移行する。

 その時に、井戸水は空芯菜とモロヘイヤの畝に配管を替える。そのようにして、随時、苦瓜やズッキーニの畝、ナスやピーマンの畝、ニラ、さつまいも、オクラや里芋の畝、北の胡瓜、しそ、ごぼうと合計10本の別のチューブに井戸水の出口を替えていくわけだ。揚程が短いものは、エンジンポンプは使わないで、井戸水ポンプの圧力だけで、水を出すことができる。

 だいたい胡瓜や苦瓜の収穫と井戸水配管だけで、午前中を費やすことが多い。その間に連れ合いが、そのほかの収穫をしてくれ、午後は仕分けと配達に追われる。この先もずっと雨の予報がないので、これをひたすら毎日繰り返すわけだ。他の仕事がちっとも進まないのも当然かもしれない。夕方の日没までの時間を使って、草刈りやその他の作業をするのが関の山だ。

 これだけ暑い日が続くと、僕達のカラダも疲れが溜まってくる。睡眠時間を確保しないといけない。日曜日には、出荷しながら無理しても外出しないと心も休まらない。気分転換が絶対に必要なほどの暑さだ、と言っていい。それでも、休めばまた動くことができる自分たちのカラダは不思議で有り難い。野菜も育ってくれて有り難い。

2025年7月28日



獣やカラスから西瓜を守るためにコンテナを被せておいたが、カブトムシが食べに来ていた
獣やカラスから西瓜を守るためにコンテナを被せておいたが、カブトムシが食べに来ていた

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