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「真夏の閑話休題 2025 その3」



 9月になっても、まだ真夏だ。秋?秋はまだ存在するのか?と今年も相当に短そうな秋をイメージすることもできないくらいだ。こんなに海に近いのに、相変わらずに気温は33度前後で、今日は正午くらいから湿度も70パーセントを超えている。異常に暑く感じるし、汗もまたタラタラと止まらない。

 さて、息子のサッカーである。前回の閑話休題で練習試合のことを書いたが、その3日後くらいには、練習で脳震盪になったらしい。自分から同期の選手の膝に顎を突っ込んでしまったらしく、意識がなくなったというか、ムニャムニャ理由のわからない独り言を20分ほど呟いていたとか。精密検査の結果に異常はなかったらしく、脳震盪の場合に6日間は対人練習ができない規則のようなものがあるようで、ひたすら走り込んだようだ。脳震盪という言葉を聞くと、こちらはドキッとするものだが、本人は顎の付け根の痛みがだんだんと少なくなっていったり、口の中が切れて染みたりというような症状以外は大丈夫だったようだ。

 脳震盪で、その週の練習試合は当然出場なしで、さらに1週間あとには公式戦再開という日程だった。せっかくポジション的にも調子の良さも噛み合ってきた頃合いの怪我では、公式戦の先発は無理だろうし、なんとかメンバー入りができるように練習を頑張ったようだ。僕達も公式戦再開初戦は、半分諦めてはいた。ところが、前日になって「先発かも?」というようなメッセージが入った。おもわず「おっしゃー」と呟いてしまった。

 息子の中学生以降のチームでは、担当コーチや監督が毎年変わってきた。監督が変われば、選手の使い方に違いが出てくることを、僕達は身に沁みて感じるわけだ。ポジションも様々なポジションをやることになる。もちろん、その経験はその後に確実に生きてくる、という利点もある。僕個人の意見では、息子の場合ボランチだったら高いレベルでも通用するだろう、と思っている。しかし、ボランチというポジションは、より経験を積み重ねて味が出てくる場所だと思う。その意味では、試合に出続ける必要がある、と思っているのだが、息子が所属したチームでは、いつもボランチのポジションに多くの人材が存在してきたのだ。

 現在のヨーロッパサッカーを見渡すと、ボランチで息子のタイプの選手では、アーセナルに移籍したばかりのスビメンディが素晴らしい。今までは、久保建英のいるソシエダにいたのだが、その時もかなり良かったが、アーセナルに移籍してより特性が発揮できるようになっていると思う。同じアーセナルのライスや、マンチェスター・シティに入ったばかりのラインデルスもいいし、パリSGのビティーニャや日本の田中碧など枚挙に暇がない。スビメンディと並んでバルセロナのペドリも、息子の行くべき方向である。はいはい、レベルが違いますわな。

 そのスビメンディのようなプレイを公式戦で後半途中まで披露して、息子は交代し、チームは勝利した。ミスもいくつかあったことも事実で、だからこそ使い続けてほしい、と願うばかりだ。毎日毎日が異常な暑さで、この暑さを乗り切るためにもサッカーは必要である。前向きな何かが、生活の中にいくつか存在することが糧となるのだ。

2025年9月1日



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