








★ 「週刊てーて」+αをブログでどうぞ。 ☆ ひらく農園の野菜を入手できるお店
もう10月。時間だけが小走りで過ぎていく、そんなことを毎日の日付を確認するたびに思う。気がつけば、あの夏をやり過ごすことができたんだな、と感慨深いが、人は未来を憂うもの。この冬が突然やってくる、という予想に若干怯えている。それはそうだ。秋がほとんどないものと思っていたら、突然秋が来て、慌てて畑に種を播いた。冬が早ければ、今度は次々に種を播いておかなければいけない。温度が急激に下がったなら、野菜の成長速度は著しく遅くなるのだから。
畑の準備に殊の外、時間がかかった。それには理由がある。この夏の暑さは、蔓性の植物が異常に繁茂した。朝顔の蔓、葛の蔓である。それらの蔓がその他の草と入り乱れ、畑を覆ったわけだが、それらをトラクターでいきなり耕そうとすると、作業機のオイルシールに負荷がかかる。そこで、フレールモアという作業機、いわゆるハンマーナイフモアという草を叩き切って粉砕する作業機を使うことにした。それは正解だった。しかし、それには結構な時間を要する。簡単には蔓性の植物を粉砕することができなくて、時間をかけて少しずつ粉砕するほかはなかったのだ。それほどに今年の蔓ははびこってしまった、ということであり。
それなら夏の間にやっておけばいい、と思うかもしれない。この夏の暑さの尋常でないことは、誰もが知っていることであろう。エアコンが使えないほどトラクターが老朽化していることも一因だ。井戸水を毎日配管しながら、収穫と出荷だけでほとんど夏は終わってしまった、ということもある。さらに言えば、うちは有機物と微生物の恩恵を受ける農のスタイルなので、あの炎天下の日々を土をむき出しにして放置することをできるだけしたくないのだ。まあ来年以降は、少しやり方を考えなければいけないだろう。このような気候を乗り切るスタイルを新しく確立していく必要がある。
言い訳はともかく、夏の間も信じられないほど働いたはずなのに、今はさらに働いているのではないか?来週は地元のお祭もある。畑や通路の草もできるだけ刈っている。草が蛾の棲家になってしまうからで、秋は何と言っても蛾の幼虫類が野菜を台無しにすることが影響の出ることなのだ。もちろん、野菜の種も播いている。玉ねぎは一通り芽が出揃っていて、最初に播いた極早生の玉ねぎ苗には早くもヨトウムシが食害に来ているくらいだ。大根やカブ、小松菜などの葉ものも芽が出ていて、連れ合いがせっせと堆肥を置いている。
畑へ直接種を播くいわゆる直播きは、一畝で65〜70メートルくらいなので、僕が手押しの播種機で何往復もすることになる。軽い一条の播種機はまだいいが、一度に四条の種を播く機械を手押しするには重くてへとへとになる。もうそろそろ自走式の播種機にしたほうがいいかもしれない。大規模農家なら、一つの野菜を大量に作付けるので、トラクターの作業機に播種機を取り付ければいいのだろうが、こちらは少量多品目の野菜農家なのである。
台風22号が近海で発生し、クルッと小回りで円を描くようにして通り過ぎる予報だ。猫の目のように変わる秋の天気には、体力勝負で働くほかはない。
2025年10月6日
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