業務日誌(2004年1月その1)

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 1月6日 1月8日
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1月8日 弁護士像の変化(1)−市民法律相談へ

 私が弁護士登録してから早くも8年が経過しようとしています。

 たった8年ではありますが、その間だけを見ても、弁護士のあり方が大きく変わりつつあるように思えます。

 一番私が感じているのは、弁護士会が急速に市民法律相談制度の拡充に動いたことでしょう(以下、東京都区部の話です)。

 私が登録した8年前は、弁護士会の運営する法律相談センターといえば、霞ヶ関の弁護士会館内に一つあるだけでした。

 その後、多重債務者問題の高まりを受けて、四谷に初めてのクレジット・サラ金問題専門の法律相談センターができたのを皮切りに、神田にも第2のクレサラ相談センターが、新宿には家庭問題相談センターが、と、続々とセンターが設置され、さらに池袋の公設事務所内、そして先日は錦糸町にもセンターが開設されました。さらに北千住や渋谷の公設事務所予定地にもセンターが開設予定だそうです。

 思えば、つい最近まで、弁護士会は法律相談センターの設置はおろか、こうした公的な相談センターで、相談案件を相談担当弁護士が事件として受任する(「直受」といいます)ことすら禁止するという、実に不思議な規制を敷いていたのです(現在でも第一東京弁護士会はこのままだとか)。「直受」を認めると、弁護士が「事件漁り」をする場を弁護士会が提供することになる、それは弁護士の品位を害する、という実に古風な、しかし相談者のことは何も考えていないに等しい考えに基づいてのことでした。弁護士会の運営する法律相談なんかから、一見さんの事件を受任するのはろくな弁護士のやることではない、弁護士は身元のしっかりした紹介者から紹介された事件しか引き受けないのが正しい、弁護士会の法律相談は、いわばボランティアであるという発想が根底にあります。

 はっきりいって、これが180度変わったようです。最近は弁護士会ができるだけ多くの相談制度を整備し、直受を可能にすることで、市民の弁護士へのアクセスを容易にすることこそ大事だという発想に変わっています。

 そして弁護士から見ても、法律相談からの事件受任を業務基盤にするという層が確実に増えています。一見さんを相手に立派に業務をこなして採算を取っていく、という時代になりつつあるようです。




1月6日 民事訴訟費用の改正

 民事訴訟を提起するには、弁護士費用のほか、裁判所に一定の額の手数料を納めないといけません。手数料は、訴状に印紙を貼って支払うことになります。

 この費用がいつのまにか改正されており、年明けから施行されていました。弁護士のくせに知らないとは何事だ!と怒られそうですが、いや本当、この話題は報道もほとんどなく、弁護士会内でもあまり話題になっておらず、現時点でまだ知らない弁護士もたくさんいると思いますよ。なにより、弁護士会の協同組合が発行する「弁護士便覧」の訴訟費用一覧表の改訂版すら間に合わない始末。それほど「ひっそり」と改正されてしまったのです。

 さて、改正の内容ですが、全体に費用の定めが簡素化されたようです。例えば、通常の民事訴訟は、

 請求額(訴訟物の価額)が、30万円までは5万円ごとに印紙が500円、30万円から100万円までの部分は5万円ごとに400円だったのが、改正後は単純に100万円までは10万円ごとに1000円となりました。

 この結果、少なくとも30万円から100万円までの部分は明らかに値上げになっています。その一方で多額の請求額の場合は値下げになっています。

 それほど勘ぐるつもりもないですが、この30万円から100万円という請求額の部分は簡易裁判所管轄のボリュームゾーンです。簡裁に大量に訴訟を起こす消費者金融・信販会社から費用をもう少しもらおう、ということかしら。それとも簡裁代理権を得た司法書士による訴訟提起が増えるとにらんでの値上げでしょうかね。




1月5日 委員会派遣

 事務所自体の執務開始は6日からですが、私自身は朝から例の刑事事件の件で東京拘置所に行ってました。

 無罪判決を勝ち取れなかったことを被告人に謝り、お暇です。

 そして、本日は当番弁護の担当日でもあるため、事務所で待機せせねばなりません。

 でもって、回ってきた事件が何と、「委員会派遣」事件。

 通常の当番弁護は、逮捕・勾留された被疑者または家族からの出動要請に応じて接見に行くのですが、新聞に載るような重大事件の場合、誰からの要請がなくとも、弁護士会の刑事弁護委員会が独自の判断で当番弁護士に出動を命じるのです。これが「委員会派遣」です。

 新聞に載るような事件ですから、当然罪名は弁護士としても気が重くなるようなものです。それでも気を取り直して接見に行くと、………「弁護士に会う気はない」とのこと。本人に接見を拒否されてしまいました。

 まあ、委員会派遣はいってみれば「お節介」ですから、こういう事例があると話には聞いていましたが、接見に行って全く会えずに帰ってくるのは初めての経験でした。会うことさえできれば、被疑者とどんな話にはなろうともとりあえずの達成感はありますが、接見拒否では単なる徒労感が残るだけ。年始めから幸先は?のスタートです。





1月3日 無線LANアップグレード

新ルータ
 年末に注文しておいたBUFFALO(旧メルコ)の新しい無線ルータとカードが自宅に届いたので、昨日から、今までのWarpstarからの移行作業に取り組みました。

 新しいルータは、802.11a/b/gの全規格に対応した新製品で、移行作業といっても自宅にある2台のパソコンにそれぞれ無線LANカードをインストールし、ルータを認識させるだけです。

 従来内蔵アンテナですっきり通信できていたT23も、PCカードスロットからカードがはみだすようになってしまいましたが、この新しいカードは出っ張り部分がスケルトンで、なかなかかっこいいので許すとしましょう。

 肝心の通信速度ですが、ブロードバンドスピードテストで調べたところ、802.11gで約15Mb程度のスピードでした。まあまあですかね。




1月1日 謹賀新年

 明けましておめでとうございます。

 今年は昨年の流れを引き継いで、正月からあわただしい一年になりそうです。今年もよろしくお願いします。


 恒例のスキーから帰ってきて、実はもう年が明けてしまってから更新してますが(笑)。