Prologue
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T様
前略 お元気ですか?今年の夏は会えませんでしたね。
私はTちゃんが帰省するものと思っていました。とは言っても、私の方が8月7日から14日まで旅行していたのでTちゃんが帰省していても会えなかったかも知れません。
Tちゃんの2004年の夏はどんなでしたか。
もしも会えていたらお互いの近況報告などしたでしょうから、Tちゃんは仕事の話と面白かった本の話、それから最近行った旅の話をしてくれたでしょうか。
私は先に書いた通り夏休みを利用して旅行していましたので、帰ったばかりで興奮が冷めず、夢中になって旅の話をしたことと思います。
きっと、Tちゃんがそのうるささに辟易するくらい(笑)。
会えなかったので、手紙にします。長い手紙になると思うので、覚悟して読んで下さい。
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その1 ボラボラへ。そしてホテル・ボラボラとの出会い。
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8月7日土曜日、成田からタヒチ島ファアア空港へ。
タヒチという名前はTちゃんも知っていることと思いますが、タヒチというのが国の名前ではないというのは知っていたでしょうか。私と違って物知りなあなたの事だから言うまでもないのかも知れませんが、一応説明すると、正式にはフランス領ポリネシア(フレンチ・ポリネシア)というところで、沢山の島々からなっています。タヒチというのはその中の首都パペーテがある島の名前です。一般にフレンチ・ポリネシア全体を総称してタヒチと呼ぶことが多いようです。
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タヒチへ行くにはエア・タヒチヌイの直行便を利用するか、ホノルル経由にするのが一般的なようです。旅行の日程が長くは取れない為、私は直行便でタヒチに行きました。直行便だと11時間程度です。とは言え、11時間ともなるとさすがに疲れます。小柄な私はともかくとして、一緒に行くKくんにはつらいだろうということで、快適な“CLUB POERAVA”(ビジネス・クラス)で行くことにしました。
ビジネス・クラス使用だったので、成田空港ではラウンジで搭乗までの時間をゆっくりと過ごす・・・筈だったのですが、どういう訳かラウンジはひどく混んでいました。私は座る事も出来ない中、スプモーニを作って飲みました。ラウンジになど行かない方がかえって良かったかも知れませんが、旅立つ前から小さなことで腹を立てたくなかったので、自分で作ったスプモーニの味に大満足のふりをしていました。
搭乗して真っ先に飲んだマイタイはとても美味しかったです。使われているパイナップルのジュースの味が良いのかも知れません。
が、しかし、このマイタイが原因ではないかと思われる事態がこの後発生してしまいました。
機内食の昼食が終わると、朝食まで殆どの乗客が仮眠か寝たふり、あるいはビデオ鑑賞等の静かな時間になる筈でした。ところが私の通路を挟んだ隣の座席の関西弁の女性二人連れがうるさくて眠れません。少しうとうとしても、そのはしゃぎっぷりで起こされてしまいます。まるで家ではしゃいでいるかのような声の大きさです。かなり前の方の乗客までもが振り返って見るほどです。酔っ払っているのでしょうか。
当然私は眠ろうとしても眠れず、我慢の限界、ついに一言注意しようと思った頃、その女性達も静かになり、機内に静寂が訪れました。
やれやれと思い眠りにつこうと思ったら、今度はどうしても眠れません。ついにタヒチに着くまで一睡も出来ませんでした。その女性達の安らかな寝顔を見て起こしてやりたい衝動に駆られましたが私も大人です。ガマンしました。第一タヒチに着く前からこんな小さなことで腹を立てたくなかったのです。
機内食のメニューは次のようなものでした。味については美味しいと感じたもの、口に合わなかったもの、色々でした。
−昼食−
ローストポークとスモークビーフ、ウェルドルフサラダ
又は
シーフードロールとバンバンジー
舌平目のフライ、スイートサワーソース
キャロットのバターソテーとブロッコリー
又は
鴨ねぎの和風仕立て
又は
ポークフィレのカレー
ライス、さやいんげんのバターソテー
フランス産チーズトレー
デザート
アップルクリームタルト、チョコレートブラウニー、レモンタルト
新鮮な季節のフルーツバスケット
シャーベットとプチフール
−朝食−
季節のフルーツサラダ
きんぴらゴボウと里芋
プレーンオムレツ、野菜のクリームソースとハッシュドポテト
又は
桃のクレープデニッシュ
又は
焼き鮭、卵焼き、かまぼこ、ご飯
バター、ジャム、デニッシュ、ロールパン
フルーツジュース、コーヒー、紅茶、ココア、ハーブティー
その他に「−軽食− 飛行中いつでもお召し上がり下さい。」とありました。
私は食べなかったけれど、カップラーメンが人気という話を聞いたことがあります。
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★エア・タヒチヌイ 機体はフランスのエアバス社のもの。 クラブ・ポエラヴァ(CLUB POERAVA)がビジネスクラス、モアナクラス(CLASSE MOANA)がエコノミークラス。 ’04年4月からJALとのコードシェアを開始。
★POERAVA(ポエラヴァ) タヒチ語で「黒真珠」。
★MOANA タヒチ語で「大洋」。
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タヒチのファアア空港に着いたのはまだ夜も明けないAM3:30頃でした。
タラップを降りて空港の建物へ向かうと、音楽が聴こえてきます。建物の中では歓迎の音楽が奏でられていたのです。こんな早い時間にです。
ファアア空港で
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ビジネス・クラスだったので、優先的に飛行機を降りた私達が入国審査の列に並んでいると、ビジネス・クラスの乗客の後ろにエコノミー・クラスの乗客が並び、長い列になっていました。するとどういう訳か、空港係員が列の途中の適当なところからを前に誘導し、入国審査に並ぶ列は2列になりました。
優先も何もあったものではありません。これでは何のために人より高いお金を払っているのか解りません。ですが私も、着いた早々そんな小さなことで腹を立てたくないので、笑って済ませることにしました。
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入国審査を済ませると、両替所には列が出来ていました。
タヒチの通貨は日本では殆どの銀行で扱っていないと思われ、多くの旅行者はここの両替所で両替します。私も5万円ほど両替しました。
5万円で果たして足りるのだろうか・・・とこの時は危惧していましたが、結局余りました(もちろんクレジットカードのお世話になっての話ですが)。タヒチは物価は高いですが、お金を使わなくても十分楽しめるところだったのです。
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★レート ¥1=1.2CPFくらい? 手数料427CPF引かれて41,053CPFになりました。(2004年08月現在) ちなみに物価は東京より高いと思って下さい。
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ファアア空港から国内線でボラボラ島へ向かう機内からは、夜明けの陽射しに包まれるボラボラ島を見ることが出来ました。
初めて見るその島は、とても美しかったです。
空から見たボラボラ
オテマヌ山と水上バンガローが見える
なんとコレが空から見た空港
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★ボラボラ本島とモツ ボラボラは本島の周りを珊瑚礁とモツに囲まれている。その珊瑚礁の規模と景観は稀に見る美しさである。 また、美しいラグーンに囲まれたモツにはリゾートもある。 本島からのモツ・ピクニックなどのアクティビティも人気。
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ボラボラ島の空港は本島ではなくモツにあります。田舎の飛行場か駅くらいの感じです。
ちなみにモツというのは本島の周りにある小さな島のことです。だから空港の周りは青い海です。
ボラボラの空港
既に海が見えてる空港の外
空港には各ホテルから迎えのボートやらクルーザーが来ていました。
殆どのボートはボラボラ本島のヴァイタペの港へ向かうのだと思います。
私が宿泊するホテルはホテル・ボラボラというアマン系のホテルで、ずっと私が憧れていたホテルです。ホテル・ボラボラには比較的深いところに位置する船着場があり、空港からヴァイタペへ行かなくてもホテルへ直行出来ます。
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私は迎えに来ていたボートに乗り込みました。
ボートが走り出すと、私の頭の中では、映画「太陽がいっぱい」の悲しげなメロディーが流れはじめました。旅行中何度もこのメロディーは私の胸を締め付けたのですが、何故か気付くといつも「ゴッド・ファーザー」か「シンドラーのリスト」のテーマに途中から変わっているのが謎です。
ホテル・ボラボラのボートに乗って
この日同じボートにはホテルのスタッフ2人以外に、日本からのカップルが3組乗っていました。1組は私達と同年代くらいと思われるカップルで、1組は私達より一世代かもう少し上くらいと思われるご夫婦でした。このSさんご夫婦とはバンガローが隣だったということもあり、この後とても仲良くなりました。もう1組は私とKくんです。
ホテル・ボラボラの船着場に到着
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★「太陽がいっぱい」 名優アラン・ドロン主演の不朽の名作。 ’99年にマット・デイモン主演でリメイクされた(→「リプリー」)。
★「ゴッド・ファーザー」 禁酒法時代のアメリカン・マフィア界を描いた名作。 その悲しげなテーマ曲は暴走族の暴走ラッパ音でも有名。
★「シンドラーのリスト」 ナチス・ドイツによる迫害から多くのユダヤ人を救った商人の話。スピルバーグ監督による名作。
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ホテルの船着場へ着くと冷えたシャンパンが用意されていました。
美しいラグーンの上の桟橋で、私達は乾杯しました。こんな歓迎は初めてです。
そして驚いたのはその直後すぐに部屋に案内されたことです。
私達が到着したのは朝だったので、すぐにチェックイン出来ないことは覚悟していました。こんな時間に部屋に通されるということは、到着日の前日から部屋を空けておいてくれたと言うことでしょうか。その手際の良さにいたく感動してしまいました。
また、私達が部屋で色々な説明を聞いている間に荷物を運んでくれたポーターの、控えめでさり気ない態度にも感心しました。
私達の部屋は水上バンガローです。部屋番号は126でした。端から2番目で、オテマヌ山がよく見えます。
ベッドの上に飾られているグリーンのパレオ
バスルーム
部屋のあちこちに花が
サンデッキ
デッキに出れば右手にオテマヌ山も見える
ちなみに左側はこんな感じ
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★ホテル・ボラボラ ホスピタリティに定評がある老舗の高級ホテル。 アマンリゾートが経営している。
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部屋の中には、ホテルの地図やアクティビティのスケジュール表、ジェネラル・マネージャーからの手紙と直筆のカード、それにフルーツと冷えたシャンパン、宿泊者へのプレゼントのパレオ2枚(ベッドに飾られていました)、パレオの使い方が書かれた小冊子などがありました。
ジェネラル・マネージャーからの手紙は次のようなものです。
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★パレオ 女性ばかりでなく男性も着ます。 しかし日本人の男性がカッコよく巻くのは難しいと思われる。 つーか抵抗あるんじゃないだろ〜か・・・。
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Hotel Bora Bora−Fare126”Puhi”のお客さま
Dear Mr.&Mrs.XXXXXX,
Ia Orana!
Hotel Bora Bora Amanresortsへ、ようこそ。お客さまをこの美しいビーチにお迎えできたことを、ジェネラル・マネージャーをはじめ、スタッフ一同、心より嬉しく思います。
太陽のリズムで寝起きし、自然の美しい営みを味わうために、ボラボラはとても理想的な場所です。日常を離れて、暖かい風、ラグーンの彩りを、身体と心で満喫してください。ご滞在中、わたしたちが、そのおてつだいをさせていただきます。
<中略>
それでは、わたしたちと一緒に、夢のようなヴァカンスをお過ごしください。・・・ロマンティックな夜を誘う夕陽は、毎日あなたのものです。満天の星の下、船着場に訪れる優雅なマンタ・レイもお見逃しなく。
Maeva!
Martial THEVENAZ
General Manager
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★Fare(ファレ) タヒチ語で「家」。 ハワイ語の“Hale(ハレ)”の語源か?
★Ia Orana(イアオラナ) タヒチ語で「こんにちは」の意。 ハワイ語の“Aloha”同様夜昼問わず使われる。
★Maeva(マエヴァ) タヒチ語で「ようこそ」。
★Martial THEVENAZ フランスの習慣として、姓を全部大文字で書くらしい。
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・・・ナイスです。素敵なバカンスの始まりを予感させてくれます。
成田のめちゃ混みラウンジも、飛行機の隣の座席のうるさい女性達も、いい加減な空港係員もすべて吹っ飛びました。
とりあえず荷物をほどいた私は、レストランの位置などの情報をチェックしてからホテル内の散策に出掛けました。
部屋を出た桟橋からはこの眺め
浅瀬に映る影
シュノーケルしなくても魚に会える
ビーチが目の前のスーペリアバンガロー
そのへんに果物なってるし
毎日前を通るうちに大好きになった木
“Pofai”Beach Barの前のビーチ(ってことはPofai Beachか?)
探さなくてもキレイな景色に会える
砂に開いてるカニの穴
柱が椰子の葉で飾られてるのを発見
更に遠征して、ホテルを出た先の道を渡ってテニスコートなんかがあるエリアにも行ってみました。
ホテル入り口
花も実もあるバナナの木
ねこもいた
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そうこうするうちに小腹が空いてきたのでお昼を食べに“Pofai”ビーチバーへ行きました。小腹を満たすには充分すぎる量でしたが、美味しいしビーチ目の前だし感じのいいお兄さん働いてるしで毎日通ってしまいました。
スタッフも裸足の“Pofai”Beach Bar
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★“Pofai”Beach Bar 部屋の冷蔵庫にあるミネラルウォーターが高い!!と思ったらココで「水ちょーだい」と言おう! タダでもらえるよ〜。
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空腹を満たした帰りにビーチでシュノーケル用のマスク、フィン、何て言う名前かわからないけど忍者が水に入るとき口にくわえる息継ぎ用の棒みたいなやつ、念の為にライフジャケット(殆ど使いませんでしたが)を借りました。
Kくんがライフジャケットを借りる際に「ライフガードを貸してくれ」と言ったのがややウケでした。
自称ネイティヴ・ジャパニーズ・スピーカーの面白いお兄さんが働いていて、私に子供用(18〜20cmと思われる)のフィンを出してくれました。いくらなんでもそれはちょっと・・・と思ったら、どうやら私の小さい足を見てふざけていたらしいです。真剣に履けるか試そうとしてしまいました。
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★“Pofai”Beach シュノーケルの道具などはタダで借りられる。 滞在中借りっぱなしでOK。
★18〜20cm RYOの足のサイズは21cm前後です。 ・・・大して変わらんね(T.T)
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ランチやカクテルなどの“Pofai”Beach Barの他に、ホテル内にはもう一つ“Matira”Restaurant & Barというレストランがあり、ブレックファスト、ランチ、ディナーが食べられます。
ここのレストランの近くに小さな黒猫が住み着いていて、いつも食事をねだりに来ます。すごく可愛かったのですが、魚料理などの時には膝に飛び乗って来てしまうので少し困りました。ちなみにさすがフランス領に住む猫、クロワッサンも食べてました。
“Matira”Restaurantからの眺め
そんな目で見ないで・・・可愛すぎ
結局、朝と夜は“Matira”、昼は“Pofai”というパターンで過ごしました。
ボラボラでは日本にいた時とは違い、不思議と規則正しい食生活になりました。ほぼ毎日朝は6:00か6:30に起きてゆっくりと朝食を食べ、海に入ってシュノーケルし、海から上がるとちょうどランチの頃です。ランチを食べた後はまた海に入り・・・といった感じで実に健康的です。
そんな訳でのんびり過ごした私ですが、次のページでは私がボラボラでやったことについて書こうと思います。
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★“Matira”Restaurant & Bar ディナーは曜日ごとにメニューが違ったりと飽きさせない工夫が。 デザートがめちゃうまかった〜。
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「その2 私がボラボラでやったこと。」へ続く。
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