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   その4 タヒチ、旅の終わり。

 タヒチは、ボラボラとは大分雰囲気が違います。
 まず第一に景色が違います。道は広いし車も沢山走っています。そして何より人が多いです。少なくとも、ホテルの周辺とパペーテにはそれなりに多くの人がいました。そして人が多いということは、それだけでなんだか慌しい印象を受けます。
 もちろん日本から見たら大分のんびりしていますが、ボラボラから比べるとそれでも忙しい感じがします。
 住んでいる人達の生活に匂いのようなものが、とても現実的で身近なものに感じられました。

その1
ボラボラへ。
そしてホテルボラボラとの出会い。
その2
私がボラボラでやったこと。
その3
ボラボラとの別れ、そしてタヒチへ。
その4
タヒチ、旅の終わり。
◆タヒチこぼれ話◆

 さて、私達のタヒチの第一目標、それはルロットです。ルロットで食べまくりです。その為にはまずパペーテへ向かわなくてはなりません。
 パペーテへの足はル・トラックと呼ばれる乗合バスです。旅行者も利用しますが、乗客は現地の人達が圧倒的に多かった気がします。
 泊まっているホテルを出てすぐの場所にル・トラック乗り場があったので、そこからパペーテへ向かうことにしました。ル・トラックの窓からはタヒチの色々な景色を楽しむことが出来ました。また、現地の人に混じって車に揺られていると、なんとなく現地の雰囲気を身を持って味わっているような気がして楽しい気分になります。

ル・トラック
これが道を走るル・トラック

ル・トラック運転席
ル・トラックの乗客の座席から見た運転席

ル・トラック車内
座席後部

★パペーテ
タヒチ(フレンチ・ポリネシア)の首都。
マルシェもここにある。

★ル・トラック
時刻表はない。不定期便。でもすぐ来る。
満席の場合は素通りされることがあるらしい(立ち乗り出来ない)。
夜間の利用はあまりオススメしないとガイドブックには書いてある。

 パペーテへ到着し、ルロットが始まる時間までは間があったので、とりあえず散歩がてら歩きました。お店は色々あるけど、日本やホノルルの方が買いたい物は沢山あります。ブランドのお店なんかは殆どないのではないでしょうか。私はそういう期待は初めからしていなかったので別にがっかりもしませんでしたが。
 マルシェはちょうどお終いの頃でした。客が来ても平気でお店を片付けます。仕方がないので、明日時間があればまた来ることにして、少し早いけどルロットが始まるのを待つことにしてヴァイエテ広場へ向かいました。

ヴァイエテ広場
ルロット待ち中

 絶対中華!と思っていた私とKくんは、直感でおじいちゃんのいる店に決めました。料理を待っている間、何人かの現地の人が料理を頼んでテイクアウトしていたので、直感は外れてはいなかったのかも知れません。食べ物に関しては野性の勘が働く私達です。
 私達はチャオファン(炒飯)とチャオメン(焼きそば)を頼みました。どっちも薄味で美味しかったです。量は多かったけれど、こっちにはKくんという最終兵器があるのでへっちゃらです。
 そう言えば、そのお店のおじいちゃんは私達に日本人かと聞き、私達がそうだと答えると色んな単語を並べました。トウキョウ、丸紅カンパニー、ワタナベさん(誰?)・・・。何が言いたいのかわかりませんでしたが、一生懸命何かを伝えようとしている感じがして、うんうん、知ってる知ってると私は頷きました。

ルロット厨房
厨房の風景。はやくこないかな〜o(^ー^)oワクワク

チャオファン
炒飯。Kくん、腹ペコはわかるけど写真撮る間くらいちょっと待っててくれよ〜

チャオメン
あんかけ焼きソバ

 私達はルロットのハシゴをするつもりでいたので、食べ終わるとその辺を散歩しながら他の店の流行り具合を眺めたりしていました。Kくんは、この後ステーキを食べると言っています。恐ろしい食欲です。どうやら炒飯を食べている時に厨房でステーキを焼いているのを見て、次はステーキだと決めていたようです。私は単にデザート系のものがちょっと食べたかっただけでした。
 しかし残念ながら、私達の野望は無残にも打ち砕かれました。雨が降ってきたのです。
 とりあえず屋根のあるところでしばらく雨宿りをしていましたが、どうもやみそうにありません。

ルロット
ルロットが並ぶ広場

少年
雨宿り中に横にいた男の子のタトゥー入りの肩を激写

 そう言えばSさん夫妻もルロットに行くと張り切っていました。会っちゃったりしてね〜と言っていたら、本当に会ってしまいました。雨の中を逃げるように走ってくる日本人の男女がいる・・・と思ったらSさん夫妻だったのです。
 やみそうにないから帰ることにして、タクシー乗り場を目指す途中だったとのことでした。良かったら一緒にタクシーで帰りませんか、と言うので、私達もハシゴを諦め帰ることにしました。そしてその選択は正しく、その後雨はすぐにはやみませんでした。

 翌日はお土産を買いに、カルフールという大型スーパーに出掛けてみました。物価が高いタヒチです、少しでも安くお土産を買いたい・・・というか、ただスーパーに行きたかっただけかも知れません。
 カルフールへは泊まっているビーチコンバーから歩いて行ける距離だと聞いていました。私は歩くのが好きなので、お散歩がてら出掛けました。それにしても、なんだか雲行きが怪しいです。ボラボラ島にいた時とは打って変わって、昨日は雨に降られるし、今日も朝から曇っているし、天気は今ひとつです。  カルフールは電気屋から食べ物屋まで同じフロアでちょっと驚きましたが、一番意外だったのは自転車売り場とパン売り場が並んでいたことです。素晴らしいレイアウトです。
 そして、お土産のクッキーやチョコをGETして意気揚揚と外へ出ると、雨が降っていました・・・。

カルフール
パン売り場と自転車売り場が隣だ・・・信じられん

★カルフール
タヒチ最大のスーパーマーケット。
雑貨屋、洋服屋などが入ったショッピングアーケード「モアナ・ヌイ」も敷地内に入っている。

 雨の中歩いて帰るのもどうかと思い、帰りはル・トラックでホテルへ戻りることにしました。カルフールで買ったものを一旦部屋に置き、昨日ゆっくり見ることが出来なかったマルシェへ行く為、私達はまたル・トラックでパペーテへと向かいました。
 マルシェ二階は民芸品などを扱っていますが、一周すると同じようなものが結構売られています。よく見て買った方がいいな〜と思いました。

マルシェ
マルシェ

マルシェ
上から見た売り買いの風景

マルシェの子供達
フルーツを売る子供達

 さて、マルシェを見ているうちにお昼になってしまいました。確か、ヴァイマ・ショッピングセンターにはお寿司屋さんがあったはずです。私達は行ってみることにしました。
 何もタヒチまで来て寿司を食べなくても・・・と自分でも思いますが、そこはやはり日本人、醤油味が恋しいです。
 そのお寿司屋さん(お店の名前忘れました・・・)は回転寿司だったのですが、お寿司のお皿が舟に乗って水の上を流れて行くのがなんか笑えます。よく見ると、前後の舟と糸でつながれています。
 それで、肝心のお寿司の味の方なんですが、ネタは海の近くだけあって新鮮です。が、寿司としては私はちょっと・・・。ご飯が・・・。でもここはタヒチです。贅沢は言えません。

回転寿司
舟に乗った寿司皿が目の前を流れて行く

★ヴァイマ・ショッピングセンター
大通りに面したパペーテでも目立つショッピングセンター。
免税店、ブティック、黒真珠屋さんなどが入っている。

 お寿司を食べ終わってお店を出てからも天気は回復する様子もなく、とりあえず私達はホテルに戻ってみることにしました。
 ホテルの部屋に戻って外の景色をベランダから見ると、雨は降っていないものの風が強く海が荒れています。その様子を見ているうちに、何故だか無性に外へ出たくなって来ました。私は「嵐のタヒチを写真に撮ってやる〜」と、カメラを持って外へ出ました。外にはあまり人もいないというのに、私の嵐好きにも困ったものです。さすがにKくんもついて来ません。
 強風に揺れる椰子の木や、消えてしまいそうな(実際その後見えなくなりましたが)モーレア島、暗い海を進む船・・・。当たり前のことですが、南の島にもこんな景色があるんだと実感しました。ずっと青い海ばかりを見ていて、忘れてしまっていました。

嵐のビーチコンバー
水上バンガローとモーレアの景色もこの通り

プールサイド
寂しいプールサイド

プール
バーがある人気のプールも人は一人だけ

嵐の海
モーレア島の前を船が通り過ぎる

 そうやって写真を撮っていると、強風に混じって大粒の雨が降って来ました。私はびしょぬれになる前に走って雨から逃げました。嵐で海にも入れないけど、なんとなく楽しい気分でした。

 夜、本当はもう一度ルロットへ行きたかったのですが、時間の関係でホテルのレストラン“Tiare”でディナーを食べました。クレーム・ブリュレが「グラタンかよ!!」と思わずツッコミを入れたくなるほど大きくて、3分の1しか食べられなかったのが心残りです。

 ディナーの後はもう帰る準備だけです。
 タヒチでは時間があまりなくて見るべきものを見ずに終わってしまったような気がします。もう帰るけど、本当はまだタヒチのことを何も知らないな・・・とちょっぴりセンチになりました。
 空港のラウンジで、またSさんご夫妻と一緒になりました。思えばボラボラに到着した日から毎日顔を会わせています。このご夫妻とは、お互い会った時だけであまり干渉し合わず、でも会った時は話が弾むという理想的な付き合いが出来たような気がします。つかず離れずな感じが程よくて、とても楽しかったように思います。
 「今回の旅行は、退屈を楽しんだわねぇ」とSさんの奥さんが言いました。本当にその通りでした。タヒチに来る前、ボラボラでは退屈な時間がとても素敵でした。

 Tちゃん、私の旅の話はこれで終わりです。
 ふと気付くと季節は秋で、きれいな景色の中にいた夢のような日々は既に遠い夏の日です。
 今はもう毎日忙しい時間を過ごしているけど、それでも時々ふとした時に心の中に様々な景色が鮮やかに蘇ります。短い時間、私は私をその中に旅立たせます。青いラグーンや、こぼれそうな星空。果物を売る人たちや、日に焼けてコロコロした可愛い子供たち。
 心の中にそんな景色があれば、少しぐらいのことはへっちゃらです。
 Tちゃんも忙しい日々を過ごしていると思うけれど、身体には気をつけて頑張って下さい。次に会える日を楽しみにしています。

姉より。


おわり