その2 私がボラボラでやったこと
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Tちゃん、ボラボラは美しい島です。
朝起きてデッキに出ると、決まって毎日それを実感させてくれます。
朝の景色が見たいからとか、朝の空気が美味しいからとか、この私がそんな理由で毎日早起きしてしまいます。とにかく朝は素敵です。
海の色はまだ暗く、鏡のように空を写しています。そして見ているうちにどんどんその青さを増してゆきます。
朝のデッキからの景色
どこかにうまいラーメン屋でもあるのか!?毎朝見る魚の行列(長いし・・・)
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朝のボラボラを楽しみながら“Matira”レストランで朝食を食べ(時にはその日1組目の客だったこともありました)、その後は主にシュノーケリングをしました。シュノーケリング以外ではボラボラの自然を楽しむ為のプランとして、ジープサファリとサイクリングにチャレンジしました。
他にもやりたいことはいっぱいあったのですが、ボラボラに着いてからというもの、こののんびりした島でスケジュールをいっぱいに埋めてしまう気になれなくなってしまったのです。
私は「旅でやり残したこと」を次に訪れる時のためにとっておくのもキライじゃないので「シャークフィーディング」「体験ダイビング」「カヌー・ツアー」のうちの一つか二つか或いは全部を次回(いつになるかわかりませんが)の楽しみにとっておこうと思います。
ちなみにボラボラ滞在中の私の簡単な日程は下のような感じでした。
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AM |
PM |
1日目(土) (着いた日) |
散歩したりとか |
シュノーケリング |
2日目(日) |
シュノーケリング |
シュノーケリング |
3日目(月) |
ジープサファリ |
サイクリング シュノーケリング |
4日目(火) |
シュノーケリング |
シュノーケリング |
5日目(水) (昼頃まで) |
最後に写真撮ったり (T.T) |
(もうボラボラにいな〜い) |
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★シャークフィーディング サメの餌付け。やりて〜。
★カヌー・ツアー 別にカヌーでもヨットでもなんでもいいんだけど、海側からボラボラを観るツアーに参加したい〜。すごく日焼けしそう・・・。
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シュノーケリング
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とにかくやらずにはいられなかったのがシュノーケリングです。ポファイ・ビーチでシュノーケルセットを借りてからというもの暇さえあればやってました。
ホテルボラボラの水上バンガローは、浅いラグーンに9棟とやや深いところに6棟あるのですが、私の126“puhi”という部屋は深い方でした。
ここから海に降りる
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★シュノーケリング ボラボラの陽射しはめちゃ強い! ラッシュガードの着用をオススメします。
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泳ぎに自信がなかったので初日はちょっと用心してライフ・ジャケットを着用してました。ライフ・ジャケットを着用していると潜ることが出来ませんが、そもそも着用していなくてもあまり潜れないので関係ありません。ですが、やはりちょっと邪魔な感じがして2日目からはライフ・ジャケットは使わなくなってしまいました。そんなものなくてもなんとかなるもんです。が、日本に帰って来てからニュースで見たところ、夏になるとシュノーケリング中に溺れてなくなる人が結構いるらしいです。潜った時に息継ぎ用の棒みたいなやつ(いまだに名称がわかりません。以下「J」と呼ぶことにします。カタチが似てるんで・・・)に水が入ってしまうと息が出来なくなってしまいます。そんな時に足が着く深さなら立ってしまえばいいのですが、足が着かない場合は鯨のようにぷしゅ〜っと息を吐き出してJに溜まった水を抜く必要が有ります。それが出来ない人は溺れてしまうことがあるようです。
当然私はそれが出来ると言いたいのですが、実は出来ません。肺活量が少ない(今年の健康診断で判明)せいか、溜まった水が全部出きらずに残ってしまいます。
ではそんな時どうするか。もちろん「立ち泳ぎ」です。私はコレが出来ます。と言うかフィンがないと多分出来ません。立ち泳ぎしながらJを振り回し水を抜きます。また、顔に合わないマスクにも水が溜まってしまうので立ち泳ぎしながらマスクを装着し直します。
そんな苦労をしながらも魚がいっぱいで楽しかったです。
魚がこんなに近くに・・・
バンガローの階段のあたりにもいっぱい
Kくんが魚にパンをあげるところ
浅瀬のサンゴに群れる魚
ネイビーシールズばりに水中から登場して水上バンガローを激写
海から上がってすぐにシャワー
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★泳ぎに自信がない ・・・とは言っても、プールと違って塩水なので結構ラクだよ!!
★J 息継ぎ棒?(^^; 誰かホントの名前を教えてちょーだい。
↓↓↓
「J」こそが「シュノーケル」という名称を持っていると判明。 情報提供感謝(^ー^)ノ
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それからなんとシュノーケリング中にウミガメを見ました。バンガローの目の前のちょっと深いところでです。数メートル先だったので甲羅の模様までは見えませんでしたが、その姿は青い世界の中ではっきりと確認出来ました。残念なことにその時はカメラを持っていなくて、海の中をゆっくりと進んで行くその神秘的な姿を見送るしか出来ませんでした。
私は亀の話をしたくてKくんを探しましたが近くにいません。ふと見上げると、隣のバンガローのデッキにSさん夫妻の旦那さんの方がいるのが見えます。興奮した私はSさんに、「海亀がいましたよ!」と叫びました。Sさんは急に親しげに話し掛けてきた私に少々戸惑ったようでしたが、「そう、いるんだよね」と言いました。Sさんも昨日の夜見たらしいです。
つい少し前までは、桟橋で会っても小さく「こんにちは」と言葉を交わす程度だったのに、不思議です。ボラボラの自然が、見ず知らずの人との距離を縮めるのでしょうか。その後Sさん夫妻とは何度も言葉を交わすようになりました。Sさん夫妻とはタヒチに移動してからのホテルの部屋のカテゴリまで一緒でした。考えてみると、行きの飛行機から帰りの飛行機までずっと一緒ということになります。違うのは旅行代理店だけでした。
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また、反対隣のバンガローにはフランス人と思われる十代の男の子二人と、その母親らしき女性をよく見かけたのですが、そちらの家族にも餌付け用のパンを泳いで届けたりと言葉が通じないながらも小さな交流がありました。母親と思われる女性はいつも、小さな日本人の女の子を見るような優しい目で私に微笑みかけてくれました。
父親もいるらしいのですが、おそらく別なカテゴリの部屋をもう一つ借りているのでしょう。隣のバンガローでは見かけたのは私がボラボラを去る朝の一度きりでした。
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★フランス人の母親 美しく品があって、「マダム」って感じだね。 私もレストランとかでは一応「マダム」と呼ばれたりしたんだけど・・・。
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ジープサファリ
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ボラボラでは、殆どのアクティビティやオプショナルが、なんと日曜は休みです。
そういう理由もあって、私は滞在3日目の月曜日にジープサファリツアーに参加しました。
ジープサファリはランドローバーに乗って山道を爽快に走り、高いところから海を見下ろしたりフルーツを食べたりというツアーです。
こんな感じで他のランドローバーとすれ違ったり時には一緒になったり
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同じ車には私とKくんの他に、日本人ガイドのHさん、ドライバーのCさん、それからメリディアンに宿泊していた他のお客さん5人が一緒でした。
ガイドのHさんは日本語を喋らなければそうとわからないかも知れません。「どうもどうも、日本人です」と言われて初めて日本人と気付きました。
ドライバーのCさんは、上半身タトゥーだらけのワイルドな外見とは裏腹に「サヴァ?」と聞けば「トレビア〜ン」と答える真面目なフランス人です。
私が乗った車とドライバーCさん。この写真を撮る為に土手を転げ落ちた私(T_T)
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★Cさん なんとな〜く、絵になる人でした。 Cさんの写真は実は他にもあるけど私だけの壁紙だ! (こんなの↓とか・・・)
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山道を入る前に海沿いの道路を進みます。既に景色はとてもきれいです。ガイドのHさんによると、ボラボラにはセンターラインが殆どないそうです。カーブの危険なところだけにしかないそうです。必要なところだけ、というのがタヒチアンらしくてかわいいと思いました。
車の中で私とKくんがよくハワイへ行くという話になりました。Hさんにハワイのどんなところがいいのか聞かれ、私が即答出来ずにいると、
「ボラボラがいいのと同じで、言葉では言い表せない」
とKくんが言いました。
Hさんが「それいい表現ですね、いただきです」と言いました。ガイドと言えどもあまり喋りたくない時もあるようです。
しかし「言葉では言い表せない」とはなんて便利な表現でしょう。いつもとんちんかんなことばかり言うKくんも、たまには気の利いたことをいいます。もちろん私もいただきです。
やがて山道を登り、高い所へ出て海を見下ろすと、近くで見るのとは違った海の美しさがありました。その海の色の美しさと言ったら、とても言葉では言い表せません。
深さによって色が違う海
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★「Kくんもたまには・・・」 頻度は2〜3年に1回ってとこだ。
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こんなきれいな場所で何を狙うのか大砲(答え:旧日本軍です)
高いところから見たホテルボラボラ
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★アメリカンキャノン 日本軍の真珠湾奇襲にびびったアメリカ軍が作った大砲。 結局、戦争では一度も使われなかったという幸せな歴史を持つ。
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民家がある細い道では途中で車を停めてCさんが木になっているフルーツを獲ってくれたりしました。また、垣根の間から10歳位と思われる男の子が両手にバナナを持って待っていてくれたりしました。そのバナナを持ってはにかんだ様子を写真に撮りたかったのですが、間に合いませんでした。男の子はバナナをCさんに渡すと恥ずかしそうに垣根の奥に消えてしまいました。
Cさんが登ってパパイヤ獲ってきてくれたんだけど写真が撮れなかった・・・
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アメリカン・キャノンのある山の上で、獲って来たばかりのフルーツを食べました。他の車に乗っていた外国人のグループも一緒でした。
外国人のグループの中には、陽気なスペイン人の母娘がいて、Hさんと一緒に歌ったり踊ったりして盛り上がりました。
また、日本人が、食べ終わったフルーツの皮を一箇所に集めてるのに対して、日本人以外の人たちは食べ終わる度に遠くへ皮を放り投げていました。国民性を感じながらふと車の上を見ると、私たちのグループのパパイヤが既に有りません。誰もがパパイヤがうまいと口々に言うので私も一つもらおうとした矢先です。
どうやら踊るスペイン人を見ている間に外国人の皆さんに平らげられてしまったようです。私達の方のフルーツはバナナ、パパイヤ、グレープフルーツ、パイナップルがあったのに比べて、外国人のグループの方はグレープフルーツとパイナップルしかありませんでしたから、パパイヤがうまいという話になったとたん争奪戦だったのでしょう。
こんな遠いところまで来て食べ物の争奪戦に敗れるとは悔しすぎです。この気持ちは、言葉では言い表せません(2回目)。
パパイヤ・・・
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サイクリング
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4WDでボラボラを駆け抜けた後は自分の足でボラボラを・・・という訳で、サイクリングです。ホテルで自転車を借り、とりあえずヴァイタペまで行ってみることにしました。
ホテルで借りた自転車は日本の自転車とは少々勝手が違いました。
日本の自転車はペダルを逆回転させても何ともないので、少しこいでからサドルにまたがってもOKですが、こっちの自転車はペダルを逆回転させると車輪がロックされてしまいます。ブレーキも兼ねているのか知りませんが、走行中にペダルを逆に回転させるとちょっと危険です。知っててやる分にはスピードが落とせていいのかも知れませんが・・・。
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★ヴァイタペ ボラボラで一番大きな村。
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サイクリング中の景色(山側)
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手前に植わっている木はマングローブ。なんで?
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★マングローブ 海岸や河口なんかに植わっている映像なんかをよく見るけど、よ〜く考えたらナマで見るのは初めてだったりする。
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ヴァイタペに着きました。ゆっくり無理せず走ること20分ってとこでしょうか?思ったより楽に到着出来ました。
ヴァイタペには港があるので、マウイのラハイナをもうちょっと田舎にしたようなイメージかな、と思っていましたが、想像以上に田舎でした。
私は何か「ボラボラで買った」と言えるものが欲しかったので、パレオを一枚買いました。
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★マウイのラハイナ ハワイのマウイ島にあるい〜感じの港町。
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ヴァイタペ・インフォメーション。人が一人と犬が二匹
かわいいボラボラ・マップ
ヴァイタペの街の景色
家族(?)でフルーツを売っている
釣れたカツオを売っているところ・・・らしい
椰子の木は何故か海に向かって伸びるよね?気持ちいい帰り道
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サンセット
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シュノーケリング以外で私が毎日必ずしたのが「サンセットを眺める」ということでした。
シュノーケリングの後、シャワーを浴びてからディナーまでの時間は必ずデッキに出て空と海を眺めました。ふと気付くと、隣のバンガローのフランス人の少年も、反対隣のSさんもデッキでただ静かに海を見ています。
そんな時世界はとても静かで、神聖なものに思えます。世界中の誰もが息を潜め、日没の儀式を見守っているような、そんな錯覚に陥ります。
ボラボラの静かで美しすぎるサンセットが毎日与えてくれた感覚でした。
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夕暮れ間近の水上バンガロー
ちょうど日が沈む頃、目の前を通り過ぎるカヌー
やがて空は夕闇に包まれてしまう
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カクテル・パーティー
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毎週火曜日の夜、ホテル・ボラボラではカクテル・パーティーが開かれます。ちょうどサンセットの頃、場所はビーチです。私とKくんも、当然そのパーティーに出席して、その後そのままディナーに行こうということになりました。
明るいうちに着いたパーティー会場のビーチにはまだ人は疎らでしたが、いつもはレストランで演奏しているバンドが既にタヒチアンを奏でていました。
このバンドは家族なのでしょうか?おばさん二人と子供二人(男の子、女の子)の素朴な雰囲気です。時々聴こえる子供の歌声が可愛らしく、目が合うとニコッと笑います。
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音楽を奏でるファミリー(?)
やがて暗くなるにつれて人が多くなってきました。
私とKくんもカクテルをもらいに行き、ビーチの砂の上のカヌーに腰掛けてボラボラの暮れてゆく景色を楽しみました。
ふと見ると、隣のバンガローのSさん夫妻がいます。軽く会釈すると、奥さんの方が親しげな笑顔で私たちの方に来て、「カメラ持ってきてるみたいだから写真をとってあげる」と言ってくれました。二人で一緒に撮った写真があまりなかったので、有り難く撮ってもらうことにしました。
Sさんの奥さんはとてもチャーミングな人でした。レストランで時々見掛けるとキチンとおしゃれをしているし、そのおしゃれも気合の入りすぎたものではなくてリゾートにピッタリでした。
バンガローでは旦那さんを「××ちゃん」と名前で呼んでいるのが時々聴こえてきたりして、大人なのにどこか可愛らしい感じです。大人の女性の外見をしたいたずらっこみたいなところがあります。
お腹がすくまでの少しの間、私達とSさん夫妻はシュノーケリングのことなどの話をしました。旦那さんは背中が日焼けとアレルギーでひどいことになってしまったらしく、私とKくんが着ていたラッシュガードがとても羨ましかったらしいです。次にビーチリゾートへ行く時は必ず買って持って行く、と言っていました。
日が落ちる頃には沢山の宿泊客が
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マンタ
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ディナーの後、大抵は夜の8:00〜9:00、毎晩欠かさず船着場へと向かいました。桟橋の下の海中で灯されるライトにはプランクトンが集まっていて、マンタはそれを食べにやって来ているのです。
一匹の時もあれば三匹の時もありました。また、いなくなったと思ってもすぐに戻って来ます。ライトの前を大きな口を開けてぐるぐる回る姿はなかなか迫力があり、いつも数人の観客が海を見下ろしていました。
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マンタを見てしまうと、あとは部屋に帰って眠るだけです。毎日をそんな風に過ごすと、一日はとても退屈でとても長いです。
でも、その時間の長さや退屈は決して持て余すようなものではなく、ただ贅沢でした。日本では時間に追われる毎日でしたが、ボラボラでは「時間」というものは決して人を追い立てるようなものではなく、ただ淡々と流れ続けて行くだけのものでした。
同じ長さの一日なのに、不思議ですね。
こうやって過ぎて行く時間の長さが、本当は正しいのかも知れません。ボラボラを離れ、日本に戻ってからも、「時間」というものの愛おしさを忘れないようにしようと思いました。
たとえ何処にいても、刻一刻と変わる日の傾きや風の温度、そういうものにいつも心を奪われていたいのです。
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「その3 ボラボラとの別れ、そしてタヒチへ。」へ続く。
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