野ざらし紀行

 やまとより山城を経て 近江路に入て美濃に至る  います ・山中を過て いにしへ常磐の塚有  伊勢の守武が云ける よし朝殿に似たる秋風とは いづれの所か似たりけん  我も又

  義朝の心に似たり秋の風 

 不破 

  秋風や藪も畠も不破の関 

大垣に泊りける夜は 木因が家をあるじとす  武蔵野を出る時 野ざらしを心におもひて旅立ければ 

  死にもせぬ旅寝の果よ秋の暮



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