盲人文化史年表

上に戻る


◆はじめに
  これまで、たまに見えない人たちの歴史などについて話そうとするときに、自分自身が意外に実例を挙げて具体的に話すことができないということが何回かありました。そういう時に役立てばと思い、1年ほど前からこのようなデータ集を作り始めています。
  明確な選択基準もなく、私の関心のままに集めていますし、また調べがついていないものも多数あって、まだまだ不完全なデータです。それでも、一般にはあまり知られていない事柄も多くふくまれていますし、公開することで、広く皆さんの参考にしていただければと思います。

 タイトルの「盲人文化」という、ちょっと時代錯誤的とも思われかねない言葉について簡単に説明しておきます。
  〈見えないこと〉にたいする把え方・対処の仕方として、大きく分けて次の2タイプがあるように思います。
  ひとつは、〈見えないこと〉は〈障害〉であり、その障害からもたらされるとされる様々な〈できないこと」は、本当は主に〈社会の仕組〉に依存していることであり、したがってそういう社会の仕組・環境を変えて行けば、障害者も普通に暮らせるようになるというものです。このような把え方は、現在メインの流れとなっているものです。
  もうひとつは、〈見えないこと〉に何らかの〈意味〉を求め、あるいは〈見えない人〉に何らかの〈特別な能力・世界〉が期待され、見えない人たち独自の生き方・文化を模索するような流れです。このような流れは、歴史を振り返ってみると、悲惨とも言える見えない人たちの歴史の中にしばしばある種輝きをもって見え隠れしているように思います。とくに日本では、宗教(いたこなど)、芸能・娯楽(琵琶・箏・三味線、瞽女など)、医療・癒し(按摩・鍼灸)の分野で、見えない人たちを担い手とする文化伝統がありました。
  今日、社会の仕組の変更や人々の意識の変化によって、また障害を緩和するような多くの技術的進歩ともあいまって、障害からもたらされるとされてきた様々な不自由・無能力は改善され、社会の各分野で障害者も活躍しやすくなってきたことは確かです。一部には「障害は個性」と考える人たちもいるようです。しかし私は、最初から見えないなど、少なくとも感覚系の重大な機能喪失の場合は、障害を個性に還元できないような何かがやはり残るのではと思っています。それは、盲・聾などの障害では、感覚系によってとらえられる環境=〈世界〉が違うからです。世界が違えば、当然表現する方法も異なっていいはずですし、また世界の中での自分の位置付けの仕方(=アイデンティティ)も独特なものになるでしょう。このような場合、障害は、ひとつの〈文化〉と呼べるようなものを形成させる方向にはたらくことが大いにあり得ます。
  このような視点で私はタイトルに「盲人文化」という言葉を使い、またそれを念頭にデータを集めようとしました。結果としては、このデータ集はかならずしも意図通りにはなっていませんが、一部にでも私の視点をくみ取っていただければ幸いです。

  なお、目次の最後に、検索にも便利なように、年表の全文を掲載することにしました。


◆目次
15世紀まで
16世紀
17世紀
18世紀
19世紀前半
19世紀後半
20世紀前半
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年以降

全文

◆主な参考文献と参考URL
 『世界盲人百科事典』1972年、世界盲人百科事典編集委員会編、社会福祉法人日本ライトハウス
 『盲教育史研究序説』1972年、加藤康昭著、東峰書房
 『盲人の歴史』谷合侑著、明石書店、1996
 『日本盲人社会史研究』 加藤康昭著、未来社、1974
 『わが国特殊教育の成立』 改訂新版)中野善達・加藤康昭共著、東峰書房、1991
 『視覚障害教育の歴史・現状・課題―職業教育・進路保障と地域支援の充実を願って―』久松寅幸編著、社会福祉法人岡山ライトハウス、2012
 『日本の点字100年の歩み』1990年、執筆者:阿佐 博、発行:日本点字制定100周年記念事業実行委員会
 『道ひとすじ――昭和を生きた盲人たち』1993年、 <道ひとすじ−昭和を生きた盲人たち>編集委員会、あずさ書店
 『激動の80年――視覚障害者の歩んだ道程』 2002年、毎日新聞社点字毎日
 『先達に学び業績を知る〜視覚障害先覚者の足跡〜』 2009、視覚障害支援総合センター
 「知られざる伊人」 2002年3月より「点字ジャーナル」に連載、指田忠司
 『点字の履歴書――点字に関する12章』阿佐博、視覚障害者支援総合センター、2012
共用品推進機構
  ユニバーサロン - 毎日jp(毎日新聞):
  A Chronological survey of work for the blind

(2004年5月12日第1版、 2004年7月21日第2版、 2004年12月30日第3版、2005年9月1日第4版、2006年3月1日第5版、2006年12月20日第6版、2007年3月31日第7版、2007年9月3日第8版、2008年1月12日第9版、2009年3月2日第10版、2010年1月10日第11版、2010年3月23日第12版、2010年12月31日第13版、2011年2月1日第14版、2011年3月31日第15版、2012年1月15日第16版、2013年1月1日第17版、2013年12月8日第18版、2014年6月15日第19版、2015年1月4日第20版、2016年1月6日第21版)