いろんな事情

<病気事情>


<病気事情・ミルのカルテから>
これは、飼育本や、専門的なことよりも、ミルが実際に患った事による経験からのお話を書こうと思います。
発症の発見から、治療の経過を追っての報告です。お陰様で、ミルは大きな病気もなくすくすく育ってくれました。
そして、飼い主に教えるかのように、病気とは言えない小さな事で、悩ませてくれます。
だからこそ、これは、
「元気な我が子」と、暮らしている方に、是非読んでいただけたらと思います。


ミルのカルテ2:避妊への決断

はじめに

ミルを迎える時には、♀なのか♂なのか、ちょっとドキドキしました。
もう決まってからのことでしたから、どちらでも構わなかったのですが、もし♂だったら、迷わず去勢していたと思います。
部屋の中で、スプレーされることは、当時、想像しただけで「それだけはご勘弁!」(^^;;  
室内飼いのペットを持つ知り合いは、皆そうしているし、私にとっても当たり前のこととして、考えていました(当時、うさ友はゼロ)。
ミルが、女の子とわかった時は、「手術をしなくて済むんだわ」と、とても安心したんです。
そんな、あっさり「去勢」を考えていた私が、
なぜ、避妊にこうも抵抗的で、受け入れられなかったのか、
なのに、なぜ決行することにしたのか、
正直な気持ちを綴っておきたいと思います。
まよわず、去勢・避妊をされる方もいるでしょうし、すごく悩んでしまう方もいるでしょう。
そしてまた、その理由も選択も十人十色。私のような、矛盾だらけの気持ちの方もいるでしょうか?
何の参考にもならないかもしれませんが、
ラン子&ミルの辿った経過と、心境の変化を残しておきます。


避妊が“他人事”だった頃ミルをお迎えした当初
 「うちの仔は、去勢してあるの」「避妊したの」というお話を聞いても、「そうなんですか(^^)」と、何の気なしに聞いていた私。それぞれ、理由があるだろうし、それについて、どうこう思うことは何もありませんでした。
去勢については、「スプレー行動の回避」と思っていたし、避妊については、「繁殖の回避」と思っていたし・・   第一、理由まで気になどしなかった(^^;;まして、飼い主の心情など・・・・・・・・・
うちは、ミルちゃんだけだから、わんさか子供が出来ちゃう心配はないし、出来れば、一度くらい嫁に出したい気分だったので、「避妊」と言う問題は、全くの無関係。

ところが、一羽飼いで、病気でもなんでもないのに、避妊している兎が多いことを知ります。
しかも、それが将来病気の予防のためと知ります。ネット情報・雑誌情報を通じて、♀うさぎは、子宮の病気が多いことを学びます。それでも、私にとって、「だから手術をする」理由にはなりませんでした。
偽妊娠の兆候らしきも時々あって、その抜いた毛にビックリさせられたりしたけど、これは病気じゃないって、本に書いてあったモン!
私には、理屈じゃなくって
理由がないのです。ただそれだけ・・・
「やる」とか、「やらない」とか、悩んで決めることとも思っていなかった頃・・・・・
毎日生まれたまんまの五体満足で、ミルは今日もフル回転(^^)
  

ちょびっと“避妊”を考える(01/10 ミル一歳8ヶ月)初めて飼いうさぎ達に会う
初めてうさぎのオフに参加したときのこと。
ミルには初めての経験で、興奮と緊張の中、あまりうさぎ仲間にとけ込めませんでした。
そして、他に理由がもう一つ。
避妊していないミルは、迂闊に♂うさぎと一緒には出来ません。「コト」が起こってからでは大変(^^;;
なるほど、こーゆー事もあるのか・・・  避妊している?と聞くのには、訳があったのね・・・ 
当たり前ながら、いつでもどこでもOKのうさぴ達だから、すぐそーゆー「コト」が起こるのだぁ・・ (^^;;
初オフから帰ってきてからも、興奮覚めやらず・・なのか、しばらくはとてもおどおどしていて、見ていても可哀相でした。「ごめんね、よく頑張ったね」と、何度言ったことでしょうか・・・

“避妊”しとくとやっぱり良いのかなぁ・・ セーカクも穏やかになるってゆーし・・・・・

はじめて、よそ様のうさぎさん達に触れ、その個体の違いにもいろいろ考えてしまいました・・・が・・
いかん!!オフのために避妊するなんてそーんな飼い主本意なこと、いかん!いかん!!
そんな気持ちはスッキリ過ぎ去り、相も変わらず避妊は無関係。ミルも元気にフル回転(^^)

乳腺の異常(01/11/16ミル一歳9ヶ月)専門医の意見
ミルの胸がふっくらと女の子らしくなっている(^^)
と、のんきな日記を書いた私。( 01/11/16ママ日記参照)
それが、「普通」ではないことを、うさ友に教えてもらう。あらららら・・・
んじゃ、病院へでも行ってくっか〜(^^;;

偽妊娠は、時として、乳も出ると本にあったので、これもその影響?
だったら、あんまり慌てて病院なんかへすっ飛んでは行かなかったと思いますが、少し前に「臼歯の異常」を指摘されていたミル。これに結構動揺していた矢先だったので、すべてをひっくるめての「うさぎチェック」を求め、「うさぎ専門」病院のドアをくぐり・・・ そして葛藤が始まる・・・・

先生のお話によれば、これは、「
ホルモンの異常・エストロジェンの過剰分泌」と言う診断。
話は当然のように「避妊へのススメ」に流れていきます。
ミルの場合は、明らかに
子宮卵巣疾患にかかりやすい体質と言うことだそうで、
「まぁ、今病気というわけではないから、心配の種が増やされただけね」と言われました。

避妊のススメ冬を迎える前
ナゼ、うさぎは避妊した方が良いのでしょうか?

獣医さんの話によれば、「飼いうさぎは子宮疾患にかかりやすい」からとのことです。
一年中発情期。偽妊娠を繰り返し生殖器官も疲れるのかもしれません。
寿命を迎えたうさぎを調べてみると、殆どが子宮に何らかのトラブルを持っているとか・・
そして、「何かの兆候」を見つけた上での「子宮・卵巣摘出」は、その子宮に少なからずの異常を見ることが多いそうです。また、高齢のうさぎも同じく・・・
うさぎの「3歳」は、一つの目安。それを過ぎると、子宮疾患を持つ確率がぐんと上がると言うこと。また、3歳過ぎのうさぎは、体力の衰えが目立ち、術後の回復にも差が大きいこと。一歳未満で避妊を考えるなら、卵巣だけで充分ですが、3歳以上、または、ミルのように「何らかの兆候」がある場合は、子宮・卵巣共切除することが望ましい選択です。
つまり、やるならちゃっちゃと、とっとと、やっちゃった方が、誰でもない、我が子のために一番いいのです。
「やるなら!」です。それが決められない・・・・
やるのなら、悩んで過ぎていく時間がもどかしい・・・ 決断するまで、時間よとまれ・・・・

わかってるんだな〜 わかってるのよーーーぉ そんなこと・・・  ねぇ・・・・・
だから、悩んでいる時間が余計に重苦しくのしかかってくるのです・・・・・・・・・

ミルのようなホルモン過剰分泌だけの状態ならば、たとえば、出産と共に、落ち着くとかってコトはないだろうか・・?
しかし、もうすぐ2歳を迎えようとしているミルは、初産には高齢過ぎて、「(妊娠)させないほうがいいです!」と、バッサリ・・(^^;;

さぁ、どうする・・・ 季節は寒い冬に向かっているし、とりあえず春を待つ。
こんなコトは、雪解けするまで眠らせてしまおう・・・・・・・

年が明けて・・・(02/02/09ミル二歳)素直になれない葛藤
ミルが二歳を迎えました。
この問題については、今年中には自分の中で決めなければならない(うん!)
やるなら早めに・・・ やらないのなら「後悔しない。もう迷わない。」ということを・・・(そう!)

病院へ行っても、避けたい話題に自分からは何も切り出せないのに、またもや獣医さんからは勧められる・・
「是非お勧めします」
苦しい・・・ 何が苦しいって、こんなに勧められて、ましてミルには「病気になりやすい体質」がすでに指摘されていて、それでも「避妊をする気になれない」ことが、苦しくて仕方ない・・(なんでだろう?)
まーさか、こうして迷い続けるつもり?どっちかに決めなよ!(そーだ、そーだ)
なぜ、しないの?すればいいのに・・・(そーだよ)
「理由」がないの・・ ラン子の中に、それを必要とする理由が見つからない・・・(なんで?)
理由もなく、手術をすることにこの上ない不安と、罪の意識が襲う・・ (だから、なんでよ?)
女の子にとって、子宮ってすごく大切なモノだし・・ (雄だったら、すぐ去勢しよーと思ってたくせに)
「可能性」だけで、実行する気にはなれない(それもそーだ・・・)
麻酔して、お腹切るだけの価値がある?(少なくとも、子宮の病気で手術することからは逃れられる)
病気は一生しないかもしれないし、他の病気になるかもしれない(おっしゃる通り・・)
ミルは、他のうさぎに比べたら、愛想もないかもしれないし、我が儘かもしれないし、可愛くないかもしれないけど、ラン子とミルは、今のままでそれなり幸せに暮らしている・・・(ごもっとも))

背中合わせのラン子が二人・・・・・堂々巡りを繰り返し・・・・・・・

ホントの理由
ちょっと、冷静になって、考えてみる。
ナゼ、こんなに悩むのか、そのホントの理由は何か・・・・
一つには、避妊など考えていなかったのに、

まわりからじわじわと「避妊をしましょう」と追いつめられる
こと。
そして、その
「避妊のススメ」の理由一つ一つに、「でも・・(^^;;;;;」があること・・・

子宮疾患になりやすい、ったって、
ならないかもしれない。病気になってからでも遅くない。予防的にする気にはなれない。

ホントは、この「予防」が大切で、病気になってからじゃ遅いんだけどね(^^)
だけど、体にメスを入れてまでする事を「予防」と呼ぶのにはちょっと・・・・・・

死亡したうさぎの殆どに子宮の病変が見られる、からって、
高齢になれば、当然あり得ること。他の臓器もまたしかり

そして、その未来に待っているモノが「運命」であり、「寿命」なのではないのでしょうか・・・・・
避妊手術後は、性格が穏やかになることが多い・・・ って、 そりゃ、
そうなってくれれば嬉しいけど、手術するほど困ってるわけじゃないし。
3歳までに施行することがBEST。3歳過ぎると術後の経過の差が歴然。
うぇぇ〜〜〜ん!!(><) これがますます追いつめる・・・


そして・・・・
わかった・・・ ラン子は、術後のミルの看病に、とてつもない不安がある・・・・
ミルが、病気になる・入院する・手術する・・・・それだけで、私たちの抱えるリスクは高い。
術後、エリザベスカラーを付けているレポを見ました。ゴハンも、食糞も、水さえもまともに口に出来ないうさぎ・・ カラーに八つ当たりして、傷を負うからだ・・ しかも・・・
ミルが、順調な経過を辿らなかったら・・・ 何かあったら、どうしよう・・・・

どんなに仕事に疲れても、睡眠時間を削ってもミルの世話をする。
どんなに苦しくてつらくても、ラン子が帰ってくるまで頑張って絶えること。

これが、ミル&ラン子の二人三脚の条件。いつもお互いこれで頑張る!
開腹手術?入院?このハードルはクリアできるのか?
しかも、無くてもいいかもしれない幻のハードルなのに・・・
そして、やるにしてもやらないにしても、
自分が「楽」を求めているようで、ヒトに言えない罪悪感が消えない・・・
だったら、ミルが痛い思いをする「手術」になんて転べない!
踏み切れないホントの理由をここに見つける・・・・
それでも、決断できずに悩む苦しみはピークに達しようとしていた・・ 
 

きっかけ(2000/2月末 ミル二歳)うさ友への思い
春という季節はホントに短い
ずっと冬の寒さから抜け出せず、やっと暖かくなってきたかと思う頃にはもう梅雨になり・・・ 
そして蒸し暑い夏に突入していく・・・
やるなら、季節は春か秋・・  
3月に入り、とてもいい季候が続く。手術させるには、今はいい季節だなぁ・・
今年は夏が、梅雨が、早く訪れそうだ・・
どうしよう・・ 
このままやらないと決めたとしても、病院へ行く度にこの話をしなければいけないのか・・
そして、もし、病気になったら、それは、私のせいだったのか・・・
「これが運命」と受け入れることが出来ず、「あの時避妊をしていれば」と一生自分を責めるのか・・・
もし、手術がうまくいかなかったら・・・・  そんな、悪いことばかりを考えあぐねる毎日・・・・・
苦しい気持ちがピークに達する。
やってしまおうか・・・やっぱり、思い切って手術を受けようか・・・
あぁ・・でも、いつにしよう・・ 春はまだもう少しある・・・・ もちっと先延ばしでも・・・
そんな時・・

4月末日オフするよ〜〜(^^)

ミルの友達のお陰で、私もとても楽しみにしているうさぎオフ。絶対ミルと参加したい!!
4月末??たいへん!手術するなら、早くしないと参加できなくなっちゃう(T.T)
えーーーーーぇ、どうしよう。5月になっても、気が変わらずにいられるかしら・・・
やけに暑くて、「秋になったら考えよっ」ってなことになりそうだしーーぃ・・・ 
そしたら、また気持ちをここまで追いつめられるかわからないし・・・ 
「やらない!」コトに決められないのだったら、ああ・・ 飛び込むなら今しかないかも!!!

こんなに悩み続けていたことが、これが「きっかけ」となり、予約の電話を入れる決心がつきました。
きっかけは、こんな単純で、飼い主本意。ミルのお陰で知り合えた方々と、年に何度も会える機会はありません。ミルを連れていきたかったのです。
予約の電話も、3回目にしてやっと決定いたしました。>トコトン往生際の悪いヤツ(-。-;)
どんなことでも、タイミングと勢いが大事!とにかく決めることが出来て良かったよ〜〜(;_;)
と思いながら、気持ちは苦しみのピークのまま、なかなか開放されません。
それでも、このままつっぱしれーーーーーぇ!!振り向くな!考えるな!!

き、決めちゃった・・ やることにしちゃった・・ ホントに手術するんだじょーーー げげーーーぇ

キャンセル間に合うぞーーーーっ・・・ まだ間に合うぞぉーーーーっ!
と、当日まで葛藤は続いていました(内緒で)(^.^;)・・・・・・どーして、カラッっとしないのよ?(^◇^;)


さんてんいちろく計画手術から抜糸まで




Introduction