なんで東京なのか。簡単です、茨城では車が運転できなきゃ自分で動けません(笑)。茨城でも自由気ままに生活してたんす。 「電気代がもったいないよ」とおふくろに言われながらも続けた昼夜逆転の生活、飲み明かした日々、徹夜して大学へとか、 マイペースすぎる人で・・・(爆笑)。でも車の移動は誰か一人にすべてお願いするしかありません。 通勤にしても遊びにしてもそうなんですから。簡単に免許が取れる障害の程度でもないですし。まっいちおう 東京生まれの田舎者ですから昔から憧れはあったんですが、電車で行動するようになるとますます強くなりました。 就職活動も東京でして運よく見つかった(もう早々とやめたんすけど(汗))ので、念願の東京暮らしに・・・。
春から新生活を始めるんですが、部屋探しは前年(2000年)の10月から、インターネット上の不動産屋に 部屋の条件を書いたメールを出すことから始めました。前提としては「会社に通えて自立生活センター(介助者を 派遣して障害者の生活を援助する団体)がある地域」があるので、かなり絞られました。その上で 部屋の条件としては、
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と不動産屋からみるとかなり難しかったらしいんす。メールを出した不動産屋だけでも
10件近くで、中には「障害者が住める物件はありません。都営住宅の方をあたったほうがよろしいでは」との返事を
丁寧に送ってきたところもありました(都営住宅は都に3年住んでいることが入居の条件なんすけど(爆笑))。間取りをみると普通の人が一人暮らしすればかなり贅沢ですよね。
それはわかっていますけど、車椅子の障害者が暮らすには結構スペースがいるんすよ、24時間介助者がいなくても。24時間介助者が
必要なら介助者が仮眠するスペースが必要なんだそうですが、24時間いらない人は逆に一人である程度できるものの配置に
しなければなりません。室内で車椅子を使用するにしても、車椅子から降りるにしても、車椅子のスペースが必要だし、
手が届く範囲が狭いために、背の高いタンス・本棚・縦型のパソコンデスクは使えません。
論文の仮提出の後12月から実際に、大学時代の友達やおふくろに付き添ってもらい東京の不動産屋(正しくは不動産仲介業社)まわりをしました。
不動産屋で物件の情報の束から駅までの距離と間取りと家賃をチェックし、みつかれば家主に不動産屋が
電話し障害者が物件を気に入ったが入居して改造してもいいか聞く。そこで「障害者お断り」と言えば「終了」だし、
運よく許可がおりても、実際に物件を見に行くと電動車椅子でも乗り越えられない段差があったりして、なかなか
みつからなかったっす。あっそういえば、部屋探しの日の昼食はバリアフリーの店がなくて、いつもマクドナルドで友達に
買ってきてもらったものを外で食べていた記憶があるんす(爆笑)。
不動産屋を5,6件まわってもみつからなかった年の暮れ、ある大手不動産仲介業社のサイトで
「築年月2018年8月」という面白い(爆笑)、写真から見ても古い物件をみつけました。古いのバレバレで、日当たりが
少し悪そうなんすけど、間取りも家賃もいいし(というか相場より安い)、押し入れがあっていいじゃん。駄目元で仲介業者にFAXし、説明したという
ところで仕事収め。年始にもう一回FAXの交換をして、大家さんの立ち会いの下物件を見ることになりました。
行ったら物件が大家さんの住む敷地内で、飛び出して人や車に当たることもなく、安全なんす。古くても
水回りがきれいで、逆に古いからこそ玄関のたたきや押し入れが大きくて、しかもパソコンが置けるような床の間まで
あるし。「この物件はRayを呼んでいる」としか思えなかったんすもん(爆笑)。大家さんは「改造していいんですが、
障害者一人で住ませるのには心配」とおっしゃってたんすが、ホームヘルパーなどが来ることや弟が都内にいることを
言い、仲介業社の社員のおにーさんにまで説得してもらいました。同時期に別の仲介業社から古いマンションを見せて
もらう約束をしていたんすが、私は「呼んでいる」と思い込んでしまったし、「マンションは地震の時エレベータが使えないからここにしたら」とおふくろも
物件を見るまでとは180度違うことを言い出したんで、マンションを見ることさえも断わり、契約したんす。
契約した直後に住民票を移して、次は改造の手続きへ。改造のことを相談にのっていただいたのは、
自立生活センターで紹介してもらった2級建築士の方でした。私もインターネット福祉機器情報サービスで、
自分に合う住宅改造の福祉機器を探しましたが、建物のことはわかりませんし、玄関前の段差・壁のスイッチの高さなどは
「改造しなくてもなんとかできる」と思っていたんす。でも「この建物は土壁なんでじかにてすりはつけられないから、柱の間に
板をわたしてつけたり、風呂場は深くボルトを埋めてつけますね」とか、「毎日のことだから快適なほうがいいですよ」と
提案していただきました。それに業者さんともうまく連携していただきましたので、とてもありがたかったです。
一番難関たったのは部屋探しでなく、役所の障害者福祉課ですね。よそから来た障害者と福祉はど素人の建築士に、
「リフトを使って一人でお風呂に入れないなら申請できません」とか、「雨よけは助成対象外ですから」とか、
「年度をまたぐので支払いは来年度にします」とかごねて、なかなか前に進みませんでした。結局申請は助成内では受理されたんすけど(爆笑)、それなら
もう少しさー・・・。4月になっても業者さんが家に来てました、はい。
というわけで、いろいろありましたがすごく満足してます。パソコンとこたつが自分の前と後ろにあるし、
お風呂に介助者の負担もあまりかけずに毎日入れるし、何より街に一人で飛び出せるんすから。
ちなみに、私は手の障害が重く自分で食事したり、衣服のボタンをかけたり、ましてはカギを鍵穴に入れて回すということはできません。
しかし室内では四つん這いになって歩くので敷居の段差は問題ないし、床に手をついて立ち上がるとか、てすりにつかまって
立つことはできます。どちらかというと下肢障害が軽い人には参考になるんじゃないかと・・・。
(下の間取り図はクリッカブルマップになっています)