初日を皆、心待ちにする砂丘にて |
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空が明るくなり 太陽が現れる兆しが見えた 複数のカップル達は、寄り添い 底冷えする体を温め合う しんしん じんじんと 寒さが体を覆い尽くす前に と願う こんなにも長い、 時が経つのが。 空は、ますます朱を帯びて 皆の期待が膨らんできても 山の向こうでは、もう日は昇り 地を温めているだろうに 焦らされれば焦らされるほど 大きく感動することを 期待しつつ ただ待つ 沈黙 目は、ひたすら凝視する ああ、おお 射すように 私達の目に飛び込んできた 細く鋭い一本の光の線は メッセージを与えるかのよう 両手を合わせ、作った拳に力が入る 眼は開いたまま祈る 山間(やまあい)からすっかり顔を出した太陽に 人々は興ざめたように我に返り 太陽に背を向け帰途に着く ぞろぞろ ぞろぞろ こんなにも人が出ていたのかと驚きながら |
2006年1月20日 ヒメパセリ
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