木の葉は
落ちたい時に落ちるのだろうか
落ちたくないのに 落ちざるを得なくて
落ちるのだろうか
どうしてもやってくる 落ち葉の季節
枝から力尽きて落ちる葉が
地面を埋め尽くす
私は 暖かな色した落ち葉のジュータンを
踏みしめながら歩いていく
まだ葉たちのささやきが聞こえるような
茹で上がった卵のように
できたてほやほやのジュータンに
勿体ないと思いつつ 足を踏み入れていく
ああ、落ち葉たちよ
お前たちは 幸せだったのか
この世で生を全うできたのか
落ちることは幸せだったのか
そして 果たして私は
いつ落ちていったらいいのだろう
と、考える
まだまだ全うすべき命があろうと、
落ち葉たちが ざわめく
強風にあおられても豪雨にたたれても
落ちぬのは
まだまだ私には使命があるからなのだろう
ああ、落ち葉よ
お前たちは なんと温かい
私の内側を温め、目から液体を流れさす
少しお前たちの中にうずくまって
心と身体を休めても良いだろうか
ああ、落ち葉に埋もれながら
広大な空と一体化したい私だ
|