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蝉

「人間の旬」

 これを書き始めた今、台風十一号がこの地の南約百五十キロメートルのあたりをこちらに進んでいる。いや、正確には、もう直撃は免れたという状態に近いのだが、すぐそこの手の届きそうな海上を通って行きそうな気配だ。近所の橋を車で渡ってきたばかりだが、雨が東から真横に飛んでいた。八月下旬のこの台風、恒例の季節行事が遂行されつつあることは、季節が季節らしくて嬉しい限りだ。畑の被害も予想されるが、この台風が真夏に引導を渡してくれるのなら、多少の被害も甘んじて受けよう。

 この頃は、風の中に、秋の気配を感じ取ることができてはいても、湿度が高くて微風すら感じない夜が続き、体の疲れが取りきれない状態であった。夏の暑さに辟易している、というのが正直なところだ。この海辺の亜熱帯に近い畑では、八月の時期尚早の秋の準備は徒労に終わることが多い。だから、秋作の野菜の種を苗床に播くことはあっても、畑の準備は無理して行わないようにしている。こんな暑さの中で無理をすれば、例外なく体の負担になるし、露地での虫の発生率はきわめて高くなるからである。畑の草だけは、フレールモアで何度も刈り込んで、畝上堆肥化に近い状態ではあるが、耕耘はしていない。今日のような台風が来たときに、耕してあると、台風が去ったあとに、しばらく畑に入れないような状態になってしまうのだ。耕さないで時を待つのが最良であり、痛い目に何度も遭遇してきた経験という資本が物申しているのである。そうなんだ、からだばかりが資本ではない。経験も立派な資本の一つだ。

 白菜の種播きは、ここでは九月の五日を待たなければいけない。大根はさらに遅くする。もちろん、年によっては早く種を播いても収獲にこぎつける場合もある。徒労という博打をするならばそれもいいが、もうそんな余力を爆発させる気はない。亜熱帯に近づいてきた気候だから、作業の前倒しは博打なのである。アブラナ科であれば、九月の二十五日まで播種を遅くすればするほど、徒労に終わらない確率を高くできるようになった。それは、十月になっても暑い日が続くことで、十月の一ヶ月間にどれだけ根と葉を伸ばせるか、そこがポイントになってきたということでもある。ただし、無農薬有機栽培に限ったことであるのは、言うまでもないことだ。

 秋風の色が濃くなればなるほどに、野菜を育てやすくなる。虫は少なくなるし、野菜の苗がその根や葉を伸ばす速さも驚くべき速さになる。その頃には、人間のほうも体が自然と動くようになる。それが旬というものであろう。言ってみれば、真夏に無理してからだを動かすことは、冬にトマトを作るようなものだ。旬ではないのだ。人間だって自然の一部なんだから、旬があっていい。経済という資本主義の世界に飼い慣らされ過ぎて、働いていないと後ろめたさを感じる習性を身につけてしまったが、体と大地、雨、風、太陽、気温、季節と経験という資本の中で生きているのだから、人間の旬というものをもっと意識しないといけない。この台風が真夏に引導を渡してくれたのなら、それはまさに人間の旬の到来である。せっかく、扇風機を部屋で回さない夏を越しつつあるのだから。暑がりの恭さんが、扇風機のない夏を乗り切れたことに自信を深めている。僕たちの体には、潜在能力の余力がありそうだ。

2005年8月25日 寺田潤史


蝉
蝉がさなぎから出た。
蝉
ブルーベリーの木で。

今週の野菜
(すべて無農薬無化学肥料栽培です)
新着野菜品種名種播き日収穫開始日
1 なす黒陽、万寿美ナス科2005年1月12日播種2005年6月20日から収穫
2 ピーマン京波ナス科2005年1月12日播種2005年6月23日から収穫
3 ししとうつばきグリーンナス科2005年1月12日播種2005年6月26日から収穫
4 玉葱七宝甘70ユリ科2004年10月15日播種2005年5月25日から収穫
5 オクラスターライトアオイ科2005年2月27日播種2005年7月7日から収穫
6 ニラスーパーグリーンベルトユリ科2004年2月2日播種2004年4月6日から収穫
7 南瓜白栗ウリ科2005年2月27日播種2005年6月28日から収穫
8 ミニ南瓜ベイブレードウリ科2005年2月27日播種2005年6月28日から収穫
9 胡瓜ときわ地這ウリ科2005年2月27日播種2005年6月20日から収穫
10 青しそ(自)青しそシソ科自然発芽2005年6月24日から収穫
11 モロヘイヤ自家採種シナノキ科2005年3月18日播種2005年7月1日から収穫
12 インゲン黒種衣笠マメ科2005年2月27日播種2005年5月23日から収穫
13 じゃがいもきたあかりナス科2005年2月22日播種2005年5月23日から収穫
14 葉ねぎわかさまパワーユリ科2005年3月29日播種2005年7月25日から収穫
15 ひゆな自家採種ヒユ科自然発芽2005年7月1日から収穫
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22 赤鶏平飼自然卵


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