「週刊てーて」ひらく農園から、語りと映像 語りと映像。視覚障害のある方でも畑の状況を聞くことができます。また、畑の様子をビデオで見ることもできます。

「週刊てーて」ひらく農園から、バックナンバー 週刊てーてのバックナンバーと、サイト内検索が行えます。

草子の演奏は草子ドットネットへお入りください。草子ドットネット。mp3やビデオで、無料の音楽を配信しているグループ「草子」のサイトです。

雑事とレシピと掲示板「いどばたけ」 いどばたけ

ヒメパセリさんの詩集 ヒメパセリさんの詩集

サイトスさんの野菜を使った「レシピ集」サイトスさんの野菜を使った「レシピ集」です。野菜中心のメニューを、簡単な方法で料理できるやり方を提案します。

オンラインショップオンラインショップ。無農薬野菜の産地直送です。玉葱をはじめとして、旬の野菜や自然卵などをセットにしてお届けしています。

このサイトについてひらく農園の紹介です。

NEWリンク集リンク集です。

最新版の「週刊てーて」はこちらからどうぞ。

 mF247にてネットリリース! Rosemary&Timesの4曲。「僕の産毛」画像  「エナジーは逃げない」画像  「地と空」画像  Rosemary&Times「水たまり」画像

「週刊てーて」を ブログでもどうぞ。  草子「水たまり」画像 mF247にてネットリリース! 草子の「水たまり」


週刊てーて ひらく農園から

「長い流れの中で その二」

 僕が帰農してすぐの頃、三十代前半の時期は、新しい流ればかりを感じていた。それまでの東京での生活は、数え切れないくらいの多くの人と袖振り合っていながら、ほとんどの人とは何の関係もないままに袖振り合っていたに等しい。帰農した頃は、この地方に住むいろいろな動きをしている人たちとたくさん出会い、イベントなどにも参加して、田舎という情景を割り引いても、新鮮味溢れる流れの中にいた。恭さんと結婚して長女が生まれても、しばらくはそんな流れの中にいたような気がする。次女三女四女と生まれるに従って、外に出る機会はめっきり減った。

 都会の生活から田舎の生活に移ると、そこに住む地域社会の古い体質に辟易することが多い。僕だけでなく、ほかの街に住んでいた人がこの街に住んでみると、何とかしなくちゃ、と思うことは普通の感覚だ。そういう感覚は数年続くが、わが道を数年歩んでしまうと、もうあまり意識しなくなる。それがいいことか悪いことかわからないけれど、生活することで手一杯になってしまえば、生活の中でできることを模索し始めるものだ。農ということを基本とした生活、自給自足に近い生活を切望していた二十代終盤の一つの夢は達成され、そこから何ができるか、という次の段階があらわれる。それは一見つまらない生活にも見えるかもしれない。何しろ、外にほとんど出ないのだから。外に出たがっていた者が、外に出ない。ところが、この、地に足をつけた状態からこそ、次の何かが生まれるものなのだ。

 その土地の、その風土というものは、出歩いていては身に付かない。僕たちは、毎年十二月の結婚記念日の頃に、子供たちを連れて湯治休暇に出かけていた。昨年はじめて湯治休暇に出かけなかった。そうすると、その時期の気候を久しぶりに体験したことになる。その時期のこの土地の風土が身に付いていないから、多少の不安があった。不安よりも、正直貴重な時間を空白にして出かけていた損失の大きさに気付いたことも事実だが。その土地に住み、その気候風土の中で育った食べ物を食べ、その時間を継続していくことの大きさに気付いたのだ。

 スリランカで、一年あまり前の大津波があった時に、動物の死骸がほとんど見つけられなかった、ということをラジオで教えられた。ジャングルも存在するらしいのだが、そこに住む象が異変を察知して、象に続いて逃げ延びた動物たちが多かったというのだ。そして、その象がおかしい挙動をしたので、象について人間も逃げ延びたという事実があるらしい。その話を聞いて、人間の退化した部分のことを想像した。人間が本来持っている能力の中での一部分であるかもしれないが、その土地に住み、その土地でずっと暮らしていると、いつの間にか体得している何か、がその退化した部分と関係があるように感じられるのだ。

 今の世の中は、デジタルに代表されるように、データ中心の世の中だ。確かに事例、症例を積み重ねるのは大事なことで、「伝える」という確かなものの構築には必要なことである。事例、症例は、事実に基づくものだが、事例、症例を数字で解析することのほうが先行しているようにも感じる。その解析は数字であるから、あくまでも想像で、間違いあるいは勘違いであることも多い。計算式を考え出すのは、人間であるのだから。以下次週。

2006年3月2日 寺田潤史



今週の野菜
(すべて無農薬無化学肥料栽培です)
新着野菜品種名種播き日収穫開始日
1Newレタスシスコキク科2005年10月20日播種2006年3月3日から収穫
2 ブロッコリー緑山アブラナ科2005年8月20日播種2006年2月1日から収穫
3 なのはなレタサイアブラナ科2006年9月22日播種2006年1月27日から収穫
4 玉葱もみじ3号ユリ科2004年9月28日播種2005年6月1日から収穫
5 大根耐病総太りアブラナ科2005年10月20日播種2005年2月1日から収穫
6 こかぶしろかもめアブラナ科2005年10月1日播種2005年11月10日から収穫
7          
8 葉ねぎわかさまパワーユリ科2005年8月29日播種2005年11月25日から収穫
9          
10 春菊さとゆたかキク科2005年8月28日播種2005年10月12日から収穫
11 さつまいも寿ヒルガオ科2005年6月13日定植2005年11月17日から収穫
12Newにんじん紅天2号セリ科2005年9月20日播種2006年2月21日から収穫
13 さつまいも鳴門金時ヒルガオ科2005年6月13日定植2005年11月17日から収穫
14 さつまいもにんじん芋(干芋用)ヒルガオ科2005年6月13日定植2005年11月17日から収穫
15          
16 壬生菜早生壬生菜アブラナ科2005年10月24日播種2006年2月10日から収穫
17 ロケットオデッセイアブラナ科2005年10月24日播種2006年2月1日から収穫
18 法蓮草ブレードアカザ科2005年10月1日播種2005年11月14日から収穫
19 小松菜新黒葉小松菜アブラナ科2005年10月24日播種2005年2月1日から収穫
20          
21          
22 赤鶏平飼自然卵


ご意見ご感想は、下記よりどうぞお寄せください。

お名前
メール
ご意見ご感想

このページの最初に戻る